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2024.03.25 17:00

Netflix『三体』ロンドンプレミア開催!ベネディクト・ウォン、エイザ・ゴンザレスら主要キャスト集結!

  • Atsuko Tatsuta

Netflixシリーズ『三体』の世界同時配信前夜となった3月20日(水)、ロンドンでプレミアイベントが開催され、ベネディクト・ウォン、エイザ・ゴンザレス、ジョン・ブラッドリーら主要キャストが来場した。

リアム・カニンガム、ジーン・ツェン、ジェス・ホン、エイザ・ゴンザレス、ジョナサン・プライス、ジョン・ブラッドリー、アレックス・シャープ、ベネディクト・ウォン(Photo by StillMoving.Net for Netflix)

『三体』は中国の作家・劉慈欣(リウ・ツーシン)による同名SF小説を原作とした全8話の新シリーズだ。本国・中国でベストセラーになった原作は、ケン・リュウによる英訳版が出版されると英語圏でも高く評価され、2015年には第73回ヒューゴー賞の長編小説部門をアジア人作家としては初受賞するなどの快挙を成し遂げている。マーク・ザッカーバーグやバラク・オバマ元大統領が愛読書としてタイトルを挙げたことでも話題となった。

小説「三体」の実写化作品は、すでに中国のテンセント制作による30話のTVシリーズがあるが、Netflix版は英語版の原作を元にしたオリジナルシリーズである。ショーランナーは、『ゲーム・オブ・スローンズ』を成功に導いたデヴィッド・ベニオフとD・B・ワイス、そして『トゥルーブラッド』のアレクサンダー・ウーという気鋭が初コラボレーションを果たしている。

Netflix版のストーリーは、1960年代の中国から始まる。信念を持つ高名な物理学者の父を文化大革命で失った葉文潔=イェ・ウェンジェ(ジーン・ツェン)は、やがてその知性を買われ、軍事基地秘密のプロジェクトに関わるようになるが、人類に絶望した彼女がとったある行動が後の地球上に大きな危機をもたらすことになる。一方、現代(2024年)の英国では、オックスフォード大学の教授が自殺し、教え子である優秀な若い科学者“オックスフォードの5人”が葬儀で顔を合わせる。夜の星空がチカチカと瞬く“宇宙のウインク”、空全体が謎の“膜”ような存在に覆われる現象など、異星文明の存在を感じさせる驚天動地の事態が頻発し、異変が高まる中、“オックスフォードの5人”のジャック(ジョン・ブラッドリー)とジーン(ジェス・ホン)は何者から届けられたヘッドセットを装着しVRゲームに挑むことで、その謎を解明しようとする。そんな中、世界中で有能な科学者が次々と自殺している事件について捜査を進めている捜査官ダーシー(ベネディクト・ウォン)は、“オックスフォードの5人”の監視を強化し──。

ロンドンのプレミア会場には、ヘッドセットを装着して体験するVRルームや、『三体』の世界を迫力ある映像で表現したイマーシブ・エクスペリエンスルーム、フォトブースなどが設けられ、スクリーニングが始まるまでの間、“Out of This World”のドレスコードで思い思いに着飾ったインフルエンサーやセレブリティらゲストたちが、さまざまなアプローチで『三体』の体感する様子が見られた。

エピソード1のスクリーニング前には、ジョン・ブラッドリー、リアム・カニンガム、エイザ・ゴンザレス、ジェス・ホン、アレックス・シャープ、ジョナサン・プライス、ジーン・ツェン、ベネディクト・ウォンらグローバルかつ多彩なキャストが登壇し、プレミアに華を添えた。

上映前舞台挨拶の様子

プレミア後のアフターパーティでは、ベネディクト・ウォンがDJとして登場。キャストたちとともにダンスに興じるというサプライズもあり、イベントは深夜まで盛り上がった。

