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2022.02.10 22:00

『ドリームプラン』ウィル・スミスの最高傑作!破天荒な父親と家族の感動物語に絶賛の声が続々

  • Fan's Voice Staff

世界最強のテニスプレーヤー姉妹、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズの破天荒な実父リチャードの驚きの実話を映画化し、第94回アカデミー賞作品賞など6部門にノミネートされた『ドリームプラン』が2月23日(祝・水)に日本公開されます。本記事では、公開に先立ち開催された試写会に参加したファンの感想とともに、本作の見どころを紹介します。

ロサンゼルスの治安の悪いコンプトン地区に住むウィリアムズ一家。ある日、テニス選手が4万ドルの小切手を受け取る姿をTVで見た父リチャード(ウィル・スミス)は、テニス未経験者ながら、子どもたちを一流テニス選手に育てるという目標を定め、娘たちが生まれる前に独学で78 ページにも及ぶ「計画書=ドリームプラン」を練り上げます。その後誕生したビーナス、セリーナに才能を見出したリチャードは、“無謀だ”と言う周囲からの言葉に躊躇することもなく、娘たちの可能性を信じ夢を追い続けます──。

グランドスラム30回制覇、オリンピック金メダル5個獲得という驚異の戦績を誇る最強テニス姉妹は、いかにして誕生したのか。その鍵を握る父リチャードをモデルにしたこの作品は、破天荒な父と献身的な家族の絆、そして2人の世界チャンピオン誕生の知られざる秘密を描いた感動作です。

知る人ぞ知る名物男。天才姉妹の成功の陰にこの父アリ!

父リチャードの知る人ぞ知る実話を発掘したのは、プロデューサーのティム・ホワイトとトレバー・ホワイト。1990年代にテニス選手だったホワイトは、リチャードの「計画書」について耳にしたことがあったといい、1999年のリプトン・チャンピオンシップ(現在のマイアミ・オープン)でのリチャードの姿は特に印象的だったと振り返ります。「私が惹かれたのは、周囲のすべての人から無理だろうと思われていた夢を、彼がもち続けていたこと」。

『ドリームプラン』の脚本を読み、破天荒な父親にすぐに夢中になったというレイナルド・マーカス・グリーン監督。「彼が言ったことは、すべてそのとおりになった。彼が語られるべきストーリーを持ったすごい人物であることに気がついた。そして私にとっては、これが映画化への着想を得た瞬間だった」と語っています。リチャードの人間味溢れる強烈なキャラクターは、まさに映画的!

南部の人種差別が激しい土地に生まれたリチャードは、内面に怒りを抱えながら、まだ白人の特権的社会だった当時のテニス界に果敢に挑んでいきます。『ドリームプラン』は、単なるサクセスストーリーではなく、家族を守ろうとする父親の話であり、何よりも心をひとつにして夢を実現する家族の物語です。

アカデミー賞最有力候補、ウィル・スミス史上最高の演技!

人気・実力ともにハリウッドのトップを極めるウィル・スミス。この物語に惚れ込み映画化を熱望し製作にも名を連ね、自ら演じたリチャード役はキャリア史上最高の演技との呼び声が各方面から上がっています。

スミスは、「役を理解するために俳優の経るプロセスは本当に不思議で、何がその役に入り込めるきっかけになるかのかわからない」「リチャードの役の場合、僕の実娘ウィローとのつながりが、役づくりのきっかけとなった。ウィローとの関係や彼女のキャリアを活かすことで、僕はリチャードがビーナスやセリーナとの間に築いた距離感を見いだすことができた」と語っています。

時に独善的と思えるほどの信念を持つ、愛情深く複雑でユニークなリチャードは、テニス界では知る人ぞ知る存在。実在の人物を演じるにあたってスミスは、特殊メイクを施し、スターの存在感を消すことによって見事演じきりました。

本作の演技が高い評価を得ているスミスは、今シーズンの賞レースでも快進撃を続けており、第28回SAGアワード(全米映画俳優組合賞)、第79回ゴールデングローブ賞ドラマ部門で主演男優賞を受賞、さらに第94回アカデミー賞主演男優賞にノミネートを果たしました。2001年に『ALI アリ』、2006年の『幸せのちから』に続く3度目のノミネートとなり、オスカー初受賞に期待がかかっています。

本物のような家族を築いた珠玉のキャスティング

愛情溢れる家族の物語である本作で、強烈な夫リチャードとともに5人の娘たちを育てるパワフルな母親オラシーンを演じたのは、アーンジャニュー・エリス。エヴァ・デュヴァーネイ企画のミニシリーズ『ボクらを見る目』(19年)でエミー賞最優秀主演女優賞(ミニシリーズ部門)にノミネートされた実力派のエリスは、家族に献身的な愛情を注ぎ時に暴走しがちな夫リチャードを叱咤する強さを持った聡明な母親を見事体現し、第94回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。

父の期待を背負いみるみる頭角を表し、14歳でプロになる若き日のビーナスを気迫と初々しさを持って演じたのは、サナイヤ・シドニー。デンゼル・ワシントン監督のアカデミー賞ノミネート作『フェンス』(16年)や『ドリーム』(16年)で注目された新進俳優です。

姉の陰で隠れながらもひたむきな闘志を感じさせる、ブレイク前のセリーナを演じるのは、ミュージカル出身の新鋭デミ・シングルトン。グリーン監督が「本物の家族のようだった」というほど温かい雰囲気を持った俳優たちのアンサンブルは、本作の見どころのひとつです。

LAプレミアにて

ウェアからプレイスタイルまで、90年代のテニス界をリアルに表現

美術のウィン・トーマスや衣装のシャレン・デイヴィスといった秀英が結集し、舞台となっている80年代後半から90年代のテニス界を再現しているのも本作のポイント。衣装チームはテニスウェアやシューズ、ラケットなど当時のものを探し出したり、当時のデザインそのままに作り直し、撮影ロケ地では、美術チームがリサーチによって得た情報に基づき、限りなく当時の雰囲気を再現しました。

ジョン・マッケンローやマルチナ・ヒンギスなどのスター選手や、パワーテニスの幕開けといった、その時代のテニス界がリアルに描かれているところも見逃せません。

エンディングテーマでビヨンセもエンパワーメント!

ビヨンセ「Be Alive」

ビーナス&セリーナ・ウィリアムズも製作総指揮に名を連ねる本作をゴージャスに引き立てるのは、グラミー賞累計28回の受賞を誇るビヨンセが歌うエンディングテーマ「Be Alive」。ビヨンセはウィリアムズ姉妹の試合をたびたび観戦したり、セリーナの結婚式に出席したりと普段から親交が深いことで知られています。本作のために作詞家のディクソンとともに書き下ろした力強いメッセージを放つ新曲は、まさにビヨンセならでは。ビヨンセは「Be Alive」により、第94回アカデミー賞歌曲賞に初ノミネートを果たしました。

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『ドリームプラン』(原題:King Richard)

製作/ウィル・スミス、ティモシー・ホワイト、トレバー・ホワイト、セリーナ・ウィリアムズ、ビーナス・ウィリアムズ
監督/レイナルド・マーカス・グリーン
脚本/ザック・ベイリン
撮影/ロバート・エルスウィット
出演/ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン、トニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサル

日本公開/2022年2月23日(祝・水)より全国ロードショー
配給/ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
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