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2020.03.06 19:00

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』グザヴィエ・ドラン監督がジェシカ・チャステイン出演シーンを全カットした経緯を語る

  • Fan's Voice Staff

グザヴィエ・ドラン監督初の英語作品『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』の本編からカットされた、ジェシカ・チャステイン出演シーンの映像が解禁!カットした経緯をドラン監督本人が語るインタビューも到着しました。

『Mommy/マミー』でカンヌ国際映画祭審査委員賞を受賞し、前作『たかが世界の終わり』でカンヌ国際映画祭グランプリに輝いたドラン監督が完成させた初の英語作品は、幼き日のドラン少年が“憧れのスター”レオナルド・ディカプリオに宛てた手紙から生まれた物語。若くして世を去った美しきスター、ジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)の切なくも衝撃的な死の真相が、世間で一大スキャンダルを巻き起こした11歳の少年ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)との“秘密の文通”を通じて明かされていきます。

本作ではもともと、“秘密の文通”を世間に報じたゴシップ誌の編集長として、ジェシカ・チャステインが配役・撮影されていましたが、公開版では出演シーンが全てカットされました。解禁された映像では、本編では見られない、スキャンダルを報じた編集部にジョンが乗り込む様子が映し出されています。

ドラン監督はインタビューで、こだわりの4時間の本編や、チャステイン出演シーンをカットした経緯などを語っています。

──撮影2年。完成までに10年かかった特別な作品。
ドラン「作品のアイデアが浮かんだのは、10年前に『マイ・マザー』を監督していた時。それから5年間頭の中で構想を練り、脚本を書き始めた。もともと僕は駆け足で映画を作るタイプで、いつもは2カ月ほどで編集してしまうんだけど、この作品は違った。撮影に2年かけたことなんて初めてだけど、それだけ今回は僕にとって特別な作品なんだ」

──もともと4時間あった本編。
ドラン「今回も自分が書いた脚本で撮影したんだけど、全部で160ページもあったから、はじめは本編が4時間あった。撮影にじっくり時間をかけたことによって、映画作りの新しい側面を学ぶことができた。苦しい時期もあったけど、何よりこれまでとは違う方法を発見できたのは新鮮だったよ」

グザヴィエ・ドラン監督、ジェシカ・チャステイン

──ジェシカ・チャステイン出演シーンについて。
ドラン「もともとは“ヒーローと悪”のような構図を考えていたから、彼女はスターを苦しめるゴシップ誌の編集長として出演してもらった。でも4時間の本編を短くする必要があり、彼女が出演したシーンや役柄をカットすることにした。ショービジネス界の話ではありながら、核にあるのは母と息子の話だったり、少年時代の夢についてだから。とはいえ、初期の段階からこの作品のプロジェクトにかかわってくれていたジェシカのシーンをカットするのは難しい決断だった。でも彼女は才能もあると同時にとても賢い人だから、きちんと説明し広い心で理解をしてくれたんだ。いつかまた彼女とは作品を作りたいと思っているよ」

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『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』(原題:The Death and Life of John F. Donovan)

舞台はニューヨーク。大ヒットTVシリーズに出演し、一躍スターの座へと駆け上った、人気俳優のジョン・F・ドノヴァンが死んだ。自殺か事故か、あるいは事件か、謎に包まれた彼の死の真相をにぎる鍵は、世間で一大スキャンダルを巻き起こした、11歳の少年ルパートとの“秘密の文通”。100通以上に渡る手紙から明かされる、華やかなスターの光と影、スキャンダラスな世界の表と裏。若くして世を去った美しきスター ジョン・F・ドノヴァンの、切なくも衝撃的な死の真相とは──。

監督/グザヴィエ・ドラン 
脚本/グザヴィエ・ドラン、ジェイコブ・ティアニー
出演/キット・ハリントン、ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、ジェイコブ・トレンブレイ、キャシー・ベイツ
カナダ・イギリス映画/スコープサイズ/上映時間:123分/PG12

日本公開/2020年3月13日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
提供・配給/ファントム・フィルム、松竹
©THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.