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2020.07.06 8:30

『パブリック 図書館の奇跡』ホームレスが図書館を占拠する本編シーンが到着! “今だからこそ観るべき”絶賛コメントも続々

  • Fan's Voice Staff

エミリオ・エステベス監督作『パブリック 図書館の奇跡』より、大寒波を凌ぐためにホームレスが団結して図書館を占領する本編シーン映像と、 “今だからこそ観るべき”という各界の著名人からの絶賛コメントが到着しました。

解禁された映像は、大寒波の夜、シンシナティの公共図書館で閉館直前にホームレスたちのリーダー的存在であるジャクソン(マイケル・ケネス・ウィリアムズ)が、図書館員スチュアート・グッドソン(エミリオ・エステベス)に、市のシェルターがいっぱいで行き場がないことを訴えるシーン。かつては軍人として国のために尽くしてきたのに、国からの保障がなく路頭に迷う現状を嘆くジャクソン。「今夜は帰らない ここを占領する」と相談されたグッドソンは、「占領?本気か。この寒さが来週も続いたら?」とさらっと聞き流します。ジャクソンはすかさず真剣な表情で、「市のお偉い方は シェルター不足を分かってる。キリスト教徒を名乗りながら 知らん顔だ」と批判。グッドソンに無謀な行動を咎められると、経済格差の不満に端を発したウォール街での占拠運動を引き合いに出して、「俺たちもやる」と一歩も退かない様子。グッドソンが「“俺たち”?」と怪訝そうな顔でジャクソンの視線の先を追うと…そこにはホームレス約70人の集団がいたのでした…!目の前の光景に動揺しながらも、事態の重大さを察し急いでエレベーターへと駆けていくグッドソン。突如発生した立てこもりがどんな展開を見せるのか、続きが気になるシーンとなっています。

“明日を生きるために声をあげた”彼らを描いた本作。各界の著名人から“今だからこそ観るべき”という絶賛・応援コメントが続々到着しています(順不同・敬称略)。

古舘寛治(俳優)
格差、人種問題、権力の横暴とその暴力、それを許す硬直した社会システム、まともに機能しないマスコミ。これでもかと我々が共有する現代の社会問題を、図書館一か所を舞台に描いた(製作、監督、脚本、主演!)のは往年のアイドルスター。そのハリウッド俳優の成熟さ。かっちょいい。
※古舘の「舘」の字が正式には外字の「舎」「官」となります。

津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
1955年にローザ・パークスが撒いた種は公民権運動という花を咲かせた。その後何度も枯れそうになった花は、2020年のいま世界中で大輪を咲かせようとしている。2020年のBLM運動がこの映画を決定的に重要なものに変えたのだ。

佐久間裕美子(文筆家)
世界一リッチな国なはずなのに、家を持てない人たちがいる。屋根のある建物は十分あるのに、真冬、暖のある場所で眠れない人たちがいる。エミリオ・エステベスが11年をかけて実現したというこの映画に、オキュパイ・ウォールストリート、反トランプ抵抗運動、#blacklivesmatterと受け継がれてきた、システムによる不正義に対抗する市民不服従の精神を見る。

稲葉剛(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事)
「図書館が閉まって、昼間の居場所がなくなった」緊急事態宣言が発令された今年4月、知り合いの路上生活者に「今、困っていること」を尋ねると、そんな答えが返ってきた。「図書館とホームレス」は、ここ日本でも関係者の間で議論の的となってきた経緯がある。“STAY HOME”が呼びかけられる中、家がない人にどう向き合うのか。この物語の登場人物とともに、笑いながら頭を悩ませてほしい。

茂木健一郎(脳科学者)
図書館がみんなにとっての「居場所」であるという大切な「気づき」の映画。「本」が人を結ぶ絆の真ん中にあるという骨太のメッセージが素敵。難しい時代だからこそ、言葉を通して人がわかりあえるその可能性を信じたい。

ロバート・キャンベル(日本文学研究者)
世界各地で声高に訴えられている人種と貧困の問題を、静かなはずの図書館を舞台に、丁寧かつスリリングに展開させた「アクション」満点の一本。今観ておきたい、面白くて学べる映画です。

いしいしんじ(作家)
本の壁に守られて一夜を過ごす。どんな凍てつく吹雪にさらされようとも、大切な物語が一さえあれば、胸の灯火はほのかに輝きつづける。

花田菜々子(書店員/ブックストア・エイド基金運営事務局メンバー)
書店員も図書館員も慈善事業じゃない。でもいつでも弱者の側にいたいと思う。たくさんの本が私に、弱く生きる人々の美しさを教えてくれたからだ。

山崎ナオコーラ(作家)
いま、観るべき映画だ。差別とは何か? 公共性とは何か? 本は何のためにあるのか? いまの時代に考えるべきことがすべて詰まっている。大傑作だ。

木村草太(憲法学者)
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」(憲法12条)。PUBLICは、案外、壊れやすい。PUBLICの生成・維持のため、それぞれ努力する人々の姿にワクワクした。

安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
「俺たちは声をあげた」…そんな彼らの言葉に、「次はあなたの番だ」と語りかけられた気がした。「この映画を観たあなたは何をするのか?」と。

亀石倫子(弁護士)
誰かと誰かの権利がぶつかり合うとき、もっとも弱く、声の小さい者に寄り添えるのは誰か?警察でも、政治でも、メディアでもない。私たち、市民だ。小さな声が集まり、やがて社会を動かす。

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『パブリック 図書館の奇跡』(原題:The Public)

米オハイオ州シンシナティの公共図書館で、実直な図書館員スチュアート(エミリオ・エステベス)が常連の利用者であるホームレスから思わぬことを告げられる。「今夜は帰らない。ここを占拠する」。大寒波の影響により路上で凍死者が続出しているのに、市の緊急シェルターが満杯で、行き場がないというのがその理由だった。約70人のホームレスの苦境を察したスチュアートは、3階に立てこもった彼らと行動を共にし、出入り口を封鎖する。それは“代わりの避難場所”を求める平和的なデモだったが、政治的なイメージアップをもくろむ検察官の偏った主張やメディアのセンセーショナルな報道によって、スチュアートは心に問題を抱えた“アブない容疑者”に仕立てられてしまう。やがて警察の機動隊が出動し、追いつめられたスチュアートとホームレスたちが決断した驚愕の行動とは……。

製作・監督・脚本・主演/エミリオ・エステベス
出演/アレック・ボールドウィン、テイラー・シリング、クリスチャン・スレイター、ジェフリー・ライト、ジェナ・マローン、マイケル・ケネス・ウィリアムズ、チェ・“ライムフェスト”・スミス
2018年/アメリカ/英語/119分/スコープ/5.1ch/日本語字幕:髙内朝子

日本公開/2020年7月17日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
提供/バップ、ロングライド
配給/ロングライド     
公式サイト
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