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2020.08.21 18:00

映画『ホテルローヤル』予告編が解禁

  • Fan's Voice Staff

第149回直木賞受賞作 桜木紫乃の自伝的代表作を映画化した『ホテルローヤル』の予告編が解禁されました。

予告編には、跡取りとして家業であるホテルローヤルを手伝っている雅代(波瑠)や妻に愛想を尽かされた父(安田顕)、子育てと親の介護に追われる夫婦(正名僕蔵、内田慈)、行き場を失った女子高生と妻に裏切られた高校教師(伊藤沙莉、岡山天音)、雅代がほのかに恋心を抱くアダルトグッズの営業マン(松山ケンイチ)などホテルで働く人や訪れる人たちが登場し、その人間模様を垣間見ることができます。

どこか寂しさを抱え、「非日常」を求めてホテルローヤルの扉を開く人々。雅代自身も、「ずっと嫌だった。ラブホの娘ってからかわれて。巻き込まないでよ!」とラブホテルの跡取りであることに反発し、父親とのぎくしゃくした関係が伺えます。そんな中、ある日ホテルの一室で心中事件が起こり、雅代たちはマスコミの標的となり──。

「男も女も、体を使って遊ばなくちゃいけない時があると思ってきました」「セックスって、いいものですか?」という印象的なセリフから、ホテルローヤルが、胸の内をさらけ出すことで身体だけでなく心まで優しく充たされる場所として存在していることが読み取れます。心の内側をあまり見せることのなかった雅代が予告のラストで見せる笑顔は、ホテルと共に人生を歩んできた彼女の新たな旅立ちを予感させます。

予告と同時に発表された主題歌は、これまでに様々な世代の歌手が歌い継いできた1978年発売の柴田まゆみの名曲「白いページの中に」。ノスタルジックなメロディに乗せて、現代を代表する女性アーティストLeolaがカバーし、優しい歌声が観客の心を掴みます。

 

原作は、北海道の湿原に立つラブホテルを舞台に、現在から過去へ時間軸を遡り、ホテルの盛衰とそこを訪れる人々の生と性を、切なくも瑞々しいタッチで描いた七編からなる連作小説。2013年に第149回直木賞を受賞し、累計発行部数85万部(電子書籍を含む)を超えた桜木紫乃の代表作です。発売元の集英社の「ここ5年で発売した中で最も売れた」単行本・電子書籍としても知られ、今なお多くの読者を獲得しています。

映画では、原作の持つ静謐な魅力をそのままに、閉塞感のある日常を離れ、ホテルローヤルの扉をひらく男と女、問題を抱える経営者家族・従業員のそれぞれの人生模様を、ホテルの経営者家族の一人娘・雅代を主軸として繊細に綴られます。

メガホンをとったのは、『百円の恋』(14年)で日本アカデミー賞をはじめ国内外の各映画賞を総なめにし、その後も『きばいやんせ!私』(19年)などで一本芯の通った女性像を描いてきた武正晴監督。

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『ホテルローヤル』

波 瑠
松山ケンイチ
余 貴美子 原扶貴子 伊藤沙莉 岡山天音
正名僕蔵 内田慈 冨手麻妙 丞威 稲葉友
斎藤歩 友近 / 夏川結衣 
安田顕
原作/桜木紫乃「ホテルローヤル」(集英社文庫刊)
監督/武 正晴
脚本/清水友佳子
製作/「ホテルローヤル」製作委員会 
製作幹事/メ~テレ、ファントム・フィルム
製作プロダクション/ダブ

日本公開/2020年11月13日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給/ファントム・フィルム
公式サイト
©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会