【単独インタビュー】『TOKYO BURST-犯罪都市-』水上恒司と東方神起ユンホが演じた刑事コンビの熱量
- Atsuko Tatsuta
韓国で累計動員4000万人を突破しているメガヒットシリーズ『犯罪都市』を日本オリジナルストーリーでユニバース化した『TOKYO BURST-犯罪都市-』が5月29日(金)に公開されました。

東京・歌舞伎町。新宿中央署の新人刑事・相葉四郎(水上恒司)は、歌舞伎町育ちで元暴走族の総長という変わり種で、トラブルばかり起こす問題児。ある日、国際指名手配中の村田蓮司(福士蒼汰)が率いる犯罪組織を追って韓国警察庁のエリート刑事チェ・シウ(ユンホ)が来日、共同で捜査を進めることになる。ぶつかり合う二人だが、巨大な陰謀の存在に気づく──。
『犯罪都市』シリーズは、ハリウッドでも活躍するマ・ドンソクが主演を務め、原案や企画製作も手がける韓国で最も人気のある映画シリーズ。これまでに4作品が公開されており、韓国での累計動員は驚異の4000万人を突破。『TOKYO BURST-犯罪都市-』は、『犯罪都市』シリーズの世界線と繋がる、日本オリジナルストーリーのユニバース作品として制作されました。

監督を務めたのは、『ミッドナイトスワン』『ナイトフラワー』などの内田英治。脚本は、Netflixの実写化プロジェクト「幽☆遊☆白書」(23年)や「シティハンター」(24年)などを手掛けた三嶋龍朗が監督と共に担当。マ・ドンソクはアソシエイトプロデューサーの一人として参加しています。
公開に先立ち、主演を務める水上恒司と、日本映画初出演となるユンホ(東方神起)が、Fan’s Voiceの単独インタビューに応じてくれました。

──『犯罪都市』という大きなブランドの作品になりますが、その名前を背負うことへのプレッシャーはありましたか?
水上恒司 背負う背負わないで言うと、やっぱり意識しますよね。本当の意味で“背負うべき立場”は製作側の方々だとも思いますが、表向きには僕らキャストが矢面に立つことになる。だから、まったく意識しないで作品に臨むことはあり得ませんでした。ただ、それを必要以上に気負ってしまって、良からぬ方向に行くよりは、良い意味で人に委ねる部分は委ねて、自分がやるべきことを全うすることを考えていました。
ユンホ 僕はまず『TOKYO BURST -犯罪都市-』以前に、日本映画に出演すること自体が初めてだったので、まずは「迷惑をかけないように頑張ろう」という気持ちでした。もちろん『犯罪都市』というブランドは韓国でもすごく有名です。でも、これは別のユニバースなので、「ここで新しいストーリーを作ろう」という覚悟で臨みました。すごく楽しく撮影できました。
──今回がお二人にとって初共演でした。それぞれどんな印象を持たれましたか?
水上 (ユンホは)めちゃめちゃ良い人ですね(笑)。“良い人”って、役者に対して使われると、時に少し曖昧な言葉にもなるかもしれませんが、僕がこれまでたくさんの俳優さんとご一緒してきた中で、ユンホさんはズバ抜けていると思いました。スタッフさんにも、キャストにも、エキストラさんにも、さらには撮影とは関係ない一般の方々に対しても、本当に細やかな配慮をされていました。現場で撮影させてもらっている状況の中で、周囲への心遣いが随所に見える。それがすごく印象的でした。
ユンホ 恥ずかしいです(笑)。ありがとうございます。(水上とは)役柄としては“相棒”です。最初は「(水上は)どんな性格なんだろう」と思っていました。すごくタフなイメージがあったのですが、実際に会うと本当に真面目で、そのギャップがすごかった。「どっちが本物なんだろう?」と思うくらい(笑)。実は、水上さんも周りのスタッフさんにすごく優しいんですよ。マナーも良く、本当に親切です。一番印象に残っているのは、人としての価値観がすごく真面目なところ。毎回、「どうやってこの世界で生き続けるか」を考えていて。20代なのに、そういうことを本気で考えている。その姿がすごく頼もしかったです。本当に、水上さんが主人公の作品に出られて良かったと思っています。
水上 嬉しいお言葉です。

