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2022.10.07 12:00

映画『Winny』2023年3月公開決定!ティザービジュアルが解禁!

  • Fan's Voice Staff

技術者の未来と権利を守るために権力やメディアと戦った男たちの物語を、東出昌大と三浦貴大のW主演で描く映画『Winny』が2023年3月に全国公開されることが決定し、ティザービジュアルが解禁されました。

2002年、開発者・金子勇(東出昌大)は、革新的なファイル共有ソフト「Winny」を開発し、試用版を「2ちゃんねる」に公開。彗星のごとく現れた「Winny」では、当人同士が直接データのやりとりができ、瞬く間にシェアを伸ばしていく一方で、大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出。社会問題へと発展し、次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中で、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004年に逮捕されてしまいます。

サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光(三浦貴大)は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、金子の逮捕報道を受けて、急遽弁護を引き受けることに。弁護団を結成した壇は、金子と共に裁判で逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまいます。ところが、運命の糸が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展し──。

金子役を演じる東出は、18キロの増量や、弁護士との模擬裁判を実施するなど徹底した役作りで撮影に挑んだ一方、三浦は壇本人と実際にコミュニケーションをとりながら役に向き合っていったとのこと。

監督を務めた松本優作は、自主映画『Noise ノイズ』(19年)で海外映画祭で高い評価を受け、現在公開中の『ぜんぶ、ボクのせい』で商業映画デビューを果たした新鋭。これまで現代社会で生きていくことの難しさをリアルに描いてきた松本監督は金子の考えに共鳴し、“絶対に映画にしたい”とメガホンをとりました。

2018年に起業家・古橋智史が企画した映画『Winny』は、「ホリエモン万博」の「CAMPFIRE映画祭」にて見事グランプリに輝いたプロジェクト。「CAMPFIRE映画祭」とは、応募された企画からクラウドファンディングで資金調達に成功した4組のクリエイターが、観客と審査員の前で映画企画のプレゼンを行い、審査員による投票でグランプリを決定するもので、審査員は「CAMPFIRE」代表取締役・家入一真氏、俳優の山田孝之、伊藤主税プロデューサーらが務めました。

その後、映画『Winny』はキャスト及び脚本、監督など企画の方向性を一新し、2021年に撮影され、既に完成しているとのこと。以下、コメントが到着しています。

東出昌大
夭折の天才プログラマー金子勇。生前の彼を知る方で、彼の人間性を悪く言う人は誰一人いませんでした。恨言を言わず、他人を罵る言葉を持ち合わせていなかったそうです。彼は子供のように、あるいは求道者のように、ただただプログラミングと言う名の宇宙に没入し、地平面の更に奥にあるかも知れない地点を目指したのだと思います。無謀にも金子勇さんになろうと役作りの準備をするにあたり、壇先生やご家族の皆様、多くの弁護士の先生方に多大なる御協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。金子勇の生きた証を、劇場でご覧頂けましたら幸いです。

三浦貴大
私自身、当時関心を持っていた出来事でした。報道では知ることのなかった、金子さんの人間性、当時のやりとり。
そのひとつひとつに、引き込まれる脚本でした。実際の出来事を、物語として演じると言うのは大変難しいことです。壇さんの思いを大切にしながら、ある意味、役者として客観性を保つことも大切にし、法廷のシーンなどは、壇さんにお話を聞きつつ、できる限りリアルなものにしていきました。
現場では、東出さんは、役柄への集中力が素晴らしく、壇さんからもお墨付きをもらうほどの金子さんを作り上げていました。松本監督は、最後まで粘り強く、ワンシーンずつ少しでも良くしようという情熱に溢れた方でした。
Winnyの件を知っている方も、全く知らなかった方もいると思います。
この映画は、様々な目線で見る事ができる作品です。それぞれの目線で楽しんでいただければ嬉しいです。

松本優作(監督)
金子勇さんは、現代のインターネット文化の対抗軸となるネットワークを、今から20年近く前に世界で初めて実現させていました。それは中央サーバーに頼らずとも、個人個人で助け合い生きて行く、夢のネットワーク世界です。しかし2004年の逮捕を機に、Winnyの開発は幕を閉じました。Winnyの裁判をしている最中にも、アメリカからYouTubeやiTunesなどの新しいサービスが生まれています。
もし金子さんが逮捕されなかったら、もしまだ生きていたら、今の日本は大きく変わっていたかもしれません。悔しいのは、彼のような天才が、裁判の7年によって、文字通りその未来を奪われてしまったことです。
映画という文化は、ある時代の中で、埋もれてしまった場所に光を当てることだと思います。未だ世間にさらされていない金子勇という天才技術者と、彼を支え、共に戦った壇さん始め弁護団の皆様が生きた時間に、私は光を当てたい。この映画が、わたしたち人間が、より自由に、平等に生きてゆくための試金石となることを願って。

古橋智史(企画)
この映画を企画し、CAMPFIRE映画祭でグランプリを獲ったのは今からもう5年前になります。
当時「出る杭が打たれない社会を」というテーマで、日本のテクノロジー発展に寄与したいという思いがありました。
あれから5年、映画のテーマにもなるP2P技術はブロックチェーンと、Web3として進化を遂げています。
残念ながら、まだ日本がテクノロジーで席巻するまでには至っていません。
しかし、映画製作の中で気づいたことは「出る杭を」以上に、「金子勇さんや、裁判をサポートした人達の生き様を少しでも世の中に残したい」という思いが強くなったということです。挑戦しているすべての人にこの映画をご覧頂きたいと思っています。

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『Winny』

企画/古橋智史 and pictures
原案/朝日新聞 2020年3月8日記事(記者:渡辺淳基)
プロデューサー/伊藤主税、藤井宏二、金山
監督・脚本/松本優作
撮影監督・脚本/岸建太朗
制作プロダクション/Libertas
制作協力/and pictures
出演/東出昌大、三浦貴大

日本公開/2023年3月TOHOシネマズほか全国公開
配給/KDDI、ナカチカ
公式サイト
©2023 映画「Winny」製作委員会