News

2022.05.30 9:00

『PLAN 75』監督が倍賞千恵子のキャスティング理由を語る!スタジオジブリ鈴木敏夫より絶賛コメントも到着!

  • Fan's Voice Staff

第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)スペシャルメンションを受賞した映画『PLAN 75』で主演を務めた倍賞千恵子のキャスティング理由を語る監督コメントと、スタジオジブリの鈴木敏夫よりメッセージが到着しました。

舞台は、75歳以上の高齢者に死を選ぶ権利を認め、支援する制度、通称<プラン75>が施行された近い将来の日本。主人公の角谷ミチを演じた倍賞は、勤勉に慎ましく生きてきたのに、失職をきっかけに社会での居場所さえも失いかけ、<プラン75>の申請を検討し始めるという役どころを繊細に表現しています。

倍賞を起用した理由について早川千絵監督は、「観た人がかわいそうだと思うような主人公ではなく、観た人が自然と好きになり、感情移入してしまうような主人公にしたかった。そのためにも、凛とした美しさや人間としての魅力を備えた方に演じてもらいたかったんです。それで真っ先に倍賞さんを思い浮かべました」と語り、「お芝居は、手の先から足の先までで完璧でした。フランスの編集スタッフやサウンドエンジニアも、“なんてエレガントなんだ”と。まさに誰もがミチを好きになっていました。同時に人間的にも素晴らしい方です。倍賞さんはスタッフの名前を、アシスタントの名前まで全部覚えていらっしゃるんですよ。人間としても倍賞さんから多くを学ばせてもらいました」と撮影を振り返っています。

倍賞自身は脚本を読み、「最初は“酷い話”だと思ったのですが、物語の終盤でミチがある選択をする姿が描かれており、そこにものすごく心打たれ、惹かれて…それだけで出演を即決しました」と明かしています。

そしてもう一人、本作をいち早く鑑賞し倍賞の演技を絶賛するスタジオジブリの鈴木敏夫から以下の通りメッセージが到着しました。

スタジオジブリ 鈴木敏夫
倍賞千恵子さん、ご無沙汰しています。お元気そうですね。映画を見てそう思いました。倍賞さんというと、「寅さん」の妹のさくらさん。でも、ジブリにとっては、「ハウルの動く城」のソフィーです。75歳を超えると、死を選択できる。この配役は、倍賞さんを置いて、他に考えられない。最後まで、倍賞さんの一挙手一投足を見守りました。この映画のヒットを願っています。

==

『PLAN 75』

世界でも速いスピードで高齢化が進んできた日本では、超高齢化社会に対応すべく75歳以上の高齢者が自ら死を選び、それを国が支援する制度〈プラン75〉が施行されることになった。制度の運用開始から3年──〈プラン75〉を推進する様々な民間サービスも生まれ、高齢者の間では自分たちが早く死ぬことで国に貢献するべきという風潮がにわかに広がりつつあった。
夫と死別後、ホテルの客室清掃の仕事をしながら、角谷ミチ(78歳)は⻑年⼀⼈で暮らしてきた。市役所の〈プラン75〉申請窓⼝で働いている岡部ヒロムや申請者のサポート業務を担当する成宮瑶子は、国が作った制度に対して何の疑問も抱かずに、業務に邁進する日々を送っていた。また、フィリピンから出稼ぎに来ていたマリアは高待遇の職を求め、〈プラン75〉関連施設での仕事を斡旋される。ある日、ミチは職場で高齢であることを理由に退職を余儀なくされる。職を失い、住む場所さえも失いそうになったミチは〈プラン75〉の申請手続きを行うか考え始め──。

出演/倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美
脚本・監督/早川千絵
脚本協力/Jason Gray
企画・制作/ローデッド・フィルムズ
製作/ハピネットファントム・スタジオ、ローデッド・フィルムズ、鈍牛俱楽部、Urban Factory、Fusee

日本公開/2022年6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
製作幹事・配給/ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee