News

2022.06.02 15:00

『PLAN 75』高齢者が自ら死を選べる制度への加入促進CMが解禁!

  • Fan's Voice Staff

第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)スペシャルメンションを受賞した映画『PLAN 75』の劇中に流れる、75歳以上の高齢者が自ら死を選べる制度〈プラン75〉への加入を促進するCM映像が解禁されました。

舞台は、75歳以上の高齢者に死を選ぶ権利を認めて支援する制度〈プラン75〉が施行された、近い将来の日本。制度の施行から3年、人口の著しい高齢化によって起こる軋轢の解決策として、社会は歓迎ムード。制度を利用する事が推奨されるような風潮が広がっています。

CMは、主人公のミチ(倍賞千恵子)が後期高齢者集団検診に訪れた際に、背景のモニターで流れているもの。無垢な乳児の映像の後に、「未来をまもりたいから」とキャッチコピーが説明され、〈プラン75〉の利用を決めた女性のインタビューへと続きます。「人間は生まれてくるときは選べないから、死ぬ時くらいは自分で選べたらいいだろうなと思って。自分で死に方を決めることができたら安心だなと思って、なんの迷いもなかったです」と、笑顔で制度を推奨する利用者の女性。〈プラン75〉は75歳以上は誰でも無料で利用でき、遺言信託、生前整理、葬儀・お墓の手配、死後手続き、心のケアまで、一人一人に寄り添った手厚い“終活”サポートが受けられると説明され、24時間365日の電話でのサポートにも対応可能と謳う内容は、現実のものかと錯覚させるようなリアリティに溢れています。

〈プラン75〉が浸透した社会では、後期高齢集団検診で流されたCM映像以外にも、公園での炊き出しブースの隣に〈プラン75〉の加入ブースが設置され、その場で制度に申し込みができるなど、75歳以上が容易に生死の選択ができるような導線が社会に張り巡らされています。失職をきっかけに、あっという間に社会での居場所さえも失いかけるミチは果たしてどのような決断を下すのか──。

==

『PLAN 75』

世界でも速いスピードで高齢化が進んできた日本では、超高齢化社会に対応すべく75歳以上の高齢者が自ら死を選び、それを国が支援する制度〈プラン75〉が施行されることになった。制度の運用開始から3年──〈プラン75〉を推進する様々な民間サービスも生まれ、高齢者の間では自分たちが早く死ぬことで国に貢献するべきという風潮がにわかに広がりつつあった。
夫と死別後、ホテルの客室清掃の仕事をしながら、角谷ミチ(78歳)は⻑年⼀⼈で暮らしてきた。市役所の〈プラン75〉申請窓⼝で働いている岡部ヒロムや申請者のサポート業務を担当する成宮瑶子は、国が作った制度に対して何の疑問も抱かずに、業務に邁進する日々を送っていた。また、フィリピンから出稼ぎに来ていたマリアは高待遇の職を求め、〈プラン75〉関連施設での仕事を斡旋される。ある日、ミチは職場で高齢であることを理由に退職を余儀なくされる。職を失い、住む場所さえも失いそうになったミチは〈プラン75〉の申請手続きを行うか考え始め──。

出演/倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美
脚本・監督/早川千絵
脚本協力/Jason Gray
企画・制作/ローデッド・フィルムズ
製作/ハピネットファントム・スタジオ、ローデッド・フィルムズ、鈍牛俱楽部、Urban Factory、Fusee

日本公開/2022年6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
製作幹事・配給/ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee