News

2024.05.23 8:00

フレデリック・ワイズマン特集上映〈変容するアメリカ〉9月21日より開催決定!

  • Fan's Voice Staff

ドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマンの特集上映「フレデリック・ワイズマン傑作選〈変容するアメリカ〉」が9月21日(土)より開催されることが決定し、ポスタービジュアルが解禁されました。

現存する最も偉大なドキュメンタリー監督と言われるフレデリック・ワイズマン。1930年ボストン生まれ、94歳の巨匠は、今年も新作『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』の日本公開を控え、フィルム時代の作品33本が4K復元デジタル化されるなど、話題を提供しています。

1967年の第1作以来、半世紀以上にわたって発表したドキュメンタリーは全44作。その中でも、ほぼ大半を占めるアメリカ社会の記録は、繁栄と矛盾に満ちた大国の姿を伝える偉大な足跡と讃えられています。

今年11月に大統領選挙を控え、ドナルド・トランプ前大統領の動向によって「もしトラ」「ほぼトラ」という言葉がニュースを賑わせる今、ワイズマン作品を通して“変容するアメリカ”を見る今回の特集上映。

上映作品は、1967年に完成させながら合衆国裁判によって1991年まで一般上映が認められなかった第1作『チチカット・フォーリーズ』と、近年大ヒットした『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』『ボストン市庁舎』、劇場未公開の『大学-At Berkeley』『インディアナ州モンロヴィア』、年内が最終上映となる後期の傑作『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』というオバマ政権からトランプ政権へとかつてない変化を経験した2010年代のアメリカ社会を記録し、民主主義の価値を問うた5作の全6作品。

特集上映「フレデリック・ワイズマン傑作選〈変容するアメリカ〉」
開催日:2024年9月21日(土)〜10月11日(金)シアター・イメージフォーラムほか全国順次
主催:ムヴィオラ/ミモザフィルムズ/チャイルド・フィルム 
※上映館によって上映作品が異なる場合があります
※上映スケジュール、トークイベントなど最新情報は公式サイトにて

上映作品

『チチカット・フォーリーズ』(原題:Titicut Follies)

1967/84分/白黒/劇場未公開
作品提供:コミュニティシネマセンター

ワイズマンの記念すべき長編ドキュメンタリー第1作。精神異常犯罪者のための州立刑務所マサチューセッツ矯正院の日常を記録。収容者だけでなく、看守やソーシャル・ワーカー、心理学者たちがそこで何をしているかを見ることができる。合衆国裁判所で一般上映が禁止された唯一の作品で、永年に渡る裁判の末、91年にようやく上映が許可された。

『大学―At Berkeley』(原題:At Berkeley)

2013/244分カラー分劇場未公開
作品提供:コミュニティシネマセンター

カリフォルニア大学バークレー校。アメリカで最も古く権威のある総合大学で、世界有数の研究教育機関。学生運動の拠点にもなったリベラルな校風でも知られる。授業や研究活動から、学費に対するデモ、運営のための無数の会議や行政との折衝など多視点で“大学”を記録した。

『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』(原題:In Jackson Heights)

2015/189分/カラー/2024年日本最終上映
配給:チャイルド・フィルム/ムヴィオラ

世界中からの移民とその子孫が暮らし、167の言語が飛び交うジャクソンハイツ。ワイズマンの視線はあらゆる場所、人に向けられる。教会、モスク、シナゴーグ…セクシャル・マイノリティ、不法滞在者、商店主、そして再開発の波に飲みこまれかける街を守ろうと闘う人々…。後期の傑作と名高い一作。

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(原題:Ex Libris–The New York Public Library)

2017/205分/カラー
配給:ミモザフィルムズ/ムヴィオラ

世界で最も有名な図書館のひとつを記録した大ヒットドキュメンタリー。本を探すだけではなく、多種多様なサービスや機会を提供するこの図書館を「政治情勢がどうであれ、この図書館は今なお、社会的包摂、民主主義、表現の自由のひとつの理想形であり続けている」とワイズマンは語る。

『インディアナ州モンロヴィア』(原題:Monrovia, Indiana)

2018/143分/カラー/劇場未公開
作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭

ドナルド・トランプが勝利した2016年アメリカ大統領選の結果を受け、ワイズマンは、保守的な共和党支持者が多いことで知られる中西部インディアナ州の小さな農村モンロヴィアを映画にする。農場、高校、教会、銃砲店など様々な場所や活動を撮影し、 “善きアメリカ人”が暮らす町の実像を記録する。

『ボストン市庁舎』(原題:City Hall)

2020/274分/カラー
配給:ミモザフィルムズ/ムヴィオラ

多様な人種と文化が共存する大都市ボストンの市庁舎。そこでは、警察、消防、保健衛生、高齢者支援、ホームレスの人々の支援、同性婚の承認など数百種類ものサービスを提供している。トランプ時代のアメリカで、市民のための市役所であろうと奮闘するマーティン・ウォルシュ市長の姿が印象に残る。