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2020.08.15 10:00

『異端の鳥』ヴァーツラフ・マルホウル監督より終戦記念日に寄せた特別コメントが到着

  • Fan's Voice Staff

戦後75回目となる終戦記念日に寄せて、『異端の鳥』ヴァーツラフ・マルホウル監督から日本の観客に向けた特別コメントが到着。戦争の非情さを捉えた本編シーン映像も解禁されました。

映像では、ユダヤ人を襲うむごい悲劇が映し出されています。強制収容所へと走る機関車に、座る余裕もないほどにすし詰めにされていたユダヤ人たち。多くの人々が貨車の板をこじ開け決死の脱出を試みますが、列車に乗るドイツ兵により片っ端から射殺されていきます。そして、赤子連れの女性が奇跡的に脱出に成功しますが、ドイツ兵に見つかってしまい──。

はるか遠くからその惨劇をただじっと見つめていたのは、両親の待つ家に帰りたいと願い、疎開先を離れて村から村へと地獄の旅路を続けていた主人公の少年(ペトル・コトラール)。彼は、殺されたユダヤ人の衣類や所持品を地元の村人達が盗む行為が横行していたその場所に近づき、おもむろにひとつの鞄を開けるのでした。果てしなく広がるのどかな東欧の田舎の景観と、そこで起こる人間が引き起こす悲劇のコントラストをダイナミックに捉えた印象的なシーンとなっています。

日本の終戦記念日に合わせて、反戦と平和への強い願いを込めたコメントがヴァーツラフ・マルホウル監督より到着しています。

ヴァーツラフ・マルホウル監督コメント
飢餓、病、殺人、火災、洪水、殺害、破壊された家屋、焼け野原、孤児。
これらひとつひとつは、どれも自然と起こりうる。
だがそのすべてを一度にもたらしうるのは、世界に一つだけだ。
これまでに存在したものの中で、最も恐ろしい出来事。戦争である。

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『異端の鳥』(原題:The Painted Bird)

東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である一人暮らしの叔母が病死した上に火事で家が消失したことで、身寄りをなくし一人で旅に出ることになってしまう。行く先々で彼を異物とみなす周囲の人間たちの酷い仕打ちに遭いながらも、彼はなんとか生き延びようと、必死でもがき続ける──。

監督・脚本/ヴァーツラフ・マルホウル 
原作/イェジー・コシンスキ「ペインティッド・バード」 (松籟社・刊)
キャスト/ペトル・コトラール、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアー
2018年/チェコ・スロヴァキア・ウクライナ合作/スラヴィック・エスペラント語、ドイツ語ほか/169分/シネスコ/DCP/モノクロ/5.1ch/字幕翻訳:岩辺いずみ/R15

日本公開/2020年10月9日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給/トランスフォーマー
後援/チェコ共和国大使館 日本・チェコ交流100周年記念作品
公式サイト
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