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2020.09.13 3:42

【受賞リスト】第77回ベネチア国際映画祭 金獅子賞は『ノマドランド』!黒沢清監督が監督賞を受賞!

  • Fan's Voice Staff

第77回ベネチア国際映画祭の授賞式がイタリア現地時間9月12日(土)に行われ、各賞の受賞作品が発表されました。

金獅子賞(最高作品賞)は、前評判の高かったクロエ・ジャオ監督・脚本・製作・編集による『ノマドランド』が受賞。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド〜漂流する高齢労働者たち」を、オスカー女優のフランシス・マクドーマンド主演・製作にて映画化した意欲作。クロエ・ジャオは、長編第2作の『ザ・ライダー』で注目を浴びた新進監督で、2021年に公開予定のMCU映画『エターナルズ』の監督にも抜擢されています。

LAで開催されたテルライド映画祭主催のドライブ・イン・プレミアに登場したクロエ・ジャオ監督(奥)とフランシス・マクドーマンド

新型コロナウイルスの影響で現地への渡航が叶わなかったジャオ監督とマクドーマンドは、動画メッセージにて受賞の喜びを場内に伝えました。

『ノマドランド』© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.

銀獅子賞(監督賞)は、『スパイの妻』の黒沢清監督が受賞しました。ホラーの名手として国際的にもファンが多い黒沢監督ですが、本作は、自身初となる歴史映画としても注目されていました。

黒沢清監督『スパイの妻』©2020 NHK, NEP, Incline, C&I

黒沢監督もベネチアへの渡航が叶わず、動画にて受賞スピーチを寄せました。「こんばんは、黒沢です。大変驚いています。それと言葉では言い尽くせないような喜びを感じています。第77回ベネチア国際映画祭の関係者の皆さま、審査員の皆さま、そしてこの映画を世界に先駆けていち早くご覧になってくれた観客の皆さま、皆さまに感謝を捧げたいと思います。長い間映画に携わってきましたけれども、この年齢になって、こんなに喜ばしいプレゼントを頂けるというのは夢にも思っていませんでした。本当に、長い間映画を続けてきて良かったなと、今しみじみと感じております。そちらはさぞや華やかで熱気に包まれていることだと思うんですけども、残念ながら僕は今東京にいて、そちらにお伺いすることができません。すいません。本当に今回はありがとうございました」

9月9日にリモート参加した公式会見での黒沢清監督

以下、コンペティション部門の受賞リストです。

金獅子賞
『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督(アメリカ)

銀獅子賞(審査員大賞)
『Nuevo Orden』ミシェル・フランコ監督(メキシコ、フランス)

銀獅子賞(監督賞)
黒沢清監督『スパイの妻』(日本)

男優賞
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
『Padrenostro』クラウディオ・ノーチェ監督(イタリア)

女優賞
ヴァネッサ・カービー
『Pieces of a Woman』コーネル・ムンドルッツォ監督(カナダ、ハンガリー)

脚本賞
チャイタニヤ・タムヘイン
『The Disciple』チャイタニヤ・タムヘイン監督(インド)

審査員特別賞
『Dorogie Tovarischi(Dear Comrades)』アンドレイ・コンチャロフスキー監督(ロシア)

マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)
Rouhollah Zamani
『Khorshid(Sun Children)』マジッド・マジディ監督(イラン)

以下、コンペティション部門に選出された18本です。

『In Between Dying』ヒラル・バイダロフ(アゼルバイジャン、アメリカ)
『Le Sorelle Macaluso』エマ・ダンテ (イタリア)
『The World to Come』モナ・ファストヴォルド(アメリカ)
『Nuevo Orden』ミシェル・フランコ(メキシコ、フランス)
『Amants(Lovers)』ニコール・ガルシア (フランス)
『Laila in Haifa』アモス・ギタイ(イスラエル、 フランス)
『And Tomorrow The Entire World』ジュリア・フォン・ヘインズ (ドイツ、フランス)
『Dorogie Tovarischi(Dear Comrades)』アンドレイ・コンチャロフスキー(ロシア)
『スパイの妻(Wife of a Spy)』黒沢清(日本)
『Khorshid(Sun Children)』マジッド・マジディ(イラン)
『Pieces of a Woman』コーネル・ムンドルッツォ(カナダ、ハンガリー)
『Miss Marx』スザンナ・ニッキャレッリ(イタリア、ベルギー)
『Padrenostro』クラウディオ・ノーチェ(イタリア)
『Notturno』ジャンフランコ・ロッシ(イタリア、フランス、ドイツ)
『Never Gonna Snow Again』マウゴシュカ・シュモフスカ、ミハウ・エングレルト (ポーランド、ドイツ)
『The Disciple』チャイタニヤ・タムヘイン (インド)
『Quo Vadis, Aida?』ヤスミラ・ジュバニッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ、オーストリア、ルーマニア、オランダ、ドイツ、ポーランド、フランス、ノルウェイ)
『ノマドランド』クロエ・ジャオ (アメリカ)

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第77回ヴェネチア国際映画祭

会期/2020年9月2日(水)〜9月12日(土)
開催地/イタリア・ヴェネチア
フェスティバル・ディレクター/アルベルト・バルベーラ
© La Biennale di Venezia – Foto ASAC.