『SHE SAID／シー・セッドその名を暴け』原作者より喜びのコメント到着！

Fan's Voice Staff

長年隠蔽されてきた大物映画プロデューサーの性的暴行事件を暴露し、#MeToo運動の起点となった調査報道を完全映画化した実話『SHE SAID／シー・セッドその名を暴け』の原作者であるニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターより、喜びのコメントが到着しました。

ジョディ・カンター、ゾーイ・カザン、ミーガン・トゥーイー、キャリー・マリガン Photo by Slaven Vlasic/Getty Images for Universal Pictures

映画業界を震撼させ、全世界に大きな波紋を巻き起こしたハーヴェイ・ワインスタインによる性加害事件。本作では、この事件をスクープした二人の記者による過去30年間を遡る調査の内幕が描かれます。

トゥーイーとカンターは、以前よりその見事な手腕で数多くの社会問題を暴き、世間に一石を投じてきた凄腕の記者。キャリー・マリガン演じるミーガン・トゥーイーは、2016年に当時大統領候補者だったドナルド・J・トランプによるセクハラ行為や、その他の性加害疑惑についての記事を掲載。トランプの熱狂的な支持者による脅迫を受け自らが危険な状況になりながらも、それに屈することなく調査報道を続けた強い信念の持ち主です。

またトゥーイーは、性的虐待を行っている医師と、そんな医師の営業を可能にしている仕組みや、性犯罪のDNA証拠が警察と検察の手によって握りつぶされていたという衝撃の事実を明かすなど、調査報道によって多くのサバイバー（被害に遭った女性）や子どもたちを救ってきました。

キャリー・マリガンは、断固とした姿勢と被害に遭った人々に寄り添う優しさあわせ持つトゥーイーの性格に非常に感銘を受け、本作出演の決め手になったことを明かしています。

一方、ゾーイ・カザン演じるジョディ・カンターは、2015年にアマゾン本社におけるパワハラをスクープ。2021年にはアメリカのスタテン島にある同社の倉庫の調査を行い、年間150％という驚異的な離職率に加え、給与の振り込みミスや不当な解雇の頻発など、雇用制度に深刻な問題があることを突き止めました。これらの調査報道により、アマゾンの従業員たちが労働組合結成の決議を勝ち取り、育児休暇の導入にもつながりました。

さらに、スターバックス従業員の生活が滅茶苦茶な状況になっていた自動スケジューリングシステムの問題にメスを入れたり、働く母親と母乳育児に関する報道をきっかけに全米の空港などで授乳室が開設されるなど、ジャーナリストとしてカンターが積み上げて来た功績は非常に大きく、様々な問題を明るみに出してきました。

Photo by Slaven Vlasic/Getty Images for Universal Pictures

社会を大きく動かす力がある半面、あらゆる業界の権力者と対峙し、時には世間から言われようのない非難を受けることもあるジャーナリストという仕事について、カンターはインタビューで「いま私たちが働いているのは、ジャーナリストが嫌がらせを受け、批判され、攻撃され、信頼されず、“フェイクニュース”という烙印を押される時代。ニューヨーク・タイムズは完璧ではない。ここにいるジャーナリストも完璧ではない。しかし、私たちはこの職種の真摯さとプロフェッショナリズム、そして真実を追求する神聖さを信じている」と語っています。

調査開始当初は目の前の出来事に必死で、映画化など夢にも思っていなかったという二人ですが、完成した本作についてトゥーイーは「希望と刺激をくれる映画だと感じていただけたら嬉しいです。たとえ数は少なくても勇敢な人々が、一歩を踏み出して真実を語ろうと決意すれば、こんなにも大きな変化をもたらすことができる。それをスクリーンで目の当たりにするだけでも感動しますし、さらにはジャーナリズムや、真実を語ることが持つ力を、見事に描いていると思います」とコメントしています。

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『SHE SAID／シー・セッドその名を暴け』（原題：She Said）

監督／マリア・シュラーダー
製作総指揮／ブラッド・ピット、リラ・ヤコブ、ミーガン・エリソン、スー・ネイグル
出演／キャリー・マリガン、ゾーイ・カザン、パトリシア・クラークソン、アンドレ・ブラウアー、ジェニファー・イーリー、サマンサ・モートンほか
原作／「その名を暴け―＃MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―」ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー著（新潮文庫刊）／古屋美登里訳