翌日には、ロンドン現地での参加が叶わなかったショーランナーの3人もリモートで加わり、インタビューに応じてくれた。

デヴィッド・ベニオフは、英語版の原作通り中国の文化革命時代から物語を始めることの重要性を強調。「この本がSFであることは知っていたし、本の表紙もSFらしいものだった。にも関わらず、読み始めるとSFのようには感じない。まるで歴史小説のように感じました。まず、1960年代の北京にタイムスリップし、そしてSF的なことが起こるまでにかなり時間がかかる。それが私たち3人にとってとても魅力的でした。どこかの宇宙船から始まるわけではなく、この地球に住む、私たちに馴染みのある人々から始まる物語だということ」

アレクサンダー・ウー、デヴィッド・ベニオフ、D・B・ワイス(Photo by Ed Miller/Netflix © 2024)

原作からの大きな改変といえば、“オックスフォードの5人”を中心に物語が展開することだ。「原作では巻を追うごとに異なるキャラクターが中心となります。でも今作では、物語が進んでから新たなキャラクターを一人ずつ登場させるよりも、早い段階で全員を登場させて知ってもらう方が、視聴者を惹きつけられるだろうと考えました。そして、すでに共通の過去を持ち、互いに葛藤を抱えたり、恋心を抱いたり、想いを寄せ合ったりと、交流のある人たちのグループを作りました」(アレクサンダー・ウー)。 その思惑は的中し、ストーリーはスピード感を増し、原作やハードSFの世界に馴染みのない視聴者にとって“敷居を下げた”といえるだろう。

本作に対するキャストたちの期待も大きい。『ゲーム・オブ・スローンズ』でもベニオフやワイスと共に仕事し、今作では実業家として成功を収めている“オックスフォードの5人”のひとりジャック・ルーニーを演じたジョン・ブラッドリーは、「デヴィッド(・ベニオフ)とダン(=D・B・ワイス)が『ゲーム・オブ・スローンズ』を始めたとき、彼らには何の期待もかけられていなかった。世間がまだ彼らを知らなかったから。 でも、『ゲーム・オブ・スローンズ』を終えて、新たにこのシリーズを始めた今、彼らには大きな期待がかかっている。最大の挑戦は、その期待に応えることでしょうね」

ジョン・ブラッドリー(Photo by StillMoving.Net for Netflix)

“オックスフォードの5人”のひとりで、控えめで善良な物理学教師ウィル・ダウニングを演じたアレックス・シャープは、「最初に脚本を読んで、それから原作を読みました。 完全に圧倒されたし、陳腐に聞こえるかもしれませんが、全く新たな形で物事を考えさせられました。 “黒暗森林理論”といった要素の描写は特に素晴らしく、今でも頭から離れません。実際の科学と著者のイマジネーションが驚くほど上手く融合されている。そしてデヴィッド、ダン、そしてアレックス(=アレクサンダー・ウー)はこの原作を、実に巧みに実写シリーズ化したと思います」

アレックス・シャープ(Photo by StillMoving.Net for Netflix)

世界中で起こっている異変を調査している捜査官ダーシーを演じたベネディクト・ウォンは、VRゲームの“仮想世界”を舞台に繰り広げられるこの物語に独自性に魅了されているという。「僕はSFの大ファンで、僕はキャリアの5分の1で“未来に生きて”います。現実と科学に根ざしているところが好きで、特に、国連本部といった実在の場所で撮影できたことが気に入っています。ダン、デヴィッド、アレックスは、文字通り“ドアを蹴破ること”に成功したわけですね。僕らはコンピューターゲームのヘッドセットをつけて仮想現実の中に入り、実際に触れたり、味わったり、感じたり、別の時代に行ったりすることができるので、本当にジェットコースターのようです」

ベネディクト・ウォン(Photo by StillMoving.Net for Netflix)

話をするほどに、制作陣とキャストたちの興奮が伝わってくるが、配信開始直後からすでにシーズン2を熱望する声も上がっている。もちろん、三部作から成る原作シリーズにその余地は大いに残されている。

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Netflixシリーズ「三体

2024年3月21日(木)より世界独占配信