キアヌ・リーブス登場!ジョン・ウィック:チャプター2 ジャパンプレミア
- ichigoma
2014年に公開されヒットした『ジョン・ウィック』は、愛する女性が遺した愛犬を殺した復讐のために、再度銃を手に取った伝説の殺し屋が主人公のアクション映画でした。
組織を相手に銃撃スキルと体術を駆使し、自らも血まみれになりながら冷酷にターゲットを追い詰めていくジョン・ウィックの姿は、観る者に鮮烈なイメージを残しました。そして、その壮絶な復讐劇を遂げた5日後からを描いたのが、7月7日(金)日本公開の『ジョン・ウィック:チャプター2』です。
6月13日(火)、前作で“大復活“したキアヌ・リーブスとチャド・スタエルスキ監督を迎えたジャパンプレミアがTOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催されました。さっそく、そのプレミアの模様をお伝えしたいと思います!
キアヌ・リーブスと言えば1999年に第1作が公開されるやいなや社会現象まで起こした『マトリックス』シリーズで有名です。当時では珍しかったワイヤーアクションと仮想と現実が交差するSFサイバー映画。スローモーションの中、海老反りで弾丸を避けるポーズは日本でも大流行しました。実は、私はそれほどこのシリーズに興味を持てずのちにTV放映で観ただけでした。なので、前作『ジョン・ウィック』をまったく先入観なし状態で劇場で鑑賞し、長い手足を活かした接近戦と憂いを帯びた暗殺者(キアヌ・リーブス)の表情にハートをガッツリ鷲掴みされてしまったクチであります。なんで『マトリックス』シリーズをリアルタイムで観なかったのだろうとちょっと後悔。そんなキアヌ・リーブスを生で観られるとあってテンションは最高潮です。
無理だと思いつつも、「マトリックス・リローデット」のDVDと油性マジック持参してたミーハー野郎を神様どうかお許しください。
イベント開始時間は18時30分。私が会場現地に着いたのは17時30分頃でしたがすでにTOHOシネマズ六本木ヒルズのロビーは大勢のファンで大盛況。ロビーで待機していたところ、「今日は何かあるんですか?」と他の映画を観に来たお客さんに声を掛けられまして、「ジョン・ウィックの続編公開記念で、キアヌ・リーブスの舞台挨拶があるんですよ」と教えてあげたところ「キアヌ・リーブス!?キ、キアヌがここに来るんですか!本当に!?」と目をまん丸にして動揺されてました。さすがキアヌのネームバリューはすごい!
ロビーにはイーゼルに掛けられた『ジョン・ウィック:チャプター2』のポスターと、作中でジョン・ウィックと同業者のカシアンが身に着けている「カール F. ブヘラ」の時計がそれぞれ展示されていました。ちなみに手元資料によりますと、シンプルなデザインのジョン・ウィックの時計「マネロ オートデイト」が34万円、高級感漂うカシアンの時計「パトラビ スキューバテック」が85万円(共に税抜価格)だそうですよ、奥様。ジョン・ウィックのコスプレを検討されているレイヤーの皆様、頑張ってください!
受付を済ませて会場に入ると、ステージ中央には大きな「ジョン・ウィック:チャプター2」パネルがデデンと設置されていました。タイトルロゴだけでなくキアヌの写真も入っているとか、デザイナーさんありがとう。
シアター内の座席が大勢の人でうまる頃、イベント開始を告げるアナウンスが。「それでは早速お招きしましょう、『ジョン・ウィック:チャプター2』、ジョン・ウィックことキアヌ・リーブスさん、そしてチャド・スタエルスキ監督です。どうぞ大きな拍手でお迎えください!」
アナウンスと一緒に音量の上がる場内BGMと拍手の渦、先導するスタッフさんの後にキアヌの姿と、その肩越しにチャド監督の顔も見えます。うおおお、足!足長い!そして細い!日本人スタッフと並ぶと身長の高さも引き立ちます。
さあキアヌよ、こっちに来い!とレンズを覗き込んでいたら…グリーティングエリアを通らず、そのままステージに向かおうとするキアヌ。スタッフさんの指摘に「え、こっち?」的な表情を浮かべてルート修正するキアヌは天然なのか、それとも単に話がうまく伝わっていなかったのか。個人的には前者だとおいしいと思います。
そして向かってきたキアヌをひったすら連写!こんでどうだあああぁぁぁ(ガシガシガシ)!?
