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2016.12.09 16:00

【東京コミコン2016】最終日レポ&東京初開催のコミコンまとめ

  • ichigoma

熱気あふれる東京コミコンもいよいよ3日目、最終日です!楽しい時間はあっと言う間に過ぎ去ってしまうもの。連日の祭りでそろそろ体力の限界が見えてきましたが、それでも最後までフルスロットルで行こうと思います!

今日の目的

1日目はコミコンがどんな感じのイベントなのかをざっくりとお伝えし、2日目はステージイベントを中心にレポートをお届けしましたが、さてさて3日目はどうしようかと考えた時、ふと気がついてしまったのです。

東京コミコンの楽しさと”らしさ”がまだ伝え切れてない。

「楽しかった!」とひと言書くのは簡単だけど、じゃあ具体的には何が楽しかったのかと。会場に来られなかった人や興味はあったけどスルーした人たちに「東京コミコンってこんなイベントだったよ!」と布教するには、1日目と2日目のレポートでは足りないと感じたので、最終日3日目はひたすら会場内を歩き回り、自分が楽しいと思ったものや感じた事を総まとめしようと思います。

メインステージのイベントも魅力的ですが、最低30分は拘束されてしまう。ええい、ここは涙を飲んでメインステージのあれこれはグランドフィナーレ以外、原則として全部捨てるよ!

アメコミnight! & アメコミリーグクロスオーバーステージ in 東京コミコン

と決意したハナから、通りすがりのメインステージに誘蛾灯のように引き寄せられてる意思薄弱な私。大スクリーンにマーベル副社長のC.B.セブルスキーが映ってたら“ホイホイ”さぜるを得ないじゃないですか!それにしてもC.B.とツーショット撮りたかったな(笑)

今日の装い

今日は割とベタではありますが、映画『アベンジャーズ』よりブラックウィドウこと、ナターシャ・ロマノフです。黒一色のキャットスーツでお馴染みのブラックウィドウですが、各作品によって衣装デザインや髪型や微妙に異なっておりまして、こちらは無印アベンジャーズ…のつもりです(汗) 昨日の映画『キングスマン』のガゼルに続き、「だいたいこんな感じ」クオリティ。恐縮であります。

広義的には間違っていないと思うブラックウィドウ

ブラックウィドウの衣装は、動きやすさと保温性については大変優秀でして、スカートではないので撮影するor撮影されるのどちら側でもポーズによる下着露出を気にする必要がなく、全身スーツなのでいつでも体はぽっかぽか。真冬には天国、真夏だと地獄、の「諸刃の剣」な衣装です。今年の夏コミでも着ましたがホント大変でした。

そして太股左右には拳銃を格納するためのレッグホルスターを装着する衣装なのですが、イベント途中で手持ちのデジカメがぴったり入るサイズだと気付き、以降はずっとカメラケースと化してました。

まさかのカメラケース

まさかのカメラケース

ちなみに昨日キングスマンのコスプレをしていたのは、確認できた範囲で私とフォロワーさんの二人だけでして「何でキングスマンおらへんのや…」と嘆いていたんですが、本日は着替える前に通りがかったクローク前で主人公のエグジーとガゼルの二人組をあっさり発見、思わず崩れ落ちそうになりました。

あ、あんだけ昨日探したのによぅ!(涙)

その後、会場内でこの方とは別のエグジーをもう一人お見かけし、フォロワーさんから頂いた情報では更にキングスマンコスがいるとの話。何このキングスマン祭り。え、えーと、それぞれの衣装を出す日、間違えちゃったカナ? こういう行き違いがあるのもニッチなジャンルあるあるです。とほほ…。

腹が減っては戦は出来ぬ

着替えも終わっていざ回ろうと思った矢先、ふと感じた空腹感。そう言えばまだ朝御飯を食べておらず、2日目のレポートを朝6時近くまでぺちぺち書いてる時もコーヒーばかりをがぶ飲みだったため、何となく力が出ない。今日も1日歩き倒すつもりなら先に補給だなと思い、飲食エリアまでやってきました。飲食エリアにはドミノピザや堂島カレー、ローストビーフの肉寿司等、文字だけでも伝わるパワーフードを掲げる店舗も多くありましたが、ゴメンそこまで重たいもの食べる気分じゃない。って事で選んだのが「ちゃんこ寺尾」のちゃんこ鍋。元関脇の寺尾(現:錣山(しころやま)親方)の実兄で自身も元力士というオーナーさんが経営しているちゃんこ鍋屋です。