──『犯罪都市』シリーズはアクションが魅力的で、そのDNAは本作にも受け継がれています。特に印象に残っているアクションシーンや、役作りについて教えてください。
ユンホ リハーサルはかなり厳しかったし、実際に見ると本当にすごいんです。プロレス技もちゃんとやっているし、ワイヤーアクションもある。「本当に大丈夫なの?」と思うくらいでした。でもみんな本当に情熱的で、一生懸命リハーサルをしていたので、「僕も負けたくない」と思いました。オム・ギジュンさん(犯罪組織のリーダー村田の右腕キム・フン役)ともずっと一緒に練習していたのですが、それが良いシナジーになったと思います。
水上 僕は以前にもアクション映画に出演しましたが、作品ごとにアクションの個性があります。総じて思うのは、“なぜその拳を振るうのか”という理由がきちんと描かれていないと、アクション映画として成立しないということ。ジャッキー・チェンさんの時代からたくさんの人たちがアクション映画の礎を築いてきて、今のアクション映画は豊かになっている。だからこそ、本質的な部分のレベルは昔から変わっていないと思います。『犯罪都市』だからというよりも、“アクションをどう扱うか”を大事にしていました。

印象的だったのは、福士さんとのアクション。僕の役は“石頭”という特徴があって、頭突きをするのですが、頭突きは目線がブレるので意外と難しい。撮影後半、福士さんの顎に当ててしまったことがあって。めちゃめちゃ謝りました。「大丈夫だよ」って言ってくださったのですが、かなり勢い良くいってしまったので…あれは完全に技術不足でしたね。
ユンホ 本当に(水上は)石頭なんですか?(笑)
水上 どうなんですかね(笑)。でも幼少期からずっと頭を打っていて、親に「この子死ぬんじゃないか」と思われるくらいだったので、生き残っているということは石頭なのかもしれないです。
ユンホ 僕は韓国の刑事役だったのですが、回し蹴りが重要なポイントでした。もともとキックボクシングや合気道をやっていたので、それをベースにしながら内田英治監督と相談してアレンジしていきました。最初に撮ったシーンでは、回し蹴りでちょっと力が入りすぎて滑ってしまって、実はかなり痛かったのですが、初対面だから「大丈夫、大丈夫!」ってごまかしました(笑)。結果的にすごくカッコいいシーンになったので良かったです。
水上 カッコよかったです!

──どのように体作りをされましたか?
ユンホ アーティストとして活動している時とは全然違いました。ダンスをする時は絞らないといけないので。今回は韓国の刑事役ですし、『犯罪都市』の刑事はタフなイメージがある。だから増量しました。普段よりかなり食べて、運動もしました。痩せるより体重を増やすほうが本当に大変でした(笑)。
水上 僕はいつも通りの増量方法で、限られた時間の中でできることをやった感じです。ただ、福士さんの体作りは本当にすごかったですね。何が正解かは分からないですけど、ダントツで作り込まれていたと思います。純粋に感服しました。
──特に難しかったアクションシーンは?
水上 やっぱり頭突きですね。目線が切れるので、カメラ位置が分からなくなる瞬間があるんです。「もっと豪快にいってほしい」というオーダーもあったのですが、今までにない難しさでした。
ユンホ 僕は、“刺された後も戦う”という部分です。普通、人間はあんなに刺されたら戦えないじゃないですか(笑)。でもこの作品は“バディアクション”だから少し嘘っぽくてもいいんじゃないか、と話しながらやっていました。実はもっと長いシーンだったのですが、(完成版では)一部カットされていました。かなり刺された後にまた蹴りを決める、みたいな(笑)。最高のシーンになったと思います。

──本作では日韓の俳優の豪華な共演も見どころです。福士蒼汰さん、オム・ギジュンさん、パク・ジファンさんとは現場ではどんな空気感だったのでしょうか?
水上 この中で僕が一番年下なのですが、みなさん本当に“良いお兄ちゃんたち”という感じでした。役柄がどうであれ、現場ではどういうマナーや礼儀、リスペクトを持って接するかが大事だと思いますが、それがきちんと成立している現場だったという印象があります。
ユンホ 出演者みんながそれぞれ本当に作品を研究していて、良い映画を作りたいという一体感がありました。それと、福士蒼汰さんがずっと韓国語を勉強していたんですよ(笑)。みんなの後ろの方でずっと練習していて。僕ももっと日本語を勉強しなきゃと思いました。オム・ギジュンさんも韓国では本当に有名な方ですが、すごく礼儀正しくて、何より役に集中している姿が印象的でした。とても勉強になりました。

