『ジュリーは沈黙したままで』10月3日公開決定!
- Fan's Voice Staff
2024年カンヌ批評家週間で上映されSACD賞を受賞した、第97回アカデミー賞国際長編映画賞のベルギー代表作品『Julie Keeps Quiet』(英題)が、邦題を『ジュリーは沈黙したままで』として10月3日(金)に日本公開されることが決定し、場面写真6点が解禁されました。
ベルギーのテニスクラブに所属する15歳のジュリー(テッサ・ヴァン・デン・ブルック)は、その実力によって奨学金を獲得し、いくつもの試合に勝利してきた、将来を有望視されているプレーヤー。ところがある日、信頼していた担当コーチのジェレミー(ローラン・カロン)が指導停止となりクラブから姿を消し、彼の教え子であるアリーヌが不可解な状況下で自ら命を絶った事件を巡る不穏な噂が立ちはじめる。
ベルギー・テニス協会の選抜入りテストを間近に控えるなか、クラブに所属する全選手を対象にジェレミーについてのヒアリングが行われ、彼と最も近しい関係だったジュリーには大きな負担がのしかかることに。テニスに支障を来さないよう日々のルーティンを崩さず、熱心にトレーニングに打ち込み続けるジュリーは、なぜかジェレミーに関する調査に沈黙を続け──。
監督は、ケガを隠して競技を続ける12歳の体操選手を描いた短編『Stephanie』(20年)で注目を集めたベルギーの新星ヴァン・デイル。本作でも、スポーツ界で子どもが「小さな大人」として扱われる現実に強い問題意識を投げかけます。
共同プロデューサーに名を連ねるのは、社会問題に光を当て続けてきたベルギーの巨匠ダルデンヌ兄弟。さらに、この物語に共感を示したテニス界のスター・大坂なおみが、エグゼクティブ・プロデューサーとして公式に後押しすることも話題となりました。
過去に大坂がメンタルヘルスの重要性を訴えたことに大きく感銘を受けたヴァン・テイル監督は、「彼女が声を上げてくれたことで、世界中の少女たちに“NOと言う選択肢”が開かれた。本当に価値あることです」と語っています。
15歳の天才ジュニア選手・ジュリー役を演じたのは、実生活でも若きテニス選手であるテッサ・ヴァン・デン・ブルック。ほか、登場するティーンエイジャーたちは全員ノンプロの俳優。実際の所属クラブの仲間たちを他の子役に起用することで、主演俳優が安心できる環境がつくられました。
35mmと65mmフィルムで捉えられた美しい映像は、『クルエラ』(21年)、『ダム・マネー ウォール街を狙え!』(23年)などのニコラス・カラカトサニスの撮影によるもの。緊張感のあるボーカルスコアは、アメリカの現代クラシック作曲家キャロライン・ショウが担当しました。
以下、レオナルド・ヴァン・デイル監督による声明文が届いています。
『ジュリーは沈黙したままで』との個人的なつながりについて語りたくなるが、皆さんにジュリーの声を聞いてほしい。
ジュリーが沈黙する姿を見て、なぜ沈黙するのか耳を傾けてほしい。
沈黙することがジュリーの掟であり、私はジュリーの掟を破らないと誓った。
だから私は、ジュリーの沈黙の中に光をもたらすという唯一の目的のために、
ジュリーの歩調、ジュリーの時間の中で物語を進めようと努めてきた。
ジュリーは自ら沈黙を選んだわけではなく、沈黙することで注目の的になろうとしているわけでもない。
優しい沈黙もあれば強烈な沈黙もある。時に暴力的で、特に力を与えてくれる。
ジュリーの沈黙に飛び込むことは驚くべき旅だった。
ジュリーは思いがけない形で私を導き、自分自身やこの世界について理解を深める手助けをしてくれた。
私たちは皆、何らかの形でジュリーであり、それぞれが沈黙を抱えているのだと気づかせてくれた。
新たな章を開くということは、ジュリーを放つことを意味する。はっきり言って簡単なことではない。
ジュリーは強いけれどまだ若く、もろくもある。もし何かあったら?
それでも…
ジュリーの沈黙は皆さんに知られることになった。
ジュリーの沈黙は今、あなたのものとなった。
レオナルド・ヴァン・デイル
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『ジュリーは沈黙したままで』(英題:Julie Keeps Quiet)
監督:レオナルド・ヴァン・デイル
出演:テッサ・ヴァン・デン・ブルック、クレール・ボドソン、ピエール・ジェルヴェー、ローラン・カロン ほか
2024/ベルギー・スウェーデン合作/オランダ語・フランス語・ドイツ語/100分/カラー/5.1ch/1.85:1/原題:Julie zwijgt/日本語字幕:橋本裕充
日本公開:2025年10月3日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか
配給:オデッサ・エンタテインメント
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