『異端の鳥』2020年10月9日公開決定!日本版予告編が解禁
- Fan's Voice Staff
新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開が延期されていた『異端の鳥』が、10月9日(金)に全国ロードショーされることが決定!日本版予告編が解禁されました。
映像は、主人公の少年が大切そうにか弱いフェレットを抱え、息を切らしながら懸命に何者かから逃げようとする映画のオープニングシーンで幕を開けます。そして次の瞬間に体当たりしてきたのは、彼と背丈の変わらない幼い少年──。家族とはぐれた少年は、瞳や髪、肌の色が違うために行く先々で“よそ者”“異端”扱いされ、差別され、「この子は悪魔の使いだ。我らに死を招く」という言葉まで向けられます。人々の憎悪と暴力の矛先は、少年だけに留まりません。戦争という狂気のうねりの中で多くの人命が虫けらのように扱われ、自己正義や嫉妬といった大義名分のもと人間が持つ凄まじい残虐性があぶりだされていきます。幼気な少年は「家に帰る」という強い願いを胸に人間の悪意にたった一人で立ち向かい、圧倒されるような大自然の中をさまよいながら、逞しく生き抜いていきます。地獄の旅路の果てに少年が見る風景とは──?
原作は、ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した「ペインティッド・バード」。ポーランドでは発禁書となり、作家自身も後に謎の自殺を遂げた“いわくつきの傑作”を、チェコ出身のヴァーツラフ・マルホウル監督が実に11年もの歳月をかけて執念ともいえる映像化を果たしました。
マルホウル監督は、本作製作にあたって「『異端の鳥』は悪についての探求、そして善と共感、愛についての物語です。本作の中に善と愛を発見する時、我々はその本質に感謝し、より多く求めます。これは人間が善を求めているという映画のポジティブなメッセージです。主人公の少年が“家に帰りたい”と泣いたとき、観客の皆さんも愛のある安全な場所に、家に帰りたいと思うでしょう。そして、私は『異端の鳥』が提起する質問に悩まされています。“人間は罰を受けることがなければ、悪に向かう”と言う心理学者は正しいのでしょうか? はたして悪は人生の闘いの中で、避けられないものなのでしょうか? 私はまだこれらの答えを探し続けています。そして、特に今の時代における答えを知りたいと思っています」と語っています。
本作では、『コーリャ 愛のプラハ』などオスカー受賞作品も手掛けた、チェコ映画界きっての巨匠ウラジミール・スムットニーが撮影監督を担当。全編モノクローム35mmフィルムで撮影された映像は、残酷でありながらも自然にあふれた田舎の雄大な景観と見事に調和し、一コマ一コマがまるで名画のように美しく、非常に強い余韻を残す映像となっています。予告編のラストで描かれる、その小さな手から鳥が放たれる場面の息をのむような美しさも印象的です。
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『異端の鳥』(原題:The Painted Bird)
東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である一人暮らしの叔母が病死した上に火事で家が消失したことで、身寄りをなくし一人で旅に出ることになってしまう。行く先々で彼を異物とみなす周囲の人間たちの酷い仕打ちに遭いながらも、彼はなんとか生き延びようと、必死でもがき続ける──。
監督・脚本/ヴァーツラフ・マルホウル
原作/イェジー・コシンスキ「ペインティッド・バード」 (松籟社・刊)
キャスト/ペトル・コトラール、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアー
2018年/チェコ・スロヴァキア・ウクライナ合作/スラヴィック・エスペラント語、ドイツ語ほか/169分/シネスコ/DCP/モノクロ/5.1ch/字幕翻訳:岩辺いずみ/R15
日本公開/2020年10月9日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給/トランスフォーマー
後援/チェコ共和国大使館 日本・チェコ交流100周年記念作品
公式サイト
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