──敵対する関係性を演じる上で、現場でも距離感を意識していたのですか?
ユンホ はい。普段は仲良く話しますが、スイッチが入ると空気が変わるというか。オムさんとも、シーンによっては少し距離を置いていました。でもOKが出た瞬間、「大丈夫?」みたいに戻る(笑)。やっぱり兄貴なんですよね。
水上 僕はもともと現場であまり喋らないタイプです。もちろんコミュニケーションは取りますけど、皆さん経験豊富ですし、自分が何をやるべきか、何が足りないかを考えている時間の方が長い。ただ、アクションは一人ではできないので、必要なコミュニケーションはしっかり積み上げられたと思っています。

──新宿駅前を封鎖した大規模ロケも話題ですね。
水上 あれは本当に制作部とコーディネーターの方々の尽力ですよね。旧アルタ前を封鎖して、800万円をばら撒くという撮影だったのですが、10日前まで撮影できるかわからなかったらしいです。今の時代、CGでいくらでもできると思いますが、俳優としては“実際に生きている場所”で撮れることが何より大きい。だから、そこに興味を持っていただけたら嬉しいです。
ユンホ 僕は日本映画が初めてだったので、すべてが初体験でした。歌舞伎町の撮影は、「この人数、本当にコントロールできるの?」と思うくらい人が多くて(笑)。しかも、お金をばらまくシーンではお札がすべて本物でした。でも最後にほぼ全額きちんと回収されていて、日本の方々はすごく優しいなと思いました(笑)。

──それぞれの役作りについても教えてください。
ユンホ 最初に聞いていたキャラクターは、もっとエリートで無口な感じでした。でも、“一人で日本まで来る理由”を考えた時、もっとタフな人物の方が良いのではないかと思い、内田監督と相談しながら、“田舎出身の刑事”という設定を作っていきました。そこから体重も増やして、自分の得意なキック技を取り入れていきました。
水上 歌舞伎町っていろいろなものが激流みたいに流れている場所だと思います。僕自身、東京育ちではないので、歌舞伎町を完全に理解しているわけではない。でも、その中で育った人間だからこそ持っている距離感や、人との接し方があると思いました。だから、“歌舞伎町育ちだからこそできる相棒との関係性”を意識して演じていました。

──演じるにあたって参考にした作品はありますか?
ユンホ 僕は内田監督の過去作を観ました。「この監督はどうやって人間を描くのだろう」と思い。本当に“内面”を描く監督ですよね。それがよく分かりました。昔のアメリカ映画もたくさん観ました。『ゴッドファーザー』とか。
水上 僕は撮影当時、北野武監督の作品をずっと観ていました。内田監督に「観てみて」と勧められて。作品に直接結びつけようと思ったわけではありませんが、現場で“本物っぽい人”に遭遇したりして(笑)。北野映画にある空気感みたいなものは、何かしら影響を受けていると思います。
──いろいろな素晴らしい監督とお仕事をされていると思いますが、内田英治監督はどんな監督でしたか?
ユンホ 一言では表せない監督ですね。すごく独特の“色”を持っている。でも、ただ派手なアクションを撮るだけではなく、人間の内面を本当に丁寧に描く監督だと思います。“男同士の成長”みたいな部分まで描ける監督で、本当にすごい方だと思いました。
水上 飄々としていて軽やかで、すごく童心を持たれている方だと思います。

Photography by Takahiro Idenoshita
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『TOKYO BURST-犯罪都市-』
監督:内田英治
脚本:三嶋龍朗、内田英治
出演:水上恒司、ユンホ(東方神起)、オム・ギジュン、福士蒼汰
アソシエイトプロデューサー:マ・ドンソク
製作:「TOKYO BURST」フィルムパートナーズ
製作幹事:HIAN
日本公開:2026年5月29日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
配給:KADOKAWA/BY4M STUDIO
配給協力:MAJOR9
公式サイト
©2026「TOKYO BURST」フィルムパートナーズ







