『スパイダーマン:ホームカミング』主演トム・ホランド記者会見 全文ログ
- Manatee
8月11日(金・祝)日本公開のマーベル・スタジオ最新作『スパイダーマン:ホームカミング』。スパイダーマン/ピーター・パーカーを演じ、大ブレイク中のトム・ホランドが来日。8月7日(月)に都内で開催された記者会見の様子をレポートします!
冒頭挨拶
トム「みなさんこんにちは!今日はお越しいただきありがとうございます。中には遠くからわざわざ来てくださった方もいらっしゃると伺っているので、とても感謝しています。そして僕が今ここに入られるのは、ソニーとマーベルのおかげです。この映画は非常に誇りに思っているし、日本で公開するのをとても楽しみにしています。みなさんにきっと気に入っていただけると思います。いろいろお答えするのを楽しみにしています」
Q&A
――今まだ21歳ですが、これまで育ってきた中で、スパイダーマンのコミック、あるいはサム・ライミ版『スパイダーマン』、『アメイジング・スパイダーマン』といった映画作品にも触れられて、スパイダーマンから人生において受けた影響はどういったものがありますか?
トム「スパイダーマンは小さい時からずっと自分のお気に入りのキャラクターでした。どうして彼が好きかというと、とても共感できるというか、親しみを感じる男の子だからなんです。子どもが成長していく中で、自分と同じ問題や悩みを抱えている人をスーパーヒーローとして尊敬できるのはとてもいいことだと思います。ソーやトニー・スタークに親しみを感じるのはちょっと難しいですよね、ソーは神だし、トニーは億万長者だし。ピーター・パーカーは普通の男の子です。僕が高校時代、彼と同じような問題を抱える時に、尊敬する彼をスクリーンで見れたのは、とても素晴らしいことでした。あと、小さい男の子に好きな色を聞くとだいたいみんな赤と青って言うと思うんですけど、スパイダーマンは両方の色を持っていますよね」
――どうやったらスパイダーマンのように飛べるんでしょうか?
トム「僕はラッキーなことに子供の頃から、体操やバレエ、タップダンスなど、身体を動かすことをいろいろしてきました。それで今回はオーディションの度に毎回バック転をやって、身体能力をアピールしていました。この作品ではジョージ・コクランをはじめとしたとても頼もしいスタントチームが僕をサポートしてくれて、安全を確保しつつも、今までスクリーンで見たことがない新しいことをしようと、限界を突破する後押しをしてくれました。その中に“スパイダーマンのように飛ぶ”ということも入っていました。とても楽しかったです」
――役作りのためにアメリカの高校に潜入したと伺いました。いまの高校生の感情面や言動面のどんなところを大切にして役に挑まれたのでしょうか?ちなみに、トムさん自身は15歳の時はもうお仕事をされていたと思いますが、どんな少年だったのでしょうか?
トム「実際にニューヨークの高校に行くのは僕のアイディアだったのですが、実はジョークだったんですね。本気で行くつもりはなかったのですが、「アメリカの高校に行ってみたら面白くない?」とマーベルの人に提案してみたら、「いいアイディアだね!」と本気にされてしまい、実際に高校に3日間送り込まれました。自分にとって、アメリカの高校はどんなものかを学ぶすごくよい経験だったと思います。イギリスの高校とは全然違いました。すごくクールな生徒に会えたし、アメリカの高校にいる感覚を知る、学ぶことの多い経験でした。 僕がピーター・パーカーと同じ15歳の時ですが、優等生でもなかったですが、悪い生徒でもなかったと思います。僕の親は「最大限の努力をしろ」という人だったし、勉強は好きだったので一生懸命がんばりました。でも、ピーター・パーカーほどいい生徒ではなかった、いや、ピーター・パーカーもそんなにいい生徒ではないですけど(笑) 彼はものすごく賢いけど、僕はあれほど頭がよくなかったですね」
――スパイダーマン役が決まった時はどう感じましたか?また、夏休みを楽しんでいる日本の子どもたちへのメッセージをお願いします。
トム「人生の中で最高にクレイジーな日だったよ。オーディションには5ヶ月くらいかかったんですが、結果がわかるのではないかと思って、毎日、何時間もインスタグラムでスパイダーマンに関するニュースを探していました。ある日インスタグラムを見ていたら、どうやら僕がスパイダーマンになるというコメントを見つけて、狂ったように驚いてしまい、階段を駆け下りて家族に伝えると、ここ(会見場内)にもいる弟のハリーが「そんなことないよ、きっとアカウントがハックされたんだよ。本当だったら向こうから電話してくるんじゃないの」って。で、エージェントに連絡してマーベルと話したら、やっぱり僕に決まったということで、もう本当に信じられないくらい、狂ったように喜びました。どうしてもこの役をやりたかったので、自分の夢が叶った最高に素晴らしい日でした。
夏休み中のみんな、僕が1年の中で一番好きな時期はいつも夏休みだったので、どうぞラブリーな時間を過ごしてくださいね」
――今回のスパイダーマンは、これまでにないハイテクなスパイダーマンだったと思います。ご自身で演じられてみて、“これすげえなあ”って思った技などがあれば教えてください。
トム「ジョン・ワッツ監督は、MCUに存在するテクノロジーをすごく上手に利用したと思います。アイアンマンが空を飛んでいたりする世界なら、スパイダーマンにも先進的なテクノロジーが備わっているのが納得できます。今回のスパイダー・スーツでどんな新しいことができるかを考えるのがとても楽しかったです。撮影中は即興でウェブ・シューターの機能を考えたりして、本当に楽しかったです。ピーター・パーカーが持つテクノロジーでは、スパイダーマンの胸からとびだして飛んでいくドローンは、ちょっとした共犯者みたいな感じがクールで、一番のお気に入りです。ほかにスパイダーマンがどんなことができるのか、今後も探求していくのがとても楽しみです」
――トムさんはバレエ経験が小さい頃にあったと思いますが、踊ることをどんな風に楽しんでいますが?また日本ではいま『ビリー・エリオット』の舞台がスタートしたのですが、そうした経験を通じて身につけた身体能力を、スパイダーマンを表現する時にどんな風に自分らしい動きに結びつけたと思いますか?
