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2020.07.26 21:00

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』をジェーン・スーが語る!「女の子の可能性が広がったことをあたり前に描いている」

  • Fan's Voice Staff

オリヴィア・ワイルド初監督作品『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の日本公開に先立ち、Fan’s Voiceでは7月22日(水)に最速オンライン試写会を実施。上映後には、コラムニスト・ラジオパーソナリティ・作詞家として活躍するジェーン・スーさんを迎えたトークイベントをライブ配信しました。

「女バディものもここまで来たかと、感無量。すごく楽しかった。」と本作を絶賛するスーさん。女バディものの青春映画として想起したという2001年制作の「『ゴーストワールド』も、女子2人が世界を斜めに見ている感じや、2人の対比を描いていて、その部分は本作も同じ部分ではあるが、ディテールが大きく進化している。まず主人公のモリーが太っているなど、容姿のことでからかわれることがない。そしてLGBTQについても自然に触れている。さらに、冒頭から主人公の部屋に、ミシェル・オバマや最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグの写真が飾られるなどして、自分の憧れる存在がしっかり出てくることが完全にアップデートされている」と、従来の青春映画とは違う本作の特徴を挙げました。

さらに、「2010年くらいまでの学園ものは、女の子が性的に消費されるシーンや、男の子が馬鹿っぽいことをさせられたりとステレオタイプありきだったが、そのあたりを丁寧に更新しながら、きちんと乱痴気パーティー感を残しているのが製作陣はすごい!」と称えました。

エイミー(ケイトリン・デヴァー)、モリー(ビーニー・フェルドスタイン)

これまでの作品からアップデートされたと感じた部分として、もうひとりの主人公エイミーが「高校卒業後に1年間アフリカに行って社会貢献をするといったことを、特異なこととして描いていないところも、”今だな”という感じがした。女の子の可能性がものすごく広がったことがあたり前に描かれている」とコメント。エイミーが2年前にレズビアンをカミングアウトしているという設定にも言及し、また「これまでの学園ものに登場するアジア人の男性って変な人というステレオタイプにされがちだった。しかし本作のアジア系男子は、サッカーでスタンフォード大学に行くという、かっこいいスケボー少年。こういったアップデートをしても、学園ものの面白さは消えないんだということを証明してくれたのが嬉しい」と語りました。

好きなシーンについては、自分自身を卑下する言葉を発したモリーに対して、エイミーが「私の親友の悪口は許さない!」と怒る場面を挙げたスーさん。「あの愛情は2人の関係を示す良いシーンで、グッと来た!」

オリヴィア・ワイルド監督

監督デビュー作の本作がアメリカで好評を博し、次回作も決まっているオリヴィア・ワイルドについては、「きっと美しさで誤解されたり利用されたりと、ステレオタイプにはめられてきたのだと思う。だから本作は彼女自身による自分の人生へのリベンジなのではないだろうか。綺麗で妖艶な女だけじゃないというのを世間に証明しているのが、胸が熱くなるポイント」と語りました。

本作を彩る音楽については、「ヒップホップやファンクが多く、実に今の時代を反映していた。ブラックミュージックが聴く人種を問わないものになっている。そして彼女たちの規格外なところやユーモアを、音楽が表現している」と説明。

終わりに、この映画を自分を卑下してしまう癖のある人に観て欲しいと述べたスーさん。さらに「高校生くらいのお子さんがいる親世代は、親子で観に行って欲しい。親の方が一気にアップデートできる。自分がいかにステレオタイプにはまっていたかが分かり、子どもとの世代間ギャップが埋まる映画だ」と、親子での鑑賞も推奨しトークを締めくくりました。

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ジェーン・スー(コラムニスト/ラジオパーソナリティ/作詞家)
東京生まれ、東京育ちの日本人。現在、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜金11:00〜)のパーソナリティを担当。2013年に発売された初の書籍『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)は発売されると同時にたちまちベストセラーとなり、La La TVにてドラマ化された。2014年に発売された2作目の著書『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。毎日新聞やAERAなどで数多くの連載を持つ。最新著書『これでもいいのだ』(中央公論新社)が発売中。

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『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(原題:Booksmart)

監督/オリヴィア・ワイルド
製作総指揮/ウィル・フェレル、アダム・マッケイ
出演/ケイトリン・デヴァー、ビーニー・フェルドスタイン、ジェシカ・ウィリアムズ、リサ・クドロー、ウィル・フォーテ、ジェイソン・サダイキス、ビリー・ロード、ダイアナ・シルヴァーズ、モリー・ゴードン、ノア・ガルヴィン、オースティン・クルート、ヴィクトリア・ルエスガ、エドゥアルド・フランコ、ニコ・ヒラガ、メイソン・グッディング
2019年/アメリカ/英語/102分/スコープ/カラー/5.1ch/日本語字幕:髙内朝子

日本公開/2020年8月21日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
提供・配給/ロングライド
公式サイト
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