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2022.05.26 10:00

ロバート・ダウニー監督の幻の傑作『パトニー・スウォープ』7月22日公開決定!

  • Fan's Voice Staff

カウンターカルチャーの異端児ロバート・ダウニー監督の幻の傑作『パトニー・スウォープ』の日本公開日が7月22日(金)に決定しました。

舞台は1960年代のニューヨーク。マディソン・アヴェニューの名門広告会社の創業者が突然亡くなり、会社の唯一の黒人役員(といっても楽曲担当)であるパトニー・スウォープが予想外の結果によって新社長に選出されます。早速、スウォープは会社の名前を「Truth and Soul」に変更し、ほぼすべての白人役員を解雇。破壊的で奇抜な悪趣味ともいえる広告キャンペーンは次々とヒット商品を生み出し、会社は新たな成功へと飛躍しますが、スウォープは国家安全保障への脅威であるとして、アメリカ大統領ミミオの陰謀に巻き込まれることに──。

1969年の全米公開時、『パトニー・スウォープ』は独自の過激なユーモアで世の中のあらゆる欺瞞を風刺する、時代の先駆者そのものでした。ポスターが刺激的すぎるとして、各地の映画館で掲載拒否運動が起こったというエピソードもあり、「最も悪意に満ちた悪徳の映画」(デイリー・ニューズ)と酷評される一方、ジェーン・フォンダがテレビで「『イージー・ライダー』も凄いけど、もう一本観るべき映画が『パトニー・スォープ』」と語るなど、評価は真っ二つに。アメリカン・ニューシネマの到来に沸くアメリカ映画界においてさえも、本作の時代の先を行き過ぎた映像感覚と内容の過激さは人々を驚嘆させました。それから50年を経て、BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動などが声高に叫ばれる現代にその先見性をどのように見るか。2022年の今、まさにタイムリーな作品です。

長らく幻の映画として知られてきた本作品ですが、全米で新たに注目を浴びるきっかけとなったのは、2016年にナショナル・フィルム・レジストリーに選出され、その後マーティン・スコセッシが設立したフィルム・ファンデーションとアカデミーフィルムアーカイブによって2019年にデジタル復元がなされたことによる。以後本作品は全米映画ファンの間で「見なければいけない映画」の地位を獲得しています。

『パトニー・スウォープ』は、ジム・ジャームッシュやポール・トーマス・アンダーソンなど多くの映画作家に影響を与えたといい、特にアンダーソンは、本作品を最も影響を受けた作品の一つに挙げています。『ブギーナイツ』では、ドン・チードルが演じるバック・スウォープというキャラクターを創造して本作へのオマージュとしたほか、『ブギーナイツ』『マグノリア』ではダウニーを役者として起用。第94回アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされたアンダーソン最新作『リコリス・ピザ』には、「ロバート・ダウニーに捧ぐ」という献辞が添えられています。

2021年7月7日に85歳でこの世を去ったロバート・ダウニーの息子で、『アイアンマン』などで世界的人気を博す俳優のロバート・ダウニー・Jr.は、ハリウッドに組せずあくまでインディペンデントにこだわった父親について「彼はアメリカ映画界における偉大なる真の異端児だった」と語っています。

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『パトニー・スウォープ』-デジタル・レストア・バージョン-

監督/ロバート・ダウニー
主演/アーノルド・ジョンソン
1969年/アメリカ/85分/白黒・カラー/原題:Putney Swope

日本公開/2022年7月22日(金)渋谷ホワイトシネクイントにて公開、順次全国公開
提供/RIPPLE V 、3DAP Japan LLC
配給/RIPPLE V
公式サイト