…ええと、弁解タイムです。そのキアヌね、めっちゃ歩くの早かったんですよ。長い手足でスタコラサッサと動かれちゃって、焦点合わせようにも間に合わないし、ましてやドサクサにまぎれてサインをお願いする余力すらも無かったわけで。ジャストタイミングでシャッター切れるようになる日まで修行して出直してきます。
客席内のファンに向けて手を振り、ちょっとはにかんだような笑顔を振りまいて応えてたキアヌに、場内の女性陣は釘付け。もうこればかりはしょうがない。生のキアヌ・リーブスを見るのは初めてでしたが物静かで落ち着いた雰囲気のある男性で、どことなく一歩引いてる感じがジョン・ウィックそのもの。和服着て腰に日本刀下げていただきたいです。
一通りのグリーティングを終えて、舞台に登壇したキアヌとチャド監督。キアヌは黒色のジャケットに白のカッターシャツ、黒に白の細いラインが入ったネクタイ、チャド監督は黒ジャケットに黒Tシャツという装いでした。再度客席の声援に応えた後、「ハイ、コンニチハー!」と日本語で挨拶するキアヌに更なる拍手が上がっていました。両手で包み込むようにしてマイクを持ってるキアヌはアイドルみたいで可愛いです。
そして本作一番の魅力について聞かれたところ、「ある意味全部が魅力と言える作品だと思います。最高のアクションあり、非常に独特な世界観あり、非常に魂がある作品。他の作品とはちょっと違ったテイストもあって新しく、とにかくFUN、楽しい映画をぜひ楽しんで欲しい」と力強く語るキアヌ。ああ、やっぱ、かっこいいなぁ(真面目に話を聞け)。
続けて作中で展開されているアクションについて質問されたチャド監督、「この続編ではレベルアップするので、キアヌには5ヶ月間みっちり訓練してもらいました。柔術、柔道、サンボ、ガンフー、カンフー、そしてファイティング・アクション、さらに、突き落とされたりする訓練もしました」と語り、「それでもまだこいつ、生きているんですよ(笑)」とちょっと意地悪な笑みを浮かべる監督。撮影前に5ヶ月間のトレーニングを積んで挑むところに、本作に注ぐキアヌの本気振りが垣間見えます。
また、本作のなかでご自身で気に入っているシーン、または撮影が難しかったシーンを聞かれると、キアヌは「ううん…」とひとしきり唸りながらも、「とにかくこの作品が大好きなので、何が一番お気に入り、どこが一番難しかったかと言われると難問です。まず銃撃。銃を使ったアクションシーンですね。とある場所でピストルやライフルを次々と使っていくシーンがあるのでぜひお見逃しなく!ということにしておきます」と、ちょっと嬉しげ。
話が前後しますが、このプレミア後に上映された本編でこのシーンを確認したのですけど、オススメシーンだけあって手に汗握る激しい銃撃シーンの一つでした。様々な銃火器が登場するので、サバゲーやミリタリーに精通している方は絶対楽しいと思います。
今回は前作で見せた銃(ガン)とカンフー・アクションを組み合わせた「ガン・フー」と共に、カーアクションとカンフーを合わせた「カー・フー」も新たな要素として盛り込まれています。カーアクションと聞くと『ワイルド・スピード』シリーズが真っ先に頭に浮かぶ自分ですが、これらのイマジネーションの元を聞かれたチャド監督は「アニメとか見まくってきたので、その影響かもしれません」と答えていました。具体的な作品名は出てきませんでしたが、超人的なガンアクションやカーアクションが盛り込まれた作品…なんですかね、「ゴルゴ13」とか「シティーハンター」とかそういうのしか出てこない自分。
さらに監督には、先立って発表された第3弾についての話も。「100パーセント作られればいいと思ってはいますけれども、それは観客の皆様にかかっています。『2』を気にいってくだされば!」と力強く明言。最新情報はまだ何も言えないそうですが、やっぱり期待してしまうのがファン心ですよね。
そしてSNSで質問を募集した「ラブ・ウィック・キャンペーン」から質問がいくつか読み上げられてました。
Q. 次回作『チャプター3』では日本人の刺客は出てきますか?
キアヌ 「それはすごく気になると思うんですけど、殺し屋にかぎらず違ったタイプのキャラクターでもありかと思うんですね。でも殺し屋でもいいかなぁと思います」
チャド監督「いいアイデアだと思いますね、日本人を登場させるのは。(出すなら)日本人の殺し屋かなぁ(笑)」
Q 『チャプター3』を日本で撮影するのはいかがでしょうか?日本で撮影するとしたらどういう場所でいいとか、どういう街がいいとかありますでしょうか?