ちゃんこ寺尾のちゃんこ鍋。お醤油ベースのつゆがウマウマ

ちゃんこ寺尾のちゃんこ鍋。お醤油ベースのつゆがウマウマ

具材は2センチ幅程度の短冊切りで切られた白菜・人参・油揚げに、鶏肉と豚肉。芯に近い部分の白菜も入ってましたが、簡単に砕けるほどに柔らかく煮込まれていて、味もしっかり染みてて美味でした。購入時に「お好みで一味唐辛子をどうぞ」と言われたので数振り入れてみたのですが、一味のピリ辛と濃い目の醤油系つゆがマッチしていてお腹の底からじんわりとぽかぽか。寒空に震えながら入場待ちしていた人にはぴったり。イベント飯としてはアタリでした。ごっつぁんです。

他にも飲食エリアでは伊東産のサバを使用したボロネーゼ風パスタや出雲市の出雲そば等、美味しいフードが沢山あったのですが、食レポ書き始めるとキリがないので割愛。「読みたい」などとと言う奇特な方がいらっしゃいましたら、「いちごまのぶらりコミコン散歩」とでも称して別枠で書きたいと思います。出雲市のブースにあった出張・出雲大社で恋愛祈願してきましたとか。

これぞ名人技!アーティスト・アレイ

次に向かったのがアーティスト・アレイのブース。昨日はグリヒル先生のスケッチブックを購入した後でそそくさと移動してしまったのですが、今日は有料でアーティストさんに好きな絵を描いて貰える”コミッション”を中心に各アーティストさんのブースをのぞいてきました。バットガールのバブス・ターさんやライアン・ベンジャミンさんなど、荒々しくも緻密なイラストが出来上がっている様をハフハフしながら見させていただいたのですが、特に凄いと感じたのがロング・ヴォさん。

ロング・ヴォさんのブース。ストリートファイターのイラストを多く手がけられてるそうです

ロング・ヴォさんのブース。ストリートファイターのイラストを多く手がけられてるそうです

テーブルには完成したコミッションのイラストの数々

テーブルには完成したコミッションのイラストの数々

ちょうどお邪魔した時はペン入れしただけの状態の色紙類が山積みになっていまして、軽く消しゴムを掛けた後にコピック(先端が筆状になっているイラストレーター御用達のマーカーペン。一色一本で、テーブルにあったのは約50本)を使って色を入れられていたのですが、とにっ〜かく筆が早い。どこを影にするか、濃淡の入れ方などに迷いが一切なく、目前の出来事なのに倍速モードの動画を見せられてる感じでした。あまりに早すぎて本気でポカーン。一度ペンを置いて「ええっと、あの色のコピックはどこかなー」と手元を探ってる時間すらありませんでした。つまり、あれだけの本数のコピックの置き位置も脳内管理してるって事なの…?

ロング・ヴォさんのラファエロ(ミュータント・タートルズ)

ロング・ヴォさんのラファエロ(ミュータント・タートルズ)

上記のラファエロ完成を見届けている最中てすが、ロング・ヴォさんの隣に座っていらっしゃった同伴者さんが山積み色紙の一番上にある絵と私を交互に指差し、英語(多分)で何か訴えられてました。う、うーむ…TOEIC500点未満の私には何を言っているのか理解できない…と焦り始めたその時、その絵をよーく見てみたらそこに描かれていたのは何とブラックウィドウ!髪の毛の部分が空白だったので気付きませんでしたが、衣装がウィドウだ!そしてこの色紙はラファエロの次に彩色するみたいなので、よーしウィドウ、そのまま陣取っちゃうぞー!ロング・ヴォさん、自分が頼んだ絵でもないのにウザくてすみません。

これが

これが

こうで

こうで

こうなって

こうなって

こうじゃ

こうじゃ

無事完成を見届けて素晴らしいパフォーマンスの余韻に浸っていると、そのロング・ヴォさんが完成した色紙を渡してきて、ご自身のスマホをこちらに構えられてきました。つまりブラックウィドウの色紙を持っているブラックウィドウの写真を撮りたいって事かしら?こ、こんなウィドウで宜しければ鑑賞代、体でお支払いいたします!

ロング・ヴォさんのinstagramに掲載されてました笑

ロング・ヴォさんのinstagramに掲載されてました笑

展示もいろいろ、オモチャもいろいろ

コミコンと言えば欠かせないのが映画撮影に使われた小道具や衣装、数々のフィギュア類の展示でしないでしょうか。ということで多くの方が足を止めていた展示の数々と、個人的趣味のオモチャ達をピックアップしてみます。ってか、こういう紹介は初日にやるべきだよね、自分。

通路に配置されてたのもあり自然と注目の的

通路に配置されてたのもあり自然と注目の的

まずは連日、カメラを向けている人が絶えなかった映画『ダークナイト ライジング』のバットマンスーツ。実際にクリスチャン・ベールが着用した実物です。『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でバットマンを演じたベン・アフレックほどゴリマッチョではないように感じましたが、筋肉質すきず、かといってスレンダーすぎない均整の取れたスーツです。ピンと立った三角のお耳もカワイイ。

てれれれっれっれっれっれー れれーん♪(例のワンダー姉さんテーマソング。脳内再生でどうぞ)

てれれれっれっれっれっれー れれーん♪(例のワンダー姉さんテーマソング。脳内再生でどうぞ)

DCコミック繋がりでワーナーブラザーズのブースから、映画『ワンダーウーマン』でタイトルロールを演じるガル・ガドットが使用してた盾と剣に弓矢。剣は兎も角として、何で盾が二種類なん?「楽しみは取っておきたい」派なので予告編のあれこれはまだ観てないのですが、この謎は本編で明らかになるってヤツなのでしょうか。ガル・ガドット、ワンダーウーマン公開時に来日とか期待しちゃダメですかね?クリス・パインも一緒に。『スタートレックBEYOND』のジャパンプレミアにクリパ来て欲しかったなぁ。でも来日してくれたサイモン・ペグが十二分にキュートだったのでこれはこれで。

どこぞの衣料品コーナーにいそうな感のあるフラッシュ

どこぞの衣料品コーナーにいそうな感のあるフラッシュ

もういっちょDCコミックから、TVドラマ『THE FLASH /フラッシュ』の主演、グラント・ガスティンが着用していたフラッシュの衣装。ひとこと言わせて頂けるならワーナーさん、展示用のマネキンは”瞳が入ってないのっぺらぼう”にした方がいいと思うのです。瞳があると目力によってマネキンに”個性”が出てきちゃって、各々の頭の中に格納されてる俳優さんの姿をマネキンに投影するのがちぃっと難易度高くなる気が。本人そっくりのマネキンならOKなんですが。

「行くぜ!キット!」「了解です、マイケル」

「行くぜ!キット!」「了解です、マイケル」

電力単位は”ジゴワット”@戸田奈津子訳

電力単位は”ジゴワット”@戸田奈津子訳

1980年代のTVドラマ「ナイトライダー」で主人公の相棒を務める人工知能搭載のスーパーカー、ナイト2000と、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシンカー、デロリアン。作品を飛び越えてのクルマ合わせです。

ナイトライダーと言えば新シリーズ『ナイトライダーヒーローズ』が、『ワイルドスピード』シリーズならびに『スタートレックBEYOND』(またスタトレか)でお馴染みのジャスティン・リンがメガホンを取ると、ちょっと前にニュースになってましたね。MCUで人工知能と言えばジャーヴィスですが、ナイト2000に搭載されている人工知能K.I.T.Tも主人公に従順で、ご主人思いのいい子だったと記憶してます。小学生くらいの頃、親か兄貴が録画した『ナイトライダー』を見た覚えがあるんですが、事件解決後に主人公のマイケルが手首に付けた装置に向かってK.I.T.Tに声をかけたら、ナイト2000のドアがバッタバタ上下するわライトも激しく明滅するわと、K.I.T.Tが全身使って喜びを表してたシーンだけやけに頭に残ってます。本編さっぱり覚えてないけど。

デロリアンは言わずと知れたタイムマシンカーですね。今年の「午前十時の映画祭」では、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作を1週間毎に連続公開する暴挙、もといファンサービスが印象的でした。むしろパート2で出てきた未来世界が2015年なんだから、それやるなら去年にやろうよ、とかげふんげふん。ついでに言えば「午前十時の映画祭」と言ってるのに1日3回、しかも一番大きいスクリーンで爆音上映かましてきた立川シネマシティのマッド振りもなかなかにぶっ飛んでました。

みっくみくにしてあげる♪(してやんよ♪)

みっくみくにしてあげる♪(してやんよ♪)

ここからはフィギュア関係。まずはボークスのDollfie Dream。約50センチの大きなドールで、ボーカロイドの代名詞とも言える初音ミクの通常衣装と衣装違いのドール、そして同じくボーカロイドの鏡音リン・レンの通常衣装ドールが展示されてました。

初音ミクの衣装違いの一つ、雪ミク2012年版。雪ミクは年毎に新しいバージョンが発表されてます

初音ミクの衣装違いの一つ、雪ミク2012年版。雪ミクは年毎に新しいバージョンが発表されてます

雪ミクはやっぱり2011年版と2012年版が天使すぎて辛い。

黄色い壁にところ狭しと並ぶPOP!のフィギュア

黄色い壁にところ狭しと並ぶPOP!のフィギュア

ホットトイズのブースからFunkoのPOP!シリーズの展示。原宿のトイサピエンスもこんな感じの陳列ですが、陳列背後に商品在庫が置いてないせいかぎっしりみっちり。POP! シリーズはアメコミ作品や映画作品、ディズニー作品等のフィギュアを多数リリースしているブランドで、コミコンだけあって『スター・ウォーズ』やMCU作品、DCコミック、『ゴーストバスターズ』、先日公開された映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』を含むハリー・ポッター関係のフィギュアが多数でした。お気に入りのフィギュアを撮影されてる人も多かったです。

スターウォーズEP7フォースの覚醒のカイロ・レン。マスク無しバージョン

スターウォーズEP7フォースの覚醒のカイロ・レン。マスク無しバージョン

ファンタスティック・ビーストの光り物大好き魔法動物・ニフラー。人間以外のフィギュアもあります

ファンタスティック・ビーストの光り物大好き魔法動物・ニフラー。人間以外のフィギュアもあります

MCU作品での我が嫁、ハルクちゃん。で、ブルース・バナー博士のPOP!は何時発売ですか?(涙)

MCU作品での我が嫁、ハルクちゃん。で、ブルース・バナー博士のPOP!は何時発売ですか?(涙)

あとホットトイズのブースの前にはアイアンマンやキャプテン・アメリカの等身大フィギュアがあり、こちらも撮影スポットとして人気でした。

ホットトイズブースの仁王像、社長とキャップ

ホットトイズブースの仁王像、社長とキャップ

ブース奥にはワンダーウーマン姉さんの姿も。太股が眩しかったです(親父視点)

ブース奥にはワンダーウーマン姉さんの姿も。太股が眩しかったです(親父視点)

ホットトイズのムービーマスターピースよりハルクバスター。残念ながら実質無料ではなかった

ホットトイズのムービーマスターピースよりハルクバスター。残念ながら実質無料ではなかった

続きまして海洋堂。こちらもアメコミ系フィギュアを展示されてましたが、多間接で構成されたスパイディとデッドプールのフィギュアの展示ポーズがきまっておりました。どのアングルから撮っても絵になるポージング、素敵。

スパイディらしいこんな変態ポーズも余裕です

スパイディらしいこんな変態ポーズも余裕です

体柔らかデッドプール。体の内側に入ってる左肩から肘に掛けてのラインが堪らない

体柔らかデッドプール。体の内側に入ってる左肩から肘に掛けてのラインが堪らない

更に魂ネイションから、アイアンマン3のホール・オブ・アーマーを背景にしたトニー・スターク。映画ポスターにも使用されていた構図ですが、社長の険しい顔つきと肩甲骨から腰に掛けての曲線がかっこいいです。あ、この辺のオモチャ話が好きな方はFan’s VoiceのColumnに連載されている、DAYUTAさんの【DAYUTAのオモチャ好き】シリーズをオススメします。唐突にマーケティング。

アイアンマン3では何かと病んでた社長。サイドキックで出演してたハーレイ少年の再登場希望

アイアンマン3では何かと病んでた社長。サイドキックで出演してたハーレイ少年の再登場希望

こちらはフィギュアメインのブースではありませんが、株式会社エンスカイ。おいみんな、アプリゲー「マーベルツムツム」のフィギュアならびにグッズがやっとこさ市場に出回るってよ!マーベルツムツムがリリースされたのが確か今年の2月、陽の目を見るまで1年も掛かったのか…(涙) 因みにマベツムはぼちぼちとプレイしてます。ユーザーLvは軽く100超えしてますけど別に廃人じゃないよ

第一弾にヴェノムがエントリーされてるのがこれまた渋い

第一弾にヴェノムがエントリーされてるのがこれまた渋い

続いては株式会社メガハウス。こちらでは日本のアニメコンテンツを元にしたフィギュアが多数展示されてました。

ポケモンの主人公サトシとヒロインのカスミ。って、コダック結構でかいな!?

ポケモンの主人公サトシとヒロインのカスミ。って、コダック結構でかいな!?

TIGER & BUNNYより鏑木・T・虎徹。腐女子の皆様、どうぞお納めください

TIGER & BUNNYより鏑木・T・虎徹。腐女子の皆様、どうぞお納めください

その中にはONEPIECEのフィギュアも展示されておりまして、元々個性的なキャラクターである事も相まってフィギュア化し甲斐があるだろうなぁーなんて思いながら展示フィギュアにカメラを向けていましたが、フィギュアの合間にさり気なく、本当にさり気なく置いてあった一枚の色紙。

尾田先生の無駄遣い

尾田先生の無駄遣い

これ尾田先生の色紙やないかい!?いやいや、これもっとばばーんと置いてあげて!ば・ばーんと!!

パネル展・ハリウッド百年史

こちらは飲食エリアとサイン会エリアの間で展開されていたパネル展示。アメコミと同様、コミコンとは切っても切れない関係にある映画の歴史を各年代毎にまとめて展示されていました。

パネル展示全景

パネル展示全景

1950年代のパネルから。3D映画の祖先はずっと「ダイヤルMを廻せ!」だと思ってました

1950年代のパネルから。3D映画の祖先はずっと「ダイヤルMを廻せ!」だと思ってました

私事で恐縮ですが、私の祖父はその昔、名古屋駅近くの某映画館で映写技師の職に就いていた人でして。既に鬼籍に入っており、勤めていた映画館も取り壊されてしまっていますが、祖父を知る親族からはその時代にしてはハイカラな人だったとか、職業柄か少しだけ英語が分かる人だったとか、そんな話を聞かされてきました。

ずらりと並ぶ映画史のパネルを眺めながら、年代的に生前の祖父はこの辺りの時代の作品を映写してたのかなー、もしかしたら映写室でコレ観たりなんかしてたのかなーなどと、ちょっぴりとセンチメンタル、物思いに耽っておりました。偶然とは聞いてますが、祖父の名前と私の名前は平仮名表記だと読みが被っていまして(祖父が○次郎で、私が○美のような感じ)、もしかしたら映画ヲタにどっぷり染まったのも隔世遺伝かもしれません。

天国のお祖父ちゃんへ。いつになるかは分からないけど、お祖父ちゃんのいる彼岸まで行く時が来たら、35mmや60mmフィルム等のフィルムサイズ違いや映写器のよもやま話、映写室ならでは裏話や当時の映画館の様子なんかをがっつりじっくり聞きたいと思っているので今から覚悟しとしてください。

今日も盛況、コスプレイヤー!

場所をまた移しましてこちら、コスプレエリア。昨日もコミコンならではと言いますか、日本のコミケではまずお目に掛かれない珍しい作品やキャラのコスプレや、同作品または異作品のキャラクター同士で集まって集合写真を撮影しているコスプレイヤーの姿を沢山見かけました。後で知ったんですが、クローク前の広場って撮影エリアじゃなくてただの待機エリアだったんですね…。

キャプテン・アメリカ feat. ダンボーくん。このコラボも実現化しないかなぁ…。カワイイ

キャプテン・アメリカ feat. ダンボーくん。このコラボも実現化しないかなぁ…。カワイイ

キャプテン・ダンボーくんを後ろから。後頭部に貼られてた「構わん。撮れ」のメッセージがイケメン

キャプテン・ダンボーくんを後ろから。後頭部に貼られてた「構わん。撮れ」のメッセージがイケメン

映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のイモータン・ジョーを称えるスパイディ達

映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のイモータン・ジョーを称えるスパイディ達

あと、今回のコミコンではコスプレ撮影の集合場所が用意されており、二日目と三日目に一コマ20分毎、テーマに沿ったキャラクターで集まって集合写真を撮ろう!と言う企画がありました。

テーマの発案はすべて事前表明の参加者有志で、何でもアリの「オールジャンル」から「DC Comics VS MARVEL」、「ロードオブザリング」「ハリー・ポッター&ファンタスティック・ビースト」など、どれも個性的な集合企画が並んでいました。そして本日3日目はFandom主催で「MARVEL」集合の企画があり、自分もちょっくらその中にお邪魔してきました。

少し遅れての参加でしたが、集合場所には既に人・人・人!

ざっと見て50人以上は軽く越えてそうなマーベルヒーローとヴィランの皆様!ってか、いつもはどのイベントに行ってもなかなか遭遇しないマーベルコスプレなのに、君たちはいったい普段はどこに生息してるのかね?(マジで) 「MARVEL」集合の一つ前のコマが「スパイダーバース」だったせいか、蜘蛛比率はやや高めでした。

いざ集合写真を撮るぞとなった時、ここで一騒動。なにしろ人がわんさか多いので、隊列を組むだけでも時間がかかります。しゃがめる衣装は前列、しゃがめない衣装は後列、スパイディは問答無用に最前列と決めても、中間列の中腰勢の高さが右翼・左翼でアンバランスだったり、人影で顔が隠れてしまってる人がいたり。カメラさんの指示の元、あれやこれやと微調整が続いていましたが、何しろ自分含め中腰勢は体勢がキツい。全員を綺麗にフレームに収めるためと分かっていてもそろそろ太腿辺りがぷるぷるし始めてもう限界…と、何となく皆がダレはじめたその時。

「グレネード!!」

の怒声と共に、集合列の目前に投げ出された手榴弾!そして最前列から飛び出して、手榴弾を抱きかかえるように倒れる(超人血清を打つ前の)スティーブ・ロジャース!

このパフォーマンスに沸きあがる拍手と笑いと歓声、どこからともなく聞こえる「もやしー!」コールの波に、重苦しくなり始めていた現場の空気は一掃され、とても和やかな雰囲気の集合撮影になりました。ありがとうキャプテン!

Famdom公式アカウントより。100人ちょっといるそうです。もやしキャップは右側にいます

Famdom公式アカウントより。100人ちょっといるそうです。もやしキャップは右側にいます

突撃!(Fandomの)斜め隣のSCREENブース

さて、今回は映画雑誌の老舗「SCREEN」もブースを出されており、物販コーナーで販売されていた「東京コミコンオフィシャルブック」の色違いバージョン、通称・青本をこのブース限定で販売されてました。

赤本と青本。中身は同じで、過去のSCREEN紙面や付録冊子の再編集

赤本と青本。中身は同じで、過去のSCREEN紙面や付録冊子の再編集

そしてこの青本には購入者特典として、先着で撮影した写真にSCREENのロゴを入れて表紙風のプリントを作ってくれる撮影会、アメコミ映画ライターの杉山すぴ豊さんのサイン会、本誌で似顔絵を描かれている大越まどか先生の似顔絵のうち、どれか1つ好きなものを選べると言うサービスが付いてました。

実はちゃっかりこの青本、プレビューナイトの1日目に購入しており、どうせ撮るならブラックウィドウだよなぁと考えて、まだ空いていた3日目の10時~の撮影会をゲットしました。えへへ。写真撮影は3カット撮って頂き、その内から自分の好きなカットを1枚選んで現像して頂けるというもの。11時過ぎにもう一度お越しくださいと言われていましたが、それから会場内を駆けずり回っていたので取りに行ったのはグランドフィナーレも近い17時ちょっと前。なんという迷惑。

こちらがその撮影頂いた一枚。そうそう、SCREENの表紙ってこんな感じ!

こちらがその撮影頂いた一枚。そうそう、SCREENの表紙ってこんな感じ!

立ち寄った時間が時間なだけに、ブースにいらっしゃる人影もまばらで、こんな格好ですけど今日はファン・メディアとして取材で来てるんですよー的なところから雑談を始めて、ブースに詰めていらっしゃったスタッフさんと少しだけお話をさせて頂きました。

何を隠そう(別に隠しても無いけど)、SCREENは毎月必ず本屋で立ち読みしている月刊誌の一冊で、じっくり読みたい記事があるとか単純に推し俳優さんの写真が載っている号についてはそのまま購入もしております。確か一番最初に買ったのが2012年の『アベンジャーズ』特集号で、最近だと英国男子総選挙の号。コリン・ファース、1位獲得おめでとう。

英国男子総選挙の話をしてる時、そういえば……とふとある疑問を思い出しました。SCREENを初めて読み始めた頃から抱いていた小さな小さな、けれどずっともやっとしていた違和感。

「例えば私、マーク・”ラファロ”のファンなんですけど、SCREENの本誌だとマーク・”ルファロー”なんて書かれてたりしますよね?あれ、何でそんな表記になってるんです?」

今考えれば何て不躾な質問なんだろうと反省していますが、応対して下さったスタッフさんは嫌な顔一つもせず

「あれは”こういう英語表記の場合はこう訳す”と言う社内ルールが存在するんです。なので、表記が一般の呼ばれ方とは異なる場合があります」

「ですが、その社内ルールに則るとレオナルド・ディカプリオは”レナード”・デイカプリオになるところ、”レオナルド”の呼び方が一般的という理由でそちらに合わせる事もあります。ただ、社内ルールが定められたのが昭和20年半ばの事なので、改正しようにもなかなか難しく……」

と回答頂きました。なるほど納得、ルールならば仕方無いです。でもだからと言ってルールにガチガチな訳ではなく、世間一般の認知度によって柔軟な対応をされているのは、読者サイドの読みやすさを考慮した素晴らしい対応だと感じました。確かに「レナード・ディカプリオ」なんて書かれても、誰のことよ?ってなりますし。

「英国男子総選挙もですけど、アンケートハガキのご意見を元に紙面の企画や構成を考えています。沢山のご要望を頂いていますが、すべての声にお応えするのも大変でして」と語るスタッフさん。確かに創刊70周年が目前であるSCREENの読者層となると天井は結構なシニア層の可能性がありますし、若い世代をターゲットにと突然「映画秘宝」のようなサブカル色の濃い紙面づくりにシフトチェンジされるのも困ります。

参考までに映画秘宝のブース。一部バックナンバーが読み放題と、ぬるカフェと化してました

参考までに映画秘宝のブース。一部バックナンバーが読み放題と、ぬるカフェと化してました

SCREENはSCREEN、映画秘宝は映画秘宝。どっちも違ってちょうどいい。ネットによる情報流通の一般化で、出版業界自体が厳しい状況にある中、それでもめげずに情報を発信し続けているSCREENをこれからも応援したいです。SCREENさん、貴重なお話の数々、ありがとうございました!ボーナスも出たし、定期購読申し込むか真面目に考えます(笑)

書籍は古い?

SCREENのスタッフさんが語るお話の中、一番胸にぐさりと来たのがご自身の事を「オールドメディア」と自嘲されていた事でした。近年のネット社会から見たらそうなのかもしれませんし、私自身平日はIT系企業の社畜なので若干の申し訳なさを感じましたが、私は活版自体を「トラディショナルメディア」だと捉えています。歴史が古いから劣っている、技術が新しいから優れている。そんな単純に決められるものではないと考えます。

確かにネット上の情報は速報性やキーワード検索等の可用性に優れていますが、その反面で情報が過ぎ去るのも早く、流れてくる情報の質も均一ではなく大小様々につき、それらを自ら取捨選択しないと逆に飲み込まれてしまうだけ。また、電力がなければネット世界は途絶えてしまう欠点もあると思います。

そして、そんなネット世界の短所こそが、活版が一番力を発揮できる部分。紙という有機物を媒体にして情報を記録し、編集者が吟味して有用と判断したものを掲載する。”必要な情報を後世に残す”と言う視点では、活版に優るもの無しだと思います。1440年代にグーテンベルクが活版印刷術を発明してから約600年弱、アメコミのリーフでも電子書籍として読めるサービス?がついているそうですが、読書屋の端くれとしては時代が変わっても紙とインクが最強と信じているのでございます。以上、最後にちょっとだけリーフの話をそれっぽく引き合いに出し、コミックとの関係を強引にこじつけて自論展開を企てたたわごとでした。

3日間お疲れさま、グランドフィナーレ!

外も暗くなってきて閉場時間が差し迫ってきた17時過ぎ、メインステージでは最後の催しであるグランドフィナーレが行われました。フィナーレに登壇したゲストはビリー・ボイド、マシュー・ルイス、そして東京コミコン親善大使のダニエル・ローガンの3名。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに『ハリー・ポッター』シリーズ、『スター・ウォーズ』と、出演作品はそれぞれ違う3人が一堂に並ぶショットと言うのも貴重ですね。ひとりずつ東京コミコンの感想を語った後、最後にステージと観客の全員で「We Love 東京コミコーン!」と叫んでイベント終了!

充実の3日間でした。フィナーレイベントで次回の開催予定日発表を期待していましたが、それはありませんでした。残念。

来日ゲストのお三方。ダニエル・ローガンの片言ニホンゴ挨拶が嬉しい

来日ゲストのお三方。ダニエル・ローガンの片言ニホンゴ挨拶が嬉しい

総括:日本に於けるポップカルチャー、需要と供給

今回は3日間通して参加したのですが、会期中どうしても引っかかる出来事と言いますか、不思議に思っていた事がありました。

それは「スタートレック」関係の展示や商品販売が、一切なかったこと。

『スタートレック』は今年がTVシリーズ放送開始の50周年記念アニバーサリーで、10月に『スタートレックBEYOND』も劇場で公開。更に来年5月には新シリーズの『スタートレック:ディスカバリー』がNetflixで配信される予定等、話題については豊富です。

何よりスタートレックと言ったら、海外ではスター・ウォーズと肩を並べる2大SF作品。なのに、それらしい影も形もありません。あれだけいっぱい並んでいたホットトイズブースのFunko・POP!シリーズの展示の中にすら一体もないのです。海外ではスタートレックのPOP!シリーズは販売されているのに。

会場をうろついていて見つけた、個人ブースで出展されていたトイショップの「モンスタージャパン」。こちらも例に漏れずスタートレック商品はなかったのですが、ブースの方との雑談する時間があったので、思い切ってこの疑問を投げかけてみたところ

「うち、スタートレックに詳しいスタッフがいないんですよ。でもそう言った要望は他のお客様からもいただいてます」

とのお話でした。確かに過去のTVシリーズの多さと各シリーズの膨大な話数を考えたら知識習得には時間は掛かりますし、劇場版についても10作以上も作られてます。その話を聞いて権利関係云々ではなく、単純に売り手側から見て取っ付きにくい世界からなのかなー?と感じていたのですが、先述しました「SCREEN」ブース。こちらのブースでもスター・ウォーズを中心にグッズの販売がされていたので、同じ質問をスタッフさんにしてみたのですが、少し違う答えが返ってきました。

「扱おうにも弾が無いと言いますか、皆さんがどれくらいスタートレックを求めているのか読めない部分が大きいんです」

つまり、これが欲しい・あれが欲しいと言うファンからの声が聞こえない、または聞こえ辛い。つまりコンテンツに対するニーズが読めないので、供給側も慎重になってしまう。どうやらそんな背景がある模様です。

考えてみたらそう。

今回のコミコン3日間、スタートレックのコスプレをしているコスプレイヤーも皆無でした。2日目はスタートレックBEYOND仕様のカーク船長と機関部のスコッティの他、コスプレではなくファッションとしてスタートレックの青制服を着てる海外の方等を僅かに見かけましたが、3日目に至っては金制服の女性士官(一本線の袖章だったので、確か大尉の筈)だけと言う悲しい状態。供給する側も商売ですし、この状況で「スタートレック欲しいです」とオーダーしても、「それ、本当に売れるの?誰も買わないで売れ残っちゃうんじゃないの?」と敬遠されてもやむなしです。

…そしてこれ。スタートレックに限らず、アメコミ界等にも同じ公式が当てはまります。

今まであまりフォーカスされなかったアメコミや映画等のポップカルチャーに焦点を当てた東京コミコン。公式は当初、3日間通して約30000人の来場者を予想していたそうですが、蓋を開けて見たら何と32,010人と、それを上回る動員となりました(数値は東京コミコン公式サイトより)。

いわゆる”ジャパニメーション”ではないコンテンツを目的に幕張メッセに国内外から30000人超の”オタク”が集まったのは、日本における市場の規模を明示する素晴らしい実績となりました。が、だからといって今の現状に甘んじて、口を開けたまま座って与えられるのを待っているだけでは未来はありません。

これから市場の安定化や発展にあたり必要なもの。それは版権元から提供される諸々のコンテンツではなく、私達ファンのアピールいかんだと考えています。

“アピール”と言うとどうしても視覚的に、コスプレが目立ちたがりですが、文章を書くのが得意であれば各キャラクターについての愛をテキストとして綴ってみる、写真が得意であればフィギュアを撮影してみる。

とにかく己の内に抱えている「私はこれが好きなの!こんなにも楽しいものなの!」と言う情熱を常に発信し続けること。そしてそれこそが、日本でアメコミないしポップカルチャーが根付いていくための必要な地脈となり、揺ぎ無い基盤に変化していくのではないでしょうか。

日本人はシャイな気質の民族だと言われていますが、幸いな事に今はSNSが発達し、顔を見せずとも誰でも気軽にお手軽に、情報発信できる土壌が整っています。気恥ずかしくて口に出しては言えない事でも、案外テキストだとすんなり書けたりするものです。現にこれを書いてる私、超がつくほどの人見知りです (苦笑)。稀に企画の幹事なんかやってますが、かなり無理してるんですよ、ええ…。

プレスパス現物。今回のお宝です

プレスパス現物。今回のお宝です

話が少し脱線しますが2016年11月27日、高円寺にあった日本で唯一のアメコミ・海外コミック専門の漫画喫茶「ACBD」が閉店し、3年の近くの営業にピリオドを打ちました。予告無しの閉店ニュースを受け、Twitter上に生息しているアメコミファンからは惜しむ声が多数挙がっていましたが、これこそ「供給だけでは成り立たない世界」を如実に表していると思います。

「ACBD」のホームページでは閉店の理由を「不採算」と述べられていましたが、1冊何千円もする翻訳コミックを本棚いっぱいに並べるだけで相応額の金銭が必要ですし、新しいコミックもどんどん発行されています。そしてボランティアではない以上、新刊の購入代に加えてテナント料や人件費、光熱費等の雑費が賄えるだけの利益は出さないといけない訳で。土日にイベントを開催したり、毎月1000円でいつでもコミック読み放題という破格の会員制度も導入してコミック普及に努められていた同店でしたが、今となっては店舗が提供する至れり尽くせりの供給に対し、自分も含め利用者はただ甘えるだけの一方だったのではないかと言う気持ちは否めません。

一度グラスからこぼれたミルクは二度と元には戻りません。ですが、こぼしてしまった事を教訓に、二度とこぼさない努力は出来ると思います。

とある日の「ACBD」店内。自室のような居心地のよい空間でした

とある日の「ACBD」店内。自室のような居心地のよい空間でした

まだまだ発展途上の域にある、日本のポップカルチャー市場。そして、それを生かすか殺すかは私達次第。東京コミコンがこれからどう変貌していくのか。それを握っているのは一人一人のファンなのだと心に命じ、来年のコミコンが更に力強く、大きなものになっている事を願って東京コミコンの総括とさせて頂きます。

さーて、次回は誰が海外ゲストとしてやってくるのかな!マーク・ラファロとかサイモン・ペグとかクリス・プラットとかトム・ホランドとかマーク・ラファロ(しつこい!)とか、ああ、それからガル・ガドットも捨てがたい!

出来ればファンタスティック・ビーストのもちぷに男子、ジェイコブ・コワルスキーことダン・フォグラーも是非!

来年のコミコンの事をあれこれ考えるだけで、妄想広がりんぐー!

東京コミコン最高!

東京コミコン最高!