マッツ・ミケルセン緊急来日!舞台挨拶レポ12時45分回の巻
- ichigoma
1月27日に公開された『ドクター・ストレンジ』、公開初日に行われたカエシリウスことマッツ・ミケルセンの舞台挨拶回のレポート。こちらは12時45分回のものになります。9時45分回の内容はこちらをお読みください!
12時45分回のお話
『ドクター・ストレンジ』公開に会わせて緊急来日したマッツ・ミケルセン。せっかく来日したのだからとフル稼働で、朝9時45分の回に続いて、12時45分の上映にも舞台挨拶に登場!
っていうか、ロビーにすんんっっっっごい数の女性軍団がいるんですけど。
どうやらマッツの出待ちで待機されていた方々のよう。警備員さんが「こちらからは誰も出てきません!」と何度も呼びかけても解散する気配もなく、むしろどんどん人の壁が厚くなっているように感じます。私もアーティストのおっかけ的なものをやっていた時期はありますが、そっちは男女混合の客層だったので、このような全員女性と言っても過言ではない出待ちファンの気迫には慣れておりませんでしたので、やや気後れ。
会場に入ってしばらくするとMCのお姉さんが登壇。おおー、始まるぞー!
「さあ、それでは早速ご登場いただきましょう。闇の魔術に魅せられエンシェント・ワンの教えに背き、死さえも超越した闇の魔術の力で世界を破滅に導こうとするカエシリウスを演じられました…」
「マッツ・ミケルセンさんです!」
さあ、マッツが出てくるぞ!このカメラでマッツが出てくるその瞬間を収めてやるんだ!んでもって“ファンニバル”の皆様にお届けするのが私の今回のお役目!
またしてもマッツ・トレマセン。動く被写体ってのは難易度高いですネ。ぐすん。マッツの登場と同時に会場内に響く拍手と歓声、マッツの名を呼ぶ声。耳に入りやすい黄色い声援だけ拾うと、先の9時45分回よりも熱い気がしました。
日本のファンの皆様へご挨拶をお願いしますとの声に、
「アー、コンニチハ。トーキョー?」
と日本語で語りかけるマッツ。ちゃんと挨拶が「オハヨウゴザイマス」から「コンニチハ」になってる!方々から聞えるマッツコールも止まりません。
「41年前、ボクがまだ10歳のとき、ボクの人生はマーベル・コミックスを読むこととブルース・リーのように、いかにしたらなれるかでいっぱいでした。40年後にこの作品のスタッフから電話がかかってきたとき、マーベル映画でフライング・カンフーをやらないか?と言われたとき、本当に心から子供の頃からの夢がかなったと思いました」
マッツさん、本当にブルース・リーがお好きなんですね。カエシリウスのアクションを”フライング・カンフー”と称してマッツを釣りあげたマーベル・スタジオのスタッフはマジ有能。
「『ドクター・ストレンジ』はマーベルの作品の中でもとても面白い作品で、これまでのマーベル作品では見たことのないようなキャラクターたちが登場します。5年前であればこういったグラフィックノベル、マンガ、コミックスをこういう形で映像化することはできなかったと思うんです。僕らは作っていて本当に楽しかったので、同じくらいみなさんに楽しんでいただけたらとても嬉しいです。」
確かに映像技術もですが、原作コミックのビジュアルとぴたーっとハマるキャスト素晴らしい。というか、マーベル・スタジオはなんであんなに原作から抜け出してきたようなキャストを揃えるのが上手いんですかね。ストレンジ先生の原作絵なんて、映画観た後だとベネディクト・カンバーバッチにしか見えない。
続いて久しぶりに来日されての日本の感想を聞かれたマッツ。
「本当に今回も楽しんでおります。非常に光栄なことに日本の伝統的な屋形船にも乗ることができました。お寺で住職さんにもお会いすることができましたし、ゲームクリエイターの小島秀夫さんともお会いし、彼の素晴らしいスタジオにもお邪魔しました。勿論そして、一番おいしい日本食も沢山頂いています。」
屋形船が”ヤッカタブネ”、小島監督の事を”ヒデオサン”と一部フレーズだけ日本語のコメントに度々上がる笑い声。
ここからMCさんからの質問タイム。カエシリウスがどのようなキャラクターなのか、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と『ドクター・ストレンジ』という大作に立て続けに出演していることについて。こちらは9時45分の回でも同様の質問が出ました。