キアヌ 「皇居で撮影はできますでしょうか。(お堀に飛び込んだりとか、アクションがあるのか?との突っ込みに)中は入りません、外側だけ」
チャド監督 「六本木とか。撮影させてくれるなら是非撮影したいよ。ダメかな?」
キアヌ 「これ、カットされちゃいますかね(笑)」
Q 本作でローレンス・フィッシュバーンとも共演されていらっしゃいます。共演いかがでしたか?
キアヌ 「役者としてもひとりの人間としてもとても素晴らしい方なので、ご一緒できたのは特別な事でした。実は『マトリックス』以降、僕らは友情で結ばれていて、たまたま会ったときに「『ジョン・ウィック』、すごくよかったよ!」と言ってくれたんです。だったら続編に出ない?と声かけたところ「ああ、いいよ。じゃあ脚本送って」と言われて。僕はそれをすぐに監督に連絡して送ってもらい、Eメールを送ったら1時間後には「やる!」って返信をもらえたんです。なので、一週間後には撮影に入ってました」
Qアクション映画で影響を受けた作品はありますか?
キアヌ 「よく聞かれる質問ですが答えるのが非常に難しい質問でもあるんですけれども、『ジョン・ウィック:チャプター2』に関しては『燃えよドラゴン』、そして三船敏郎さんが出演した黒沢明監督作品、もちろん千葉真一の名前も挙げないといけないと思います。他の作品だと例えば『フレンチ・コネクション』などの作品の影響もあったのではないか思いますし。ほかにも沢山あるんですが、このくらいにとどめておこうと思います。」
チャド監督「やはり黒澤明監督の作品ですね。あとは日本のアニメやセルジオ・レオーネ監督の西部劇ですね。『続・夕陽のガンマン』とか。今回は黒澤監督のサムライ・スピリットというか武士道的なところとセルジオ・レオーネ監督の西部劇にかなり影響を受けています。」
おふたりが挙げていたタイトルについてちょっと作品補足を入れますと、『燃えよドラゴン』はブルース・リー主演のカンフー映画、『フレンチ・コネクション』はジーン・ハックマン主演の麻薬密売ルートを追う刑事コンビの映画ですね。で、『続・夕陽のガンマン』はクリント・イーストウッド主演の西部劇。いいモンがわるモンを倒しに行くワケでなく、お宝を巡っていいモン・わるモンが入り乱れてアレコレするお話。”続”とついてるのに『夕陽のガンマン』とは関係はありません。当時は許されたかもですが、SNS時代の昨今、こんな邦題付けたら炎上確定…(汗)
また、キアヌは千葉真一の大ファンで、前作のプロモーションで来日した際に千葉真一氏と初対面した際にはものすごく興奮されいてたと記憶しています。海外俳優が「日本に来て良かった!」と感動してくれるのは、見ているこっちもハッピーな気持ちになります。
Q 『ジョン・ウィック』がチャプター3、チャプター4、チャプター5と続くことを祈っています。この思いに応えてくれますか?
