ギャスパー・ノエ監督『アレックス STRAIGHT CUT』日本版予告編＆ポスターが解禁！

Fan's Voice Staff

カンヌ国際映画祭の観客を震撼させた伝説的傑作『アレックス』を時間軸に沿ってギャスパー・ノエ監督が再編集した“逆転完全版”ともいえる『アレックス STRAIGHT CUT』の日本版予告編とポスタービジュアルが解禁されました。

「ひっくり返せない、不可逆、取り返しがつかない」という原題『Irréversible』が意味するように、エンディングテロップから始まり時系列を逆から描くという挑戦的な構成で、観たものは誰も無傷ではいられない超問題作『アレックス』。イタリアの至宝と呼ばれるモニカ・ベルッチが受ける暴力と、その復讐が招く一夜の悲劇を描き、連日報道される凶悪な事件が身近に起こる中で、日々のささやかな幸福は何の理由もなく一瞬にして壊されること、そして何もそれを止めることはできないという無慈悲な現実を突きつけます。

『アレックス』は2002年の第55回カンヌ国際映画祭最大の衝撃作と喧伝され、公式上映の際にはリアルかつあまりにも強烈な描写の連続に途中退場者が続出。全仏283館で拡大公開されるや否や動員60万人を記録し、イタリア、ベルギー、スイスでも驚愕の動員数を叩き出した伝説的作品です。

脚本・撮影・監督・編集は『LOVE 3D』（15年）、『CLIMAX クライマックス』（18年）など、新作のたびに過激な描写で世界中の映画ファンを挑発し続ける奇才ギャスパー・ノエ。主演アレックス役で俳優生命を賭けて壮絶なシーンを演じたのは、『007 スペクター』（15年）でボンドガールとして出演し話題を呼んだモニカ・ベルッチ。復讐のため地獄道を疾走する彼氏のマルキュスを、当時実際の夫婦だったヴァンサン・カッセル、元彼のピエールをアルベール・デュポンテルが演じ、一夜の悪夢を包む陰鬱なダウンビートが印象的な音楽は、のちに『エンター・ザ・ボイド』（09年）、『CLIMAX クライマックス』でも楽曲を提供する元ダフト・パンクのトーマ・バンガルテルが担当しました。

監督自らが『アレックス』を時間軸に沿った物語へと再構築し編集した“逆転完全版”とも言える『アレックス STRAIGHT CUT』。新しい映画として生まれ変わり、一縷の希望さえ打ち砕かれた世界の先に待ち受けるものとは──？

予告編は、“逆転完全版”となり強度を増したギャスパー・ノエ監督が描く日常に潜む地獄のような世界と、アレックスのささやかで幸せな日常が入り混じるスタイリッシュな映像美が印象的。ポスタービジュアルには、少しのボタンの掛け違いで取り返しのつかない一夜を迎えることとなるアレックスの麗しい魅力が溢れています。

また、オリジナル版『アレックス』と『アレックス STRAIGHT CUT』の同時上映も決定（新宿武蔵野館ほか一部劇場のみ）！お得な2作品セット前売り券も発売されます。

以下、コメントが到着しています。

塚本晋也（映画監督）
戦慄する。こんな恐ろしい映画は見たことがない。そこに夢物語ではない現実を感じる。
と同時に、ギャスパーの歯軋りするほどのやさしさを感じるのだ。

ギャスパー・ノエ
これは別の映画になったぞ！劇場公開するべきだ！

モニカ・ベルッチ
20年前に撮った映画が時系列を正しただけで、こんなにも素晴らしい作品に生まれ変わるなんて！

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『アレックス STRAIGHT CUT』（原題：Irréversible – Inversion intégrale）

恋人のマルキュスと暮らし愛に満ちた幸せな日々を送るアレックス。ある日、共通の友人でありアレックスの元恋人のピエールと共にパーティーに呼ばれた。急な故障で車を出せなくなったピエールは不機嫌で、未だ未練があるアレックスに対しての愚痴が止まらない。そんな彼を受け流しながら地下鉄で会場に向う三人。

しかし、パーティーでハメを外すマルキュスと些細なことで口論になったアレックスは、心配するピエールを振り切り途中で帰ってしまう。一人で夜道を歩くアレックスはショートカットのために普段は使わない地下道で突然男に襲われ、激しく暴行を受け凌辱されてしまうのだった。変わり果てたアレックスの姿を見たマルキュスは、自責の念に駆られ絶望し、怒りに任せて犯人を探し出そうと夜の街を彷徨い、ピエールは落ち着かせようと同行する。

監督・脚本・撮影・編集／ギャスパー・ノエ
出演／モニカ・ベルッチ、ヴァンサン・カッセル、アルベール・デュポンテル、ジョー・ブレスティア
音楽／トーマ・バンガルテル
字幕／横井和子
2020年／フランス／シネマスコープ／5.1ch／90分／DCP