———闇の魔術を扱うカエシリウス、どのようなキャラクターなのか教えて頂けますか。
「まだご覧になってないのでネタバレはできませんが(注:本編上映前の舞台挨拶)、このカエシリウスなんですけれども、世界をよりよい場所にしたい、平和をもたらし飢餓がないそんな世界にしたいと思っているキャラクターです。しかし、その手段がちょっと問題がありまして…」
———『ローグ・ワン』と『ドクター・ストレンジ』、この冬の二大作品に出演されていますが。
「デス・スターに関してはちょっと責任をね…。僕のせいなのかと思うとちょっと罪悪感にさい悩まれるところはあるんですが、誰かの手によって作らなければいけなかったものではあると思いますし(笑)」
「子供の時はまさか自分が役者になるとか思ったことはなかったんです。しかし、マーベルとスター・ウォーズが大好きな子供でした。僕はデンマーク人ですしアメリカ人ではないですから、この二つの大作シリーズに自分も出演していると言うことはとてもシュールに感じます。でもすごく感謝、こういったチャンスを与えて頂いて、一生忘れることはないと思います」
言われてみたら『ローグ・ワン』ってキャスト自体が多国籍軍。ヒロインのフェリシティ・ジョーンズはイギリス、ディエゴ・ルナはメキシコ、ドニー・イェンは香港、チアン・ウェンは中国、リズ・アーメッドはパキスタン系イギリス人。
エピソード4のメインキャストであるマーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーが全員アメリカ人だったのを考えると、「アメリカ人ではないから」無関係と思っていたマッツさんの気持ち、何となく分かる気がします。
さて、質疑応答が終わったところでこちらからの質問タイム。「質問コーナーに入りたいと思うんですけれども答えていただけますか?」と言う問いに返された、日本語の「ハイ」にはあちらこちら黄色い悲鳴が聞えました。イベント終わるまで、“ファンニバル”たちが生きていられるのかどうか、心配です。
舞台袖から黒い応募ボックスが登場。入口で募った質問が応募ボックスに入っているとのこと。マッツさん自身が選んで当たった座席番号の人が直接マッツさんに質問が出来るという段取りです。当たった方にはマッツさんのサイン入りグッズがもらえるとのの説明がありました。
「その前に Twitter の #おしえてマッツ タグに寄せられた質問をMCの私から…」っていっている間に、マッツさん、もう応募ボックスから一枚質問用紙を引いてる。しかも「ケイ…」とか読み上げようとしている(笑)
MCのお姉さんの「少し待って!」の焦り声に踏みとどまりましたが、「オッケーイ!」じゃないよマッツ。
さて、この #おしえてマッツ タグ。9時45分の回の舞台挨拶でも「どうやったら、あなたみたいな男性とお付き合いできますか?」と言うぶっこんだ質問が来ていましたが、今回はさてはて。
——どうしてそんなにかっこいいんですか!世界中の人々を魅了するつもりですか!?
ちょ、それ質問とちがう!(笑)ただのご意見と感想やんか!
「さあ、マッツさんお答えください。」って、なかなか無茶振るなぁ、MCのお姉さんも。マッツさん、難しいけど頑張って。
マッツ「miso soup and sashimi。お刺身とお味噌汁が僕の秘密です。ですからルックス部門では日本の方、大丈夫だと思います」
ミソスープとサシミ!そうか、日本男子にマッツさんのようなセクシーさが足りないのは、昨今の和食離れが原因だったのですね…(そうなの?)
——プライベートで素敵にジャージを着こなしていらっしゃいますが、私はどうしてもジャージが似合いません。かっこよく着こなすポイント、ジャージ選びでこだわっていることがあれば是非アドバイスください。
ここで誰かが出すだろうと思っていたジャージネタ。ジャージ選びのこだわりってadidasじゃないのかな。
マッツ「ただ着るんじゃダメなんです。ジャージの場合。それを着てワークアウトしなければいけません。それがポイントです」
ジャージを着てワークアウトと言われて、近所をジョギングするくらいしか思いつかない想像力の足りない私です。でもマッツ、普段着がジャージのイメージなんですけど。日常生活そのものがワークアウトとか…?