キアヌ「ちょっと分かりませんけども、ラッキーであればこれからも続いていけるのではと思いますし、そういった気持ちはもちろんあります」
チャド監督 『ジョン・ウィック:チャプター2』が作れてラッキーと思っているくらいなんですよね。なので、観客のみなさん次第です。『ジョン・ウィック』シリーズ、僕もキアヌも大好きな世界ですのでぜひ作り続けたいと思っています」
質問タイムが終わったところで、「今日はビッグなゲストが会場に駆けつけています」との案内が!「伝説の殺し屋が活躍する本作にふさわしい数々の伝説を持つこの方が登場です。どうぞ大きな拍手でお迎えください!和田アキ子さんの登場です!」
まさかの和田アキ子登場に会場からは笑いと拍手が上がっていました。手に持った花束をキアヌに贈呈し、キアヌに対してもご挨拶。「Hello」と簡単な英語で挨拶すると「ハジメマシテ」と日本語で返し、英語で「日本語に変えましょう」と提案してくるキアヌに好感度メーターがうなぎ登りです。
控え室でキアヌとチャド監督が「あの鐘を鳴らすのはあなた」の動画をずっと見ていたことに触れ、「とても感動しました」と感想を述べるキアヌ。それを受けて「昔バンドをやっていて、ベースマンだったと聞いてる。今度一緒にやりましょう!」と嬉々と提案するアッコさんに苦々しい声で「Yeah……。あまり上手ではなかったので、それはちょっと…」
またアッコさんは映画のテーマが「殺し屋」と言うことで、スパンコール等が付いて無いシックな黒のドレスを選ばれたとの話に、チャド監督から「このまま映画に出演できますね。OYABUN役とかで」とのお言葉が。「じゃあ役作りはいらないですね。そのままで」とニヤリとするアッコさんにこちらも納得です(ごめんなさい)。OYABUNと言う日本語がさらっと出てくるチャド監督、日本の時代劇かヤクザ物をかなり見込んでいる証拠ですね。
そして「伝説の殺し屋」にちなんで、各人が作った”伝説”についての真偽を問う流れに突入。キアヌには「『マトリックス』のスタントスタッフ全員にハーレー・ダビットソンをプレゼントした事がある。これは本当なのでしょうか?」との質問が。この”伝説”は本当とのこと。「『マトリックス・リローデッド』では、スタントマン13人が何ヶ月もかけて全米初となるようなシーンが撮影されました。それを支えてくれた感謝の気持から差し上げました」と控えめに語られいてました。
そしてチャド監督の”伝説”は”本作ではキアヌに実弾を使って役作りをした”と言うもの。「本作のパワーアップのために、キアヌは“スリーガンマッチ”、三種類の銃を使う競技に3ヶ月、実弾で週に4~5日取り組んでもらいました。その成果、作中で銃を構えたキアヌはサマになっていると思うので期待してください」と力強い言葉。
ちなみに“スリーガンマッチ”とは、ハンドガン・ショットガン・ライフルの三種類の銃を使い分けてターゲットを撃ち抜いていくタイムトライアル制の競技。速く正確に射止める能力が求められるため、殺し屋稼業の修行にはもってこいともいえます。ジョン・ウィックの場合はそこに体術が入るので、安定した場所で射撃する競技とは少々異なるかもしれません。
アッコさんからも「銃を選ぶところシーンやスーツを新調しに行くシーンもかっこいい。キアヌだから見られるシーンだと思う」と。つまりは『ジョン・ウィック:チャプター2』は前作以上に返り血と硝煙の似合う男、キアヌ・リーブスが堪能できる作品と理解した次第です。
最後にヒット祈願としてキアヌ・チャド監督・アッコさんの三人で鐘を鳴らすセレモニーが。壇上に運ばれた鐘と、その鐘に付けられたリボンが三人に一本ずつ渡されました。三人一緒に引くのかな?と思ったら一人ずつ引くそうで。アッコさん→キアヌ→チャド監督で引かれたリボンによってカランカランと穏やかに鳴る鐘の音。
最後にチャド監督がリボンを引いたところで会場の左右から客席に向けて金色のテープが舞い、華々しく舞台挨拶が終了しました。『ジョン・ウィック』シリーズ、キアヌ・リーブスの新しい代表作シリーズになりそう。今後の展開にも期待しましょう!
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『ジョン・ウィック:チャプター2』
前作から5日後。引退宣言をしているジョン・ウィックの元に、ジョンに貸しのあるイタリアン・マフィアのサンティーノが新しい仕事の依頼で訪れる。果たしてジョンは、愛犬との静かな暮しを守れるのか……。
監督/チャド・スタエルスキ
出演/キアヌ・リーブス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン、ルビー・ローズほか
配給/ポニーキャニオン
2017年/アメリカ/原題:John Wick : Chapter 2
日本公開日/2017年7月7日