トム「僕はダンスするのが大好きで、今でもお気に入りのアクティビティのひとつです。(ダンスは)自分の身体を使う、最も表現豊かなアートフォームのひとつだと思っています。イギリスで最高中の最高のダンストレーニングを受けられたのは、とてもラッキーでしたが、僕はいつもダンスを楽しんできました。ダンスで学んだことのすべては僕にとってとても価値のあるものです。スパイダーマンはとても身体的なキャラクターなため、これまでダンスを通じて学んだことはこの役を演じるのに大きな影響を与えました。僕は身体を使っていろいろなクールなことができることをとても嬉しく思います。このキャラクターを体現できるのは、小さい頃から様々なダンスコーチが教えてくれたからで、今でも僕を助けてくれる彼らには、たいへん感謝しています」
――今回初来日ということで、日本・東京の印象を教えてください。また日本の文化に興味がありましたら、アニメ・コミックあたりで好きな作品を教えてください。それがスパイダーマンを含めあなたの役者人生にどんな影響があったか、また『借りぐらしのアリエッティ』の吹替声優も務められたということで、そのことも含めて教えてください。
トム「まだ着いて2日なのですが、素晴らしい経験をしています。仕事があるので明朝には帰らなければいけないのが残念です。昨夜のディナーはとてもおいしかったですし、みなさん心温かく歓迎してくださるので、ここに来られたことを嬉しく思います。日本の文化ということでいえば、僕は子供の頃からスタジオジブリの作品の大ファンです。特に『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』はとても好きです。『借りぐらしのアリエッティ』は僕にとって2本目の映画で、とても光栄でした。弟のハリーも映画が大好きで将来的にフィルムメーカーになりたいと言っているのですが、彼も『千と千尋の神隠し』の大ファンですが、僕にとってもとても大事な作品です」
――映画鑑賞後には早くも次の展開が気になってしょうがなかったのですが、今後のスパイダーマン続編とマーベル・シネマティック・ユニバースとの関連などが今後どうなるのか、また、それに自分が深く関わっていくことへの抱負などを話せる範囲で教えてください。
トム「なんにも言えないです。正直な話、何も知らないんです。続編の脚本を書き始めているかどうかも知らないのです。ジョン・ワッツ監督とはしばらく会ってなかったのですが、(同じく来日中のため)この近くにいると思うので、同じ質問を彼にしたいと思います。この話は彼の方がよく知っています(笑)。なにも答えられずごめんなさい。
また続編については、非常にわくわくしています。1作目の制作は自分にとって最高の時間でした。すごく楽しかったし、素晴らしい友だちもたくさんできました。続編の制作が待ちきれません。具体的な時期は知りませんが、もうすぐそういった話が出てくると思います。続編ができることにはとても興奮しますし、非常に光栄に思っています」
――今回のスパイダーマンは15歳ということでそこが非常に肝になっているかと思います。あなたが実際に15歳だった時の記憶を投影したと思いますが、どんな青春をおくっていたのでしょうか?あんなおかしな友だちがいたんでしょうか?どんな授業が好きだったのでしょうか?心をときめかした人はいたりしたんでしょうか?教えてください。
トム「15歳は確か自分の初めて出演した映画が公開される時だったのですが、新しい学校に行き始めた頃で、ハリソンという親友にも出会いました。今でも大親友で、そこ(会見場内)にもいます。僕はすごく楽しい子供時代を過ごしたけれど、ここ数年、大人として成長していく過程も楽しかったですよ。そう、15歳の時は、映画を撮影し、友だちもできて、トラブルメーカーで、世界のてっぺんに立ったようなよい気分でしたね」
最後には、本会見に参加した記者のひとりがトムに日本語でダジャレを教えようと、トムに読み上げてもらう台本を用意。”酸っぱい”を”スパイダー”にかけて、「Hi, I’m Tom Holland, and I love lemons, because レモンはとってもスパイダー」と、トムが日本語部分の発音を不安そうに話し、会見は終了しました。
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『スパイダーマン:ホームカミング』
監督/ジョン・ワッツ(『コップ・カー』)
出演/トム・ホランド、ロバート・ダウニー・Jr.、マイケル・キートン、マリサ・トメイ、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、トニー・レヴォロリ、ローラ・ハリアー、ジェイコブ・バタロン
配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開/2017年8月11日(祝・金)全国ロードショー
2017年7月7日全米公開、2時間13分