——ドクター・ストレンジの撮影で、ベネディクト・カンバーバッチさんとなにか面白いエピソードはありますか。
おお、これは直球でいい質問。
マッツ「ベネディクトは撮影中に息子さんが産まれたばかりでした。二ヶ月のときに現場に息子さんを連れていらっしゃったんですけれども、でもその時点では僕らイギリスの赤ちゃんのことをよーく知りぬいていました。何故かというとメイクのトレーラーに皆さんキャストの方がいらっしゃるんですれども、そこで朝夕二時間、ずーっと赤ちゃんとスカイプをなさっていたからなんです。なので赤ちゃんは二ヶ月のときにやってきた時に、もう知っている赤ちゃんのように「あ、こんにちはー」って声をかけたんだけれども、赤ちゃんのほうからしてみたら「この人誰だろう?」って感じでした。」
生後二ヶ月未満の赤ちゃんとスカイプしているベネさん、なんという親バカ…(笑)その頃ってまだ寝てる時間の方が長いような。そしてスカイプしている時間が朝と夕で計二時間なのか、朝と夕でそれぞれ二時間なのか。気になります。
この3問にて #おしえてマッツ タグの質問は終了。いよいよ会場からの質問タイムです。まあ既にマッツさん、応募ボックスから質問用紙を引き抜いていますけど。この座席番号の読み上げ自体もマッツさんが行うようで、用紙を通訳さんの方にだけ見せ「これ、日本語では何て言うの?」「これはね…」とこそこそと耳打ちし合っている姿がありました。恐らくですが、今日あたりから通訳を生業として志す女性が増えると思います。
耳打ちトークの後、マッツさんの口から読み上げられた座席番号は「ケイレツ、ニツサン」。K列の23番のようです。後方席の女性にマイクが渡りました。
「こ、こんにちは」と緊張の面持ちで挨拶する女性に、「コンニチハ」と日本語で返すマッツさん。
「うわぁぁぁ~っ!信じられないんですけどっ!」と喜びを隠せない様子です。
——では、マッツさんに質問したいと思います。初めて『ドクター・ストレンジ』でのマッツさんの目元のメイクをみたときに正直ちょっと、ドン引いてギョッとしてしまったんですけど、マッツさん自身はご自身のメイクを見て最初どんな感想を抱かれましたか?
「最初のリアクションは『うわぁ…毎朝3時間メイクか…』。でも例えば、朝4時に現場に入ったときにメイクをしている間目を閉じて、禅の瞑想じゃないですけれど、その日やる事を考える時間を作ることができたのでかえってよかったです。これから見て頂く訳ですけれども、僕らはかなり効いているメイクだと思うんです。そして僕らの費やした時間もその価値があったと思っていますので、皆さんにもそう思って頂けると嬉しいです。」
ごめんなさい、メイクがスゴ過ぎて予告編で観た時にマッツさんだって気付かなかったよ。しかし3時間もかけてメイクとはなかなかしんどい。朝4時に現場入りって、撮影時は何時間寝てたんですかね(汗)
続いて2人目。今度は案内の後に応募ボックスに手を入れていました。「もっと読みやすい番号がいいなぁ…」とぼやくマッツさん、それでも日本語コールをやって下さるのが嬉しいです。
「オオオ、オーレツ、テンツ、ジュウバン」 読みにくい番号だったのか、何度も通訳さんに耳打ちで教えてもらいながら読み上げるマッツさん。2人目はO列の10番のようです。後方席でも更に後ろ、やはり女性のファンの方。「こんにちは」と言われたら、ちゃんと「コンニチハ」と返すマッツさん。ファンに優しすぎやわ。
——えっと、日常でもし一つだけ魔術が使えるとしたら、何がいいですか?
「まさにこれが『ドクター・ストレンジ』でもあるんですね。自分たちが通常だったらコントロールできない、人生の部分をコントロールできる力。一番大きいのは生と死ということに関わる部分になると思うんですけどそれはちょっと外して。”飛ぶ”と言うのはすごくクールだと思うのでそれに力を使いたいと思います」
カエシリちゃん、魔術というか空を飛ぶにはまずは浮遊マントの調達が必要なんじゃないかと。てか、その気になったら自力で飛べるのかしら。
そして最後の3人目。応募ボックスから紙を引く光景に全員の注目が集まります。今度はマッツさん的に読みやすいのがあたりますように。
「オー、テツ、キュウイチ」 O列のきゅういち?ああ、11番か。あれ、一つ前の質問の女性もO列だったような…って、連番じゃないですか。全351席のスクリーンの中から連番引き当てるって凄いなぁ。きっとなにか持ってる。算数苦手なのでどんくらいの低確率なのか計算できないんですけど(馬鹿)。3人目も女性で、2人目の方とお友達?の様です。
——映画と関係のない質問なんですけど、休日の日は一番何をしているときが楽しいですか?
おおお、これもいい質問。映画ネタ→映画ネタ→プライベートって素晴らしい流れ。
「もうブルース・リーの真似をして走り回ったりはしないんですけど、まあすごく楽しかった経験ですけどもそれは。スポーツ、かなり好きです。テニス、そして自転車、バスケ、球技全般なんでも大好きなので、そういうことが多いです。また、スポーツを自分がしていないときは観戦する傾向があります。…ごめんなさい、ちょっとつまらなかったかもしれないですけど、それが僕のオフの過ごし方です」
さすがはベストジャージニスト(笑)自転車が好きってのはデンマークならではでしょうか。コペンハーゲン市内には自転車専用のレーンがあるらしいですね。
まだまだ聞きたい事は多いですが質問コーナーはこれにて終了。続いて撮影タイムです。一斉に携帯電話もしくはスマートフォンをマッツさんに向ける客席の皆様。舞台センター、上手、下手と移動して…
キター!今回も客席の方に降りてきたー!黄色い悲鳴に混じって聞える「嬉しいー!」「どうしよーう!」の声、こちらにも聞えておりますぞ。客席を移動中、通路側に座っておられた方の中には握手して貰えた方もいるようでファンへのサービス精神が凄いです。
そんなに時間も無いのか、足早に客席をぐるりと一周回って舞台に帰還。
この時に舞台の上手方向から中央に向かって歩きつつ、後ろ向きになって両足を揃えて軽やかにぴょん!と舞台に飛び乗るマッツさんが最高であった事を、本レポートでは強く!強く!推していきたい所存であります。ほんの一瞬でしたが見逃してないですぜ!
そして自撮り棒を使ったマッツさんの手による客席背景のセルフィ撮影。こちらも2回、撮影をされてました。「スポーツじゃないから、これは僕にはちょっと難しいんですけど頑張ります」と言いながら一生懸命フレームに収めようとするマッツさん。なるべく一人でも多くのファンを撮影していってくださいまし!
サプライズゲストご登場!
9時45分回はこの撮影タイムが終わったところで終了だったのですが、こちらの回では撮影終了後も「まだまだイベントの方が続きますので」とのMCのお姉さんからアナウンス。はて?
「今回のマッツさんの来日、そしてマーベルファンのみなさまと公開初日のお祝いをしたいと言うことで、今日は豪華なゲストの方々、急遽かけつけてくださいました!」
おおお、サプライズゲストってヤツですね!
「それでは早速、ご登場いただきましょう。本作の日本語版にて主人公ストレンジを魔術の世界に導くエンシェント・ワン役を担当されました樋口可南子さん、そしてマッツ・ミケルセンさん演じる闇の魔術師カエシリウス役を担当されました井上和彦さん。盛大な拍手でお迎えください!」
ちょ、ちょっとファンニバルの皆さん、待ちなはれ。
何で井上和彦さんの名前が呼ばれて登場した時の歓声と、マッツさんが登場した時の歓声が同じくらいの熱量なんだYO!(笑)
「カエシリウス役を担当されました…」の紹介の下りで、すでに「えーっ!!」とか聞えてたんですけど!?お嬢さん方、ヒートアップしすぎっす!もしかして、ファンニバルの中には相当数の井上和彦さんファンがいるってことなのでしょうか。
念のため説明しますと、井上和彦さんと言えば声優界の大御所で、TVドラマ「ハンニバル」でマッツさん演じるハンニバル・レクターの吹替を演じられた他、本作のカエシリウスも担当をされていらっしゃいます。そんなに声優に詳しくない私ですら知っているビックネーム。
また樋口可南子さんと言えば、ソフトバンクの白戸家のお母さんですね。1月19日の『ドクター・ストレンジ』スペシャルイベントにも登場、ベネディクト・カンバーバッチを「ベネ様」と呼ばれたり、コスプレイヤーを指して「扮装」と称されていたとってもチャーミングな女優さんです。
樋口さんは暗紫のベルベット素材のようなワンピース、井上さんはネイビーのシャツにグレーのベストを着込んで上に黒っぽい光沢のあるジャケット、ジーパンという装い。樋口さんは手に花束を持たれての登場でした。マッツさんに花束を渡して軽いハグを交わす樋口さん。美男と美女のツーショット、絵になります。
MCのお姉さんから挨拶を促され、まずは樋口さん。
「来て頂きまして本当にありがとうございます。今日はみなさんと同じ気持ちでマッツさんに会いたくて!もう!いきなり写真撮りました!(笑)」
樋口さん、出だしから仕事忘れてます。挨拶もそっちのけに「井上さんも、もう一枚撮りましょう?」と井上さんを巻き込んでスリーショットの撮影会。
嬉しいー!とはしゃぐ姿に、こっちの表情筋も緩みっぱなしです。会場の女性比率を見て「マーベルファンって女性の方ってこんなに多かったんですか!?」と驚かれていましたが、そりゃもう多いですよ?今日は更にマッツさん効果による補正が入っていると思いますが。
因みにWikipediaによると樋口さん、現在御年58歳。エンシェント・ワンことティルダ・スウィントンよりも2歳年上。このなんとも可愛らしいマダムがもうすぐ還暦とか。樋口さん美魔女すぎる。
「私、この歳で初めて吹き替えをやらせて頂いて、本当に難しいものだと思いました。ただエンシェント・ワン、女の人から見ても本当にカッコいい。私は一目ぼれのような感じで、台本も読まずに予告編を拝見したときにこの役をやりたい!と飛び込んだ状態です。すごく苦労しましたけど、今本当にマッツさんの隣にいるとは信じられない。吹替版の井上さんも、マッツさんと同化して。もう、どっちがどっちか分からない(笑)あまりにもプロの技術で。私一年生なので、こんなにプロの方の技術が素晴らしいと、本当に初めて思いました」
いやいや樋口さん、吹替版も観ましたけどお上手でいらっしゃいましたよ!?ティルダ様と同様に透明感のある優しいお声ですが、ほんのちょっとだけティルダ様より低めのトーン。深みがあって好きです。今後も吹替の仕事やって欲しいです。
続いて井上さん。MCさんから会話を振られただけで、客席がそわそわっとするの面白い。
「こんにちは。井上和彦です。やっとマッツさんにお会いすることができて、本当に嬉しいです。3年以上マッツさんの声をずっと続けてきたんですけども、頭の中では 「私 マ ッ ツ わ」 とずーっと回ってました(笑)そのくらい嬉しいです。」
……… 【審議拒否】 ( ´・ω) (´・ω・) (・ω・`) (ω・` )
「今回のカエシリウス役も身のこなしが滅茶苦茶かっこよくてどうしようかと思ったんですけど、身のこなしが激しいところはあんまり声、出してないんですよね(苦笑)」
……あ、えっと、何でしたっけ?そうですね、カエシリウスの身のこなしと上腕の動きが色っぽいですよね。そこは審議せずとも同意します。何かさっき、親父ギャグが聞こえたような気がしますが幻聴ですよね。
更に、実際にお会いしてみてのマッツさんの印象についても質問が両名に飛んでおり、まずは樋口さん。
「ギラギラしたかっこいい敵役をやられていて、多分ギラギラとした方なんだろうなぁーと。どうしよう!と思って来たんですけど、最初にお目にかかった時にもう、とってもナチュラルというかにこやかで、優しいんですよ!何かこのギャップが堪らないというか、もう色んな顔を役柄でやられてるんですけれど、ご本人は本当にナチュラル。うふふっ、こんなにフレンドリーで、こんなに話しやすくて、こんなに横にいてほっとできる方だとは思いませんでした。もう、ますますファンになりました」
と答えながら、マッツさんの腕にぴとぴと触っちゃってる樋口可南子さん58歳。本来ならば「樋口さん、そこを代わってくれ」と暗黒面に落ちそうな場面なんでしょうが、この抑え切れないデレっぷりがファンの気持ちを代弁しているようで恨みすら起きません。もう樋口さん、可愛すぎてどうしよう。
続いて井上さん。MCのお姉さん、「『私マッツわ』と、先程フレーズを仰っていた井上さん」と掘り返してあげるのは止めて差し上げてください。
「もっとなんかこう近寄りがたい人なのかなっていう思いがあったんですれども、こんな言い方したらすごく失礼かもしれないんですけど、その辺にいる優しいお兄さんみたいな感じ。すごくフレンドリーと言うかフランクと言うか、すごくとっつきやすい感じで。そのマッツさんが演じると、あんなに怖くなるというそのギャップがすごいですね」
うん。何でこんなに優しい雰囲気を持った御方が、カエシリウスでハンニバル・レクターでル・シッフルなのかさっぱり分からないです。どこにその引き出し隠しているんですか。怖さ、鋭さ、キツさなんて微塵も感じないんです。
続いてマッツさんに話が移動。日本語版のエンシェント・ワンとカエシリウスであるお二人とお会いになった感想について。
