山中瑶子監督『ナミビアの砂漠』カンヌで国際映画批評家連盟賞を受賞!
- Fan's Voice Staff
第77回カンヌ国際映画祭の併設部門である監督週間で上映された『ナミビアの砂漠』が、独立賞の一つである国際映画批評家連盟賞を受賞し、5月25日(土)に山中瑶子監督が授賞式に登壇しました。
19歳で撮った初監督長編『あみこ』(17年)が第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部⾨に史上最年少で招待されるなど、若くして各国の映画祭で評判を集めた山中監督。それから7年、長編第2作目となる『ナミビアの砂漠』では主演に河合優実を抜擢し、無為に生活を送る、現代に生きる主人公が持つ爆発寸前のエネルギーをみずみずしく、魅力的に映し出しました。
今回の受賞理由について、国際映画批評家連盟は「21世紀の日本を生きる登場人物たちの間に絶え間なく存在する距離を捉え、それらのイメージを通して、現代における神経多様性を大胆不敵に探究している」とコメントしています。
カンヌでは1946年より授与が始まった国際映画批評家連盟賞は、これまでヴィム・ヴェンダース監督『さすらい』(76年)、『パリ、テキサス』(84年)、スティーヴン・ソダーバーグ監督『セックスと嘘とビデオテープ』(89年)、ケン・ローチ監督『リフ・ラフ』(91年)、『大地と自由』(95年)、アキ・カウリスマキ監督『ル・アーヴルの靴みがき』(11年)などが受賞。
日本映画としてこれまでカンヌの国際映画批評家連盟賞を受賞したのは、小栗康平監督『死の棘』(90年)、諏訪敦彦監督『M/OTHER』(99年)、青山真治監督『EUREKA』(00年)、黒沢清監督『回路』(01年)、濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』(21年)の5作品。
山中監督は授賞式で驚きと喜びのコメントを述べたほか、式後には囲み取材に対応。さらにキャストより喜びのコメントが到着しました。
山中瑶子(監督)※登壇時
ありがとうございます。
パリに旅行に行っていたのですが、こんなにすぐにまた再びカンヌに戻って来られるとは、うれしいです。そしてとてもびっくりしています。このような賞をいただきありがとうございます。監督週間、そして私の映画のスタッフ、キャストのみなさんに感謝を伝えたいです。映画を作るとき、まだ感覚に頼るところが大きいのですが、いっぱい勉強して、もっとうまく映画を作れるようになりたいです。まず自分のことを大切にしてから、次に周りの人、そしてそれが全くの他人に届くように、日々優しくありたいです。ありがとうございます。
山中瑶子(監督)※囲み取材時
今回の映画は、ジャン・ユスターシュ監督の『ママと娼婦』に影響されて作ったところがあるのですが、『ママと娼婦』もコンペティション部門ではありますが同じ賞をもらっていますし、日本の監督でも私の尊敬する方たちがいただいてきた賞なのですごくびっくりしています。
受賞が決まった時に、グループLINEで、「批評家(連盟賞)だ!」とキャストたちに送ったのですが、本当にみんなで称え合いたいと思っています。
河合優実
本当に本当におめでとうございます!これまで国際批評家連盟賞に名を連ねてきた素晴らしい作品たちに『ナミビアの砂漠』がならぶこと、言葉にし難い嬉しさです!この映画を発見してくれたカンヌ国際映画祭と、この度賞を授けて下さった審査員の方々、そして改めて、この作品に力を貸してくれた全ての人にいま最大限の感謝をしたいです。これを最高のプレゼントとして、これから私たちの映画が世界中に自由に羽ばたいていきますように!
金子大地
山中監督、そしてこの映画に関わった全ての方々、受賞、おめでとうございます!
本当に嬉しいです。
先日のカンヌ映画祭登壇の興奮がいまだに醒めない中、こんな嬉しい報告を聞くことができて幸せです。このチームで作品を作れた喜びを改めて噛み締めています。
日本での公開、どうぞ楽しみにしていてください。多くの方に今作が届くことを願っています。
寛一郎
受賞おめでとうございます!
カンヌに行けるだけではなく、賞までいただけるとは…。
すごくいいチームで作れた作品だと映画祭を通して再認識しました。
そんなチームで作った作品が、こうやって顕著に結果として現れてくれたこと、とても名誉なことだと思います。
山中監督おめでとうございます。
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『ナミビアの砂漠』(英題:Desert of Namibia)
監督・脚本:山中瑶子
出演:河合優実、金子大地、寛一郎、新谷ゆづみ、中島歩、唐田えりか、渋谷采郁、澁谷麻美、倉田萌衣、伊島空、堀部圭亮、渡辺真起子
プロデューサー:小西啓介、小川真司、山田真史、鈴木徳至
製作:『ナミビアの砂漠』製作委員会
制作プロダクション:ブリッジヘッド、コギトワークス
日本公開:2024年夏公開
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会