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2020.07.18 20:00

『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』ダニエル・シャイナート監督が語る、奇妙な物語に感情移入させる作品作りとは?

  • Fan's Voice Staff

A24新作『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』のダニエル・シャイナート監督が奇妙な物語に感情移入させる作品作りについて語るコメントが到着しました。

シャイナート監督は、前作『スイス・アーミー・マン』で死体を自在に扱い、オナラで海を渡るという奇想天外な展開を描き、奇妙ながらも観客を惹きつけ、共感を呼ぶ物語を練り上げ高い評価を得ました。奇妙な題材でも共感できる物語にする事が作品づくりのポイントだと公言する監督が、お気に入りの作品と本作の共通点について明かしました。

ダニエル・シャイナート(監督)
前作だとおならをする死体だけど、奇妙な物でも観客が必ず感情移入するように、共感を生み出すポイントを作品に入れる事を大切にしている。なぜなら、僕の好きな映画達は、必ずそういう仕掛けがしてあって、僕自身、奇妙な話なのになぜか共感させられる事に大いに感動するから。だから、自分の作品もそんな映画にしたいと常々思っている。人は、期待していない展開や、思ってもみない出来事に直面したときに、抱えていた気持ちとのギャップで感情が大きく動くから、奇妙な物語に観客が共感できるようなポイントを入れ込んでおくと、最終的には、「まさか!こんな物に共感するなんて!」と、普通の物語より心が大きく動くから、強烈な印象を残せる。例えば、「犬が死んでしまう物語で悲しくなる」のは普通の感情の動きで、心を吹き飛ばすほどの驚きはない。けど、アリ・アスター監督の『ミッドサマー』のラストの展開は、僕の心を吹き飛ばしてめちゃくちゃにしたよ。予期しない信じられない出来事ばかり目の前で起きるから、なんて物語だ!ありえないこんな事!と、奇妙すぎる展開に驚かされ、永遠に笑い続けた。登場人物が、とてつもない仕打ちを沢山受けて、徐々に気持ちが変わっていくのと同じように、観客の感情も動いていくように設計され、知らない間に共感するようにされている点が素晴らしいと感じた。特にラストは、一生思い出せるぐらい強烈だよ。

見た時に何を思うか?どんな感情を抱くのか?驚きを生み出すために何を仕掛けておくか?観客の気持ちを想像しながら物語を組み立てていく事は楽しいプロセスで、映画製作の醍醐味だから、この映画も強烈なインパクトを残せるように、脚本家のビリーと物語を練りに練った。前作に負けないぐらい奇妙だし、『ミッドサマー』と同じよう衝撃的で、ありえない!と思ってもらえる自信があるよ。奇妙な物語ではあるけど、ちゃんと登場人物達に共感できるようにしているから、彼らと同じ気持ちを味わってもらうためにも、是非映画館の大画面で観て欲しいと思っている。細かい表情ひとつまで楽しんで欲しいから。

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『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』(原題:The Death of Dick Long)

ヤバい、大変なことになった!ディックが死んでしまった。
舞台はアメリカ南部の片田舎。この事件の真相、深堀り厳禁──。
ジーク、アール、ディックの3人は売れないバンド仲間。ある晩、練習と称しガレージに集まりバカ騒ぎをしていたが、あることが原因でディックが突然死んでしまう。やがて殺人事件として警察の捜査が進む中、唯一真相を知っているジークとアールは彼の死因をひた隠しにし、自分たちの痕跡を揉み消そうとする。誰もが知り合いの小さな田舎町で、徐々に明らかになる驚きの“ディックの死の真相”とは…?

監督/ダニエル・シャイナート
脚本/ビリー・チュー
出演者/マイケル・アボット・ジュニア、ヴァージニア・ニューコム、アンドレ・ハイランド、サラ・ベイカー、ジェス・ワイクスラー、ロイ・ウッド・ジュニア、スニータ・マニ
2019年/アメリカ/ビスタサイズ/上映時間:100分/映倫区分:PG12/字幕翻訳:佐藤恵子

日本公開/2020年8月7日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
提供:ファントム・フィルム、TCエンタテインメント
配給/ファントム・フィルム
公式サイト
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