「まずエンシェント・ワン、エンシェントというのは”いにしえの”と言う意味があるので、ものすごく歳をとってるキャラクターなんですが、全然そうは樋口さん見えません。大変お美しくて」
こんな58歳に私もなりたい。
「ヨーロッパ、僕の出身地のデンマークも吹替版には慣れてる国です。本当にアート、一つの芸術ですよね。声優さんが声を当てられる、僕もそういう吹替版を沢山観てはいますけど、その度にそれは感じて、特に役者だけしている我ら・私たちにとっては、樋口さんが先ほどおっしゃったようにとても難しいです。勿論映像に合わせなければいけないのだけれども、同時にそれを自分のものにしなくてはいけない」
私は経験がないですが、映像に合わせて台詞を言う技術って本当に大変らしいですね。口も合わせないといけないし台詞もちゃんと”台詞”にしなくてはいけない。しかも役者本人のイメージは壊してはならないとなると…。
「僕も一度声優をしたことがあるんですが、非常に大変でした。本当に難しく、でも素晴らしい一つの芸術なので、ここにいらっしゃる井上さんと、それから初挑戦の樋口さんに皆さんで拍手を送って頂ければと思います」
マッツさんの呼び声に沸きあがる温かい拍手!このような形でゲストのお二方に敬意を示されるとか!マッツさんは優しさで出来ているとしか思えない対応です。
と、ここでちょっと余談話と補足のお話。ファンニバルの皆様には常識かもしれませんが、マッツさんが語っていたこの「僕も一度声優をしたことがある」っていう話ですね。
このマッツさんが声優をされた作品と言うのが2015年に日本で劇場公開された「劇場版ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション」。こちらでスニフ役を担当されています。これ当時映画館で観たんですけど、全然気付きませんでした。”あの一切空気が読めないウザイキャラ”がマッツさんの声だったなんて!(元々スニフはそういうキャラです)
また、ムーミンパパの役を「マイティ・ソー」シリーズ等でお馴染み、セルヴィグ博士ことステラン・スカルスガルドが演じております。このパペット・アニメーション、スナフキンのビジュアルが日本人的にはややショッキングなのも必見です。ちびっこが見たら多分泣くやつ。
そして最後にマッツさんがおっしゃられていた「僕の声を日本であててくださってる方がこんなにハンサムでとても嬉しいです。」の一言、井上さんファンも嬉しかったのではないでしょうか。
さて、ここからはマスコミ向けのフォトセッションの時間。事前に説明のあった段取りでは一旦ゲスト三人が退出したあと、客席内の通路に再入場し、客席を背景にした写真撮影となってました。拍手に見送られながら、下手の扉から外に出られるマッツさん・樋口さん・井上さんの三人。客席通路では撮影準備が始まり、ここでも「え、ここに来るの!?」と叫ぶ声も聞えました。
一旦退出してもう一度入ってくる。となれば再度、会場内に入さっきの瞬間のマッツさんを撮影できるチャンスです!さっきのは練習、今度のが本番なんだから。二度目の正直って言うし。
「さて、ご準備できましたでしょうか。再度拍手でお迎えください!」
さあ来い!
おっっっっしゃゃゃぁぁぁ!!!撮ったどおおおぉぉぉぉぉぉ!
これだけ撮れれば満足!タイミングという運も味方して、とりあえず撮れた!
でも喜びに浸りすぎて樋口さんと井上さんが撮れなかった。井上さんなんてがっつりブレててお見せ出来ないレベル。撮影スキル磨いて出直してきます。
指定位置にお三方が揃い、撮影陣から「目線くださーい」などと飛び交うなかの撮影タイム。どっかから「何かポーズを…」と聞えたので、ドクター・ストレンジのポスターにてベネディクト・カンバーバッチがやってるあの手の形を作って手を挙げて、ぶんぶんとアピールしたところ、お三方もやってくださいました。
え、それって「コンサートでアーティストのだれそれと目が合っちゃったー♪」って言うのと同じ幻想じゃんだって?
そ う だ よ ?
でも信じる者は救われるんですよ。ええ。(満面の笑み)
これで舞台挨拶も全て終了。
夕方には、マッツさんへのインタビュー取材と言う一大ミッションが待っています!