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2019.09.26 21:06

ウィレム・デフォー&ジュリアン・シュナーベル来日!『永遠の門 ゴッホの見た未来』ジャパンプレミア開催

  • Fan's Voice Staff

画家フィンセント・ファン・ゴッホの晩年を描いた『永遠の門 ゴッホの見た未来』の日本公開に先立ち、ジュリアン・シュナーベル監督と主演ウィレム・デフォーが来日!9月26日(木)に都内でジャパンプレミアが開催されました。

満席の会場の前に姿を現したデフォーとシュナーベル監督。

シュナーベル監督は「みなさんご来場ありがとうございました。フィンセント・ファン・ゴッホはずっと日本に来たがっていました。代わりに私が来ました。それに、今となりに立っている”ゴッホ”を連れてきました。麦わら帽子はかぶっていませんけれどね」と挨拶。

17年ぶりの来日と紹介されたデフォーは、「映画のプロモーション以外では個人的に日本に来ています。でも特にこの映画とともにこうして戻って来られて、本当に嬉しく思っています」とコメント。

自らも画家として70〜80年代のニューヨークのアートシーンを席巻し、成功したシュナーベル監督は、ゴッホを映画のテーマにしようと思ったきっかけを尋ねられ「最初はゴッホの映画は作りたくなかったんです。もう彼の映画はたくさん作られていたので、それ以上必要ないと思いました。彼の作品は妥協することなく純粋さを引き出してくれるもので、それこそアートの本質だと思います。純粋にそれをやりたいという。そのため、この映画を作ることは避けられないとわかりました。このゴッホの映画を作る過程で、芸術を作るプロセスを描いた映画が出来ました。絵画であれ演技であれ映画作りであれ、我々は芸術というその本質に自身を差し出すことになります。芸術と、それ以外のあらゆるものがあります。この映画をご覧になると、これはゴッホについての映画ではないとわかると思います。なぜなら、みなさんがゴッホだから。みなさんご自身の映画なのです。ゴッホを見るための映画ではなく、”ゴッホであること”を描いた映画です。それがこの映画を作るのに良い理由だと思いました」

デフォーは、ゴッホを演じるにあたっての意気込みについて語りました。「ジュリアンとは長年知り合いで、今回この役を演じるように誘われました。実際に撮影に入れば、絵を描かなくてはいけなくなるとはわかっていたし、絵を描いてくれる”スタントマン”がいるわけではありません。自分で描いています。実際にゴッホがいた場所で撮影ができることもわかっていました。ジュリアンから絵の描き方を教わったのですが、その過程で、これまでとは違うものの見方を学びましたし、これがゴッホを演じる上での核となりました」

続いて会場には、本作の大ファンだというリリー・フランキーが登場。デフォーとシュナーベル監督に花束を贈りました。

監督は「会場内に座っている妻のルイザにあげたい」と、嬉しそう。

フランキーは「デフォーさんの映画を観る度に、役者は当然、人間の可能性を毎回教えてくれます。今日は本当に嬉しい」とコメント。

一方でシュナーベル監督は、「『万引き家族』での演技が素晴らしかったと思います」と、フランキーを絶賛。「私は軽々しく人を褒めることはないんですがね。本当に素晴らしい演技で、深い映画でした」。今後フランキーと一緒に仕事をする可能性があるかと尋ねられたシュナーベル監督は、「私はいつも映画を作っているわけではないし、前の映画は7年前だったのですが、もしまた作るとしたら、ぜひ一緒に仕事をしたいですね」

日本の観客と一緒に映画を観たかったという監督。「この映画は前にも何度か観たことがあるのですが、今夜は皆さんと一緒に観たいと思っています」と話し、上映が待ち遠しい様子です。フォトセッションが始まる前に降壇しようとしますが、引き戻されて取材陣からの撮影に応えました。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』が描くゴッホは、近しい芸術家たちとも真っ当な人間関係を築けず、常に孤独の中に生きます。そんな彼が唯一才能を認め合い、心の内をさらけ出すことのできたポール・ゴーギャンとの出会いと、共同生活の破綻。そして、いまだ多くの謎が残る死──。生きているうちに誰にも理解されなくとも、自分が見た〈世界の美しさ〉を信じ、筆を握り続けたゴッホ。不器用なまでに芸術と向き合った孤高の画家が、自らの人生を通して何を見つめていたのかを、『潜水服は蝶の夢を見る』で話題を呼んだ鬼才監督ジュリアン・シュナーベルによる圧倒的映像美で描く、珠玉の感動作です。

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『永遠の門 ゴッホの見た未来』(原題:At Eternity’s Gate)

幼いころから精神に病を抱え、まともな人間関係が築けず、常に孤独だったフィンセント・ファン・ゴッホ。才能を認め合ったゴーギャンとの共同生活も、ゴッホの衝撃的な事件で幕を閉じることに。あまりに偉大な名画を残した天才は、その人生に何をみていたのか──。

監督・脚本/ジュリアン・シュナーベル
脚本/ジャン=クロード・カリエール
出演/ウィレム・デフォー、ルパート・フレンド、マッツ・ミケルセン、オスカー・アイザック、マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ
2018/イギリス・フランス・アメリカ/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/111分/字幕翻訳:松岡葉子

日本公開/11月8日(金)新宿ピカデリー他 全国順次ロードショー
配給/ギャガ、松竹
© Walk Home Productions LLC 2018