ホン・サンス監督『小説家の映画』6月30日公開決定！日本版予告編＆ポスターが解禁！

Fan's Voice Staff

2022年ベルリン国際映画祭で3年連続4度目の銀熊賞受賞を果たした名匠ホン・サンス監督の日本公開最新作『The Novelist’s Film』が、邦題を『小説家の映画』として6月30日（金）全国順次公開されることが決定し、日本版予告編とポスタービジュアル、場面写真9点が解禁されました。

人生の不思議なめぐり合わせや人間の深遠なる本質を覗かせる映像世界を発表し続けているホン・サンス監督の長編27作目となる本作は、女性アーティスト同士の幸福なめぐり合いを描いた、友愛と連帯の物語。

執筆から遠ざかった小説家ジュニ（イ・ヘヨン）と、一線から退いた女優ギルス（キム・ミニ）。予告編は、野の花を束ねているギルスがカメラに向かってほほ笑む穏やかなシーンで幕を開け、偶然の出会いから惹かれあった二人が人生の迷いを語り合い、友愛の感情が芽生えていく様子が切り取られています。ジュニは「今日偶然会ったギルスさんを主役に映画を撮りたいの」と告げ、ギルスも、小説家が映画を作ることを「斬新でいい」と意気投合。小説家と女優の人生の第二章には何が待っているのか──？

到着した場面写真では、ソウルから少し離れた閑静な町、河南（ハナム）市を舞台に、ソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ、チョ・ユニ、キ・ジュボンといったホン監督作品お馴染みのキャストも顔を揃えています。また、複雑な人間関係が生み出す高揚感と緊張感が同居するようなホン監督作品ではお馴染みの酒席シーンも切り取られています。

パク・チャヌク監督の『お嬢さん』（16年）で世界を魅了したキム・ミニは、『正しい日間違えた日』（15年）でホン・サンス監督作に初出演以降、『夜の浜辺でひとり』（17年）、『それから』（17年）など7作品に出演。ホン監督の公私にわたるパートナーでもあり、前作『あなたの顔の前に』（21年）ではプロダクション・マネージャーを担当し、本作で『逃げた女』（20年）以来の主演女優として復帰しました。

大ベテラン女優のイ・ヘヨンは、巨匠イ・マンヒの娘として生まれ、イム・グォンテク監督をはじめ多くの巨匠たちの映画に出演。初めてホン監督作に出演し主演を飾った前作『あなたの顔の前に』で2022年国際シネフィル協会賞主演女優賞、百想芸術大賞女性最優秀演技賞（映画部門）を受賞するなど、ホン監督作の新たな“顔”として国内外で絶賛を博しました。

ホン監督は本作のキャスティングについて、「まず最初にキム・ミニを主役にしようと決めました。それからこの前の映画（『あなたの顔の前に』）で一緒に仕事をしたイ・へヨンに出演してもらうことに決めました」と語っています。また、映画を構想する際、俳優と舞台を最初に設定するというホン監督の制作過程は本作でも健在。「キャスティングは映画作りで最も重要なことかもしれません。今回はイ・へヨンに会って、小説家が自分の映画を作る、というアイデアを着想しました。人と会い、その人から印象を受け取り、それに刺激され想像力とアイデアを働かせて映画を作っていくのです」と明かしています。

キム・ミニは「イ・へヨンとの仕事は俳優としてはこれが初めてでしたが、彼女が主演した『あなたの顔の前に』で私はプロダクション・マネージャーを務めています。ホン・サンスと仕事する俳優たちは、自分がどのような人物を演じることになるのかと大いに期待しています。小さな撮影チームですが、だからこそみんなで協力しあって、リラックスした雰囲気の中で撮影します。イ・へヨンはまわりにとても居心地の良い雰囲気を作り出す人で、一緒の仕事は素晴らしかったです。この映画は人間関係についての映画ですが、それについて彼女からたくさんのことを学びました」と振り返っています。

第72回ベルリン国際映画祭では「これまでにないほどパーソナル」（Indie Wire）、「奇跡のエンディング」（Film Comment Magazine）と称えられ、銀熊賞（審査員大賞）を受賞。ベルリンでは『夜の浜辺でひとり』（主演女優賞）、『逃げた女』（監督賞）、『イントロダクション』（脚本賞）に続き、3年連続4度目の受賞を果たしました。

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『小説家の映画』（英題：The Novelist’s Film）

長らく執筆から遠ざかっている著名作家のジュニが、音信不通になっていた後輩を訪ね、ソウルから離れた旅先で偶然出会ったのは、第一線を退いた人気女優のギルス。初対面ながらギルスに興味を持ったジュニは、彼女を主役に短編映画を撮りたい、と予想外の提案を持ち掛ける。かつて名声を得ながらも内に葛藤を抱えたふたりの思いがけないコラボレーションの行方は──。

監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽／ホン・サンス
出演／イ・へヨン、キム・ミニ、ソ・ヨンファ、パク・ミソ、クォン・ヘヒョ、チョ・ユニ、ハ・ソングク、キ・ジュボン、イ・ユンミ、キム・シハ
2022年／韓国／韓国語／92分／モノクロ・カラー／1.78:1／モノラル／原題：소설가의 영화／字幕：根本理恵　