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2021.06.04 7:00

『モロッコ、彼女たちの朝』8月公開決定!日本版予告編&ポスター解禁

  • Fan's Voice Staff

第92回アカデミー賞モロッコ代表作『Adam(英題)』が、邦題を『モロッコ、彼女たちの朝』として8月に全国公開されることが決定!日本版予告編とポスタービジュアル、場面写真13点が解禁されました。

予告編は、アラブ音楽にのせ、ふたりの女性の出逢いから幕を開けます。カサブランカのメディナ(旧市街)で、行くあてのない妊婦のサミアを家に招き入れた、女手ひとつでパン屋を営むアブラ。孤独を抱えた二人は、モロッコの伝統的なパン作りを通して互いに心を通わせていきます。「お腹の子は私と居ても幸せになれない」と嘆くサミアに、「後悔する別れだけは選ばないで」と過去の喪失を打ち明けるアブラ。運命に翻弄されながらふたりの女性の人生が再び動き出す、始まりを感じられる予告となっています。

場面写真では、ふたりが粉の様子を確かめながらパンを作ったり、エキゾチックなインテリアの部屋でサミアが赤子を見下ろす姿、アブラと娘のワルダがキッチンで夕食の準備をするシーンなど、パン屋で起こる人間ドラマを垣間見ることができるほか、カサブランカの旧市街らしい白壁と細い路地を歩くサミアや繊細な幾何学模様が素敵な壁紙といった、モロッコの色とりどりの景色が切り取られています。

新星マリヤム・トゥザニ監督が、過去に家族で世話をした未婚の妊婦との思い出をもとに作り上げた本作。家父長制の根強いモロッコ社会で女性たちが直面する困難と連帯を、フェルメールやカラヴァッジョといった西洋画家に影響を受けたという質感豊かな色彩と光で描き、「飾り立てず、それでいて芸術的」(The Age)、「心打たれる」(Los Angeles Times)、「繊細な絵画のよう」(World Film Reviews)、「美しさと強さを兼ね備えた映画」(euronews)と、2019年のカンヌを皮切りに世界中の映画祭で喝采を浴びました。現在までにアメリカ、フランス、ドイツなど欧米を中心に公開。なんと、日本でモロッコの長編劇映画が劇場公開されるのは本作が初めてのこと。女性監督初のアカデミー賞モロッコ代表に選ばれるなど、長編デビュー作ながら快進撃が続いています。

製作・共同脚本を手がけるのは、アラブ圏を代表する映画監督の一人で、トゥザニ監督の夫でもあるナビール・アユーシュ。主演を務めたのは、『灼熱の魂』で世界各国の映画賞を受賞し、一躍注目を集めたルブナ・アザバルと、日本初紹介のニスリン・エラディ。アラブやヨーロッパを拠点に活躍する人気女優のふたりの共演は、「素晴らしい演技」(Screen)、「言葉よりも一つ一つの仕草が彼女たちを物語る」(Los Angeles Times)と絶賛されました。

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『モロッコ、彼女たちの朝』(英題:Adam)

臨月のお腹を抱えてカサブランカの路地をさまようサミア。イスラーム社会では未婚の母はタブー。美容師の仕事も住まいも失った。ある晩、路上で眠るサミアを家に招き入れたのは、小さなパン屋を営むアブラだった。アブラは夫の死後、幼い娘のワルダとの生活を守るために、心を閉ざして働き続けてきた。パン作りが得意でおしゃれ好きなサミアの登場は、孤独だった親子の生活に光をもたらす。商売は波に乗り、町中が祭りの興奮に包まれたある日、サミアに陣痛が始まった。生まれ来る子の幸せを願い、養子に出すと覚悟していた彼女だが……。

監督・脚本/マリヤム・トゥザニ
出演/ルブナ・アザバル、ニスリン・エラディ
2019年/モロッコ、フランス、ベルギー/アラビア語/101分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/
日本語字幕:原田りえ

日本公開/2021年8月、全国公開
提供/ニューセレクト、ロングライド
配給/ロングライド
©︎ Ali n’ Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions