池松壮亮主演!鬼才・塚本晋也が初めて挑む時代劇『斬、』
- Fan's Voice Staff
『鉄男』や『六月の蛇』、『野火』などで国際的にも高い評価を得て来た鬼才・塚本晋也が初めて時代劇に挑んだ『斬、』。
今年9月に開催された第75回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出された本作は、審査員長のギレルモ・デル・トロから「塚本監督の暴力、身体、そして“存在すること”に対する描写は、昔から個人的に大ファンで、私にとって今作は、強く語りかけてくるような美しい映画だと思いました。非常に伝統的な様式と新しい側面が混在する、とてもパワフルな映画」と絶賛されました。
物語の舞台は、江戸末期。250年間戦いがなく、藩から離れた流浪の武士が多かった時代。浪人となった武士の都築杢之進(池松壮亮)は、江戸近郊の農村で農家の手伝いをしながら食い繫いでいた。ある日、隣の農家の息子の市助(前田隆成)やその姉のゆうとともに、果たし合いを目撃したことをきっかけに、剣の達人である澤村(塚本晋也)と知り合う。都築の剣の腕前を認めた澤村は、江戸で仲間を集めて京都の動乱に参戦するという計画に都築を誘うが、その頃、村には無頼の浪人集団が流れ着く……。
「一本の刀を過剰に見つめる若い浪人」の姿がずっと頭の中にあったという塚本監督は、戦争の極限状態におかれた人々の姿を描いた『野火』の後、“刀”というシンプルな武器に向き合う青年と彼を取り巻く人々を通して、再び、生と死の問題を取り上げています。
時代劇でありながら、今という時代に通じる主人公・都築の葛藤は、まさに現代の若者のそれに重なります。
主演は、今最も注目される若手俳優、池松亮介。主人公に思いを寄せる隣家の娘ゆうを演じるのは、若手演技派の蒼井優、その弟役にはオーディションにより映画初出演となる新人、前田隆成が抜擢されました。
また、主人公を翻弄する剣の達人、澤村は塚本監督本人が演じています。巨匠マーティン・スコセッシの『沈黙‐サイレンス‐』など、俳優としても国際的に活躍する塚本の怪演も見どころのひとつです。
ギレルモ・デル・トロ絶賛の『斬、』の日本公開は、11月24日(土)より。
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『斬、』
監督、脚本、撮影、編集、製作/塚本晋也
出演/池松壮亮、蒼井優、中村達也、前田隆成、塚本晋也
2018年/日本/80分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー
製作/海獣シアター
日本公開/2018年11月24日(土)よりユーロスペースほか全国公開!
配給/新日本映画社
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