News

2020.07.07 12:00

セザール賞2冠『パピチャ 未来へのランウェイ』10月30日公開決定!日本版予告編&ポスター、場面写真5点が解禁

  • Fan's Voice Staff

昨年のカンヌ国際映画祭・ある視点部門に正式出品され大きな話題となった映画『Papicha』が、邦題を『パピチャ 未来へのランウェイ』として10月30日(金)より全国公開されることが決定!日本版予告編とビジュアル、場面写真5点が解禁されました。

本作は、物語の舞台であるアルジェリアに17歳まで暮らし、この映画が長編映画監督デビュー作となるムニア・メドゥール自身の経験から生まれた物語。アルジェリアで1991年に始まった内戦、いわゆる<暗黒の10年>を舞台に、イスラム原理主義による女性弾圧の真実を、ファッションデザイナーを夢見る少女の視点で瑞々しく描きます。タイトルの“パピチャ”とは、アルジェリアのスラングで“愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性”という意味です。

予告編では、大学寮の門限を破ってナイトクラブに繰り出し、仲間たちのドレスの注文を受ける主人公ネジュマの生き生きとした姿を映し出されています。しかし、街にイスラム原理主義がはびこる中で、ところかまわず“女の正しい服装”の強制や外国語教育に対する弾圧など横暴が加速。ボーイフレンドからは共に国外脱出を促されますが、祖国を愛するネジュマは「ここには私の全部がある」と譲りませんでした。そんなネジュマをある悲劇が襲い、準備に向けて動き出したファッションショーも中止に追い込まれてしまいます。深く傷つきながらも「いいえ、皆で輝くの」と、自分たちの自由と未来のために闘おうとするネジュマと仲間たちの行く末とは──。

第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された本作は、全編にほとばしるそのエネルギーで世界を圧倒。媚びず、流されず、自らのために立ち向かう少女達の力強さは観客に勇気を与え、性差による抑圧に対する解放の賛辞だとして話題を呼びました。ところが、昨年12月に大統領選を控え政治情勢が不安定となっていた本国アルジェリアでは、昨年9月に実施が予定されていた先行上映が当局によって説明なしに中止され物議を醸す事態に。世界がコロナ禍に見舞われる直前の2020年3月時点で、本国での公開には至っていません。

第92回アカデミー賞では、同年9月30日までに本国での上映が必要というエントリー要件を満たさないとして国際長編映画賞への代表選出を危ぶまれましたが、政府からの圧力があったと制作陣が訴え、最終的に特例措置でアルジェリア代表として認められ選考に進むことが許可されました。その後も第45回セザール賞では新人監督賞を受賞するなど、世界各地で高く評価されています。メドゥール監督は、本作に寄せて「この映画が、女性たちの心の扉を開き、声を上げるきっかけになることを願ってやまない」とコメントしています。

夢であるファッションデザインを通じて愛する祖国の現実と向き合うことになる主人公ネジュマを演じたのは、アルジェリア出身のリナ・クードリ。今年の第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションに出品されたウェス・アンダーソン監督最新作「The French Dispatch」ではティモシー・シャラメの相手役として、2021年フランスで公開予定のDIOR全面協力映画『Haute Couture』では主演への抜擢など、注目作への出演が続くブレイク間近の新進女優です。未来を自分の手で掴み取ろうと奮闘する “パピチャ”を体現した魂の演技で、セザール賞で有望若手女優賞を受賞しました。

==

『パピチャ 未来へのランウェイ』(原題:Papicha)

1990年代、アルジェリア。ファッションデザインに夢中な大学生のネジュマはナイトクラブで自作のドレスを販売している。夢は、世界中の女性の服を作るデザイナーになること。だがイスラム原理主義の台頭によりテロが頻発する首都アルジェでは、ヒジャブの着用を強制するポスターがいたるところに貼られるように。従うことを拒むネジュマはある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来のため、立ちはだかる障害と死の匂いに屈せずに命がけでファッションショーを行うことを決意する―。

監督/ムニア・メドゥール
出演/リナ・クードリ、シリン・ブティラ、アミラ・イルダ・ドゥアウダ、ザーラ・ドゥモンディ
2019年/フランス・アルジェリア・ベルギー・カタール/スコープサイズ/109分/アラビア語・フランス語・英語/映倫G

日本公開/2020年10月30日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
配給/クロックワークス
公式サイト
© 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS – JOUR2FETE – CREAMINAL – CALESON – CADC