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2020.08.05 4:00

映画『滑走路』予告編&ポスターが解禁!原作の文庫版と映画の小説版が9月24日同時発売決定

  • Fan's Voice Staff

夭折の歌人・萩原慎一郎の遺作となった歌集を原作とした映画『滑走路』の予告編とポスターが解禁!原作の文庫版と、映画の書き下ろし小説版が9月24日(木)に同時発売されることが決定しました。

あふれる才能を遺し、突然この世を去った歌人・萩原慎一郎による「歌集 滑走路」。あとがきを入稿した翌月、32歳の若さで命を絶ち、デビュー作にして遺作となった歌集です。いじめや非正規雇用を経験しながら、それでも生きる希望を託した歌は、苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を集め話題となり、新聞やTVなどでも次々と取り上げられ、歌集にしては異例のベストセラーを記録しました。

原作歌集をモチーフにオリジナルストーリーが紡がれる映画は、“心の叫び”を抱えて生きる3人の人生が、やがて交錯していく物語。非正規、いじめ、過労、キャリア、自死、家族──現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出します。

厚生労働省で非正規雇用問題に取り組み、激務に追われる中、仕事への理想も失い無力な自分に思い悩む若手官僚の鷹野(浅香航大)。将来的なキャリアと社会不安に悩まされていた30代後半に差し掛かり、子どもを欲する自身の想いを自覚しつつも、高校の美術教師である夫との関係に違和感を感じている切り絵作家の翠(水川あさみ)。幼馴染を助けたことをきっかけに自分がいじめの標的になりながらも、シングルマザーの母に心配をかけまいと、一人で問題を抱え込む中学二年生の学級委員長(寄川歌太)。

予告映像では、まったくバラバラな3人の人生が、とある人物の死をめぐり交錯していく様子が描き出されています。様々な障壁と対峙し、行き場のない”心の叫び”を抱えるそれぞれの登場人物たちですが、「あの日、あなたの言葉が生きる翼をくれた──」というナレーションが示唆するように、一筋の光を予感させるラストになっています。最後に映し出されるのは、「きみのため用意されたる滑走路 きみは翼を手にすればいい」という、原作歌集におさめられた一首。タイトルの由来を想起させる歌は、ポスターに配された青空を翔ける1機の飛行機とも呼応し、「魂の叫び」と「希望」を感じさせます。

また予告編では、Sano ibukiが映画のために書き下ろした主題歌「紙飛行機」の音源も初お披露目。映画と歌集の雰囲気に優しく寄り添う歌詞とメロディが胸を打つ楽曲が、予告編をよりエモーショナルに盛り上げています。

さらに、原作の「歌集 滑走路」の文庫版と、映画を元に書き下ろされた小説版が9月24日(木)に発売決定。待望の文庫版には、NHK「クローズアップ現代+」で「歌集 滑走路」を激賞したお笑い芸人・小説家の又吉直樹による解説も新たに収録決定。

小説版の著者は、「今からあなたを脅迫します」シリーズでも知られる新鋭作家の藤石波矢。映画のストーリーをもとにオリジナルの要素も加え、原作の歌集に収録された数々の歌へのオマージュも要所に感じられる小説となっています。

「歌集 滑走路」
著者:萩原慎一郎/角川文庫/予価 580円(+税)/2020年9月24日(木)発売

「小説 滑走路」
原作:萩原慎一郎/小説:藤石波矢/KADOKAWA刊/定価1,600円(+税)/四六判上製単行本/2020年9月24日(木)発売

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『滑走路』

厚生労働省で働く若手官僚の鷹野は、激務の中で仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。ある日、陳情に来たNPO団体から非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ追及を受けた鷹野は、そのリストの中から自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始めるが──。

出演/水川あさみ、浅香航大、寄川歌太、木下渓、池田優斗、吉村界人、染谷将太、水橋研二、坂井真紀
原作/萩原慎一郎「歌集 滑走路」(角川文化振興財団/KADOKAWA刊)
監督/大庭功睦
脚本/桑村さや香
主題歌/Sano ibuki「紙飛行機」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
撮影/川野由加里
照明/中村晋平
録音/西正義
装飾/小林宙央
音楽/永島友美子
編集/松山圭介
VFX/田中貴志
助監督/桜井智弘
制作担当/赤間俊秀
製作/「滑走路」製作委員会、埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ
制作プロダクション/角川大映スタジオ、デジタルSKIPステーション

日本公開/2020年11月全国ロードショー
配給/KADOKAWA
©2020 「滑走路」製作委員会