Column

2018.11.23 21:30

【インタビュー】”ナギ二”を演じたクローディア・キムに聞く、ファンタビ最新作の鍵を握る新キャラの役割とは?

  • Fan's Voice Staff

エディ・レッドメイン主演、キャサリン・ウォーターストン、エズラ・ミラーら豪華キャスト共演で2016年に大ヒットした『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。社会現象を巻き起こした“ファンタビ”の最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が11月23日より全国公開されました。

 

クリーデンス(左から2番目)とナギニ(左から3番目)

 

本作で『ファンタビ』シリーズ初登場となるナギニは、マレディクタス(自らの意志と関係なく動物に変身してしまう”呪われた血”の女性)の一人。普段は美しい若い女性の姿をしてますが、魔法サーカスの残虐なオーナー・舞台監督のスケンダーが、彼女の蛇に変身する力を悪用しています。

 

「ハリー・ポッター」では、ヴォルデモート卿に仕える蛇として登場しましたが、本作ではその謎が明かされるのではないかと、公開前から注目を集めていました。

 

Fan’s Voiceでは、本作のジャパンプレミアのために来日した、ナギニ役のクローディア・キムにインタビューしました。

 

 

──昨晩のジャパンプレミアはいかがでしたか?

「みなさんの熱がこもってて、素晴らしかったです。日本のハリー・ポッターファンが熱狂的であることや、ロンドンのスタジオツアーに参加する人の大多数が日本人だということは聞いていました。それを知っていたので、プレミアは大変な盛り上がりになると思っていましたが、本当にそうでしたね」

 

 

──今回の役について、J.K.ローリング(以下、J.K.)からどんな話をされましたか?

「最初に彼女に会ったのは、読み合わせの時でした。遠くから彼女を見ていたのですが、頭の天辺からつま先まで本当に美しい人だと思っていました。光り輝くオーラが出ている感じがしましたよ。彼女はこのユニバースを作った”女神”ですからね。そしてその後、化粧室で彼女に鉢合わせたのです。手を洗っていて見上げたら、鏡に彼女が映っていて。”ハイ、ハロー”と声をかけてくれたのですが…、”握手したいのに手が濡れていて…”という瞬間でした。

 

J.K.はナギニのことが大好きだといつも話しています。”本当に愛している”と。それから、私のオーディションテープがすごく気に入ったと言ってくれて。これは私にとって非常に意味のある大切なことでした。ですので、どのようにこのキャラクターを演じるか指導されるというよりは、デイビッド(・イェーツ監督)とJ.K.は、私たちがどんな風に演じるのが自然か、自分たちに自信を持って探らせてくれている感じがします」

 

──それは自分で模索しているのですか?ナギニの背景などを尋ねたりしましたか?

「いいえ、主に私、デイビッド、そしてクリーデンスで作り上げました。ナギニはインドネシアのジャングルで捉えられ、家族とも離れ離れにされてしまったと私は思っています。彼女はいわばサーカスの囚人で、逃げ出すこともできたかもしれませんが、自身が持つ力をどうやって使えばいいのかが、わからなかったのかもしれません。ですので、彼女にとってクリーデンスは希望の象徴のような存在なのです。二人が、自分の中にいる”ビースト”を解き放つよう、互いを勇気づけ励ましあうのは興味深いことだと思います。これは私たちが考えたことです。ですがそれ以外ついては、まだ謎のままです。彼女がどのようにしてハリー・ポッターシリーズに出る蛇になるのか、私たちは知りません」

 

──まだJ.K.から明かされていないんですね。

「そうなんです。彼女は次の映画のヒントはくれましたがね。私たちみんなに、ちょっとずつヒントを与えてくれるのです。“本当は言っちゃいけないんだけどね、でもね……”といった具合に。ライターとして彼女は楽しくて仕方なく、自身が描くキャラクターに非常にワクワクしているのです。

 

エディと話していたら、彼は次回作のタイトルを知っていることがわかったんです。”待って、私は聞いてないよ”という感じです。そして、”お互い知ってることを話そうか……”となります」

 

──みんながそれぞれが、ちょっとずつ情報を持っているわけですね。

「はい。そしてその秘密の全てを守るという義務を、私たち全員が共有しています。例えば、私は”ナギニ”について話せなかったのですが、そのためダンは、(昨晩のプレミアでの会話にあったように)今でも”ナギニって言っていいんだっけ?”って聞いてくるのです。”もちろん大丈夫よ”と私たちは返しました。互いに確認しあっているのです」

 

──次作のタイトルはご存知ですか?

「いいえ、その話をした時はインタビュー中で。後でエディを呼んで尋問しないといけませんね……(笑)」

 

 

──ナギニは、このシリーズでどういう役割を担っているのでしょうか?

「本作で言えば、このキャラクターの導入として描かれています。ナギニは非常に複雑で、感情的葛藤を抱える、美しくも脆い人物です。クリーデンス同様、彼女は自分の居場所や、人間として自身に残された時間がどのくらいあるのか知りたく、助けになる人を求めているのです。”完治”する方法を求めているのかもしれませんが、彼女はそのことは脇において、自分を犠牲にしてまでも、クリーデンスと共にすることを選びます。それは、クリーデンスがもたらす自由を、彼女がありがたく思っているからなのだと思います。彼女のこの決断は、クリーデンスにとっても大きなインパクトがあります。こうした二人の関係が構築されるのは、非常に魅力的だと思います。ですがこれは、この映画の全てのキャラクターにあてはまる、全員共通のテーマだと思います。みんなどこかで、自分のアイデンティティを追い求めていて、自身が持つ力を探ったり否定しています。ですが二人の関係は、その状態から自身を解き放つのを助けてくれる人との関係や友情を大切しようということの表れだと思います」

 

 

──クリーデンス役のエズラ・ミラーとの共演はいかがでしたか?

「エズラは素晴らしいです。最後に彼と会ったのは数日前なのに、もう恋しいです。彼はとても楽しくて、いろいろな意味で普通とは違った、才能が溢れる人です。デイビッド(監督)は、映画の中で私とエズラが登場した瞬間から、二人の関係が伝わらないといけないと言いました。ですので、エズラは私のことをがんばって知ろうとしてくれました。

 

夏至の時、ロンドンのとある森の奥で行われる儀式があるのですが、エズラと彼の友人に連れられて、一緒に行きました。真っ暗な森に入っていく冒険で、履いていたディオールの靴はダメになってしまいました。互いに支え合わなければいけないような状況だったので、”あなたを信じるしかないけど、行く”といって行きましたが、ある意味、私はとても勇敢だったと思いますよ。着いてみると、焚き火があって、踊ったり、太鼓を叩いたり、チャント(唱和)をあげたりと、神秘的で不思議なことをする人たちがいて、まさにサーカスにいるような感じがしました。興味深いことに。普段は全くできない体験でした。それ以降は互いにいろんなことをシェアしています。エズラは、実際の魔法の歴史を知るためにパリに行った時のこと、魔法の証拠品を見にパリの博物館に行った時のことを教えてくれたりしました」

 

──森に行ったのは、いつですか?

「撮影の直前、去年の夏のことです。”夏至の儀式のやつ、行ったことある?’とエズラに聞かれ、”そんな集まりは行ったことがない”と返すと、”じゃあ、行こう。ロンドンは魔法絡みのことが起きた、魔法界のハブのような場所だよ。きっとスピリチュアルで良い体験になるよ。”と言ってくれて、一緒に行きました」

 

 

──ところで、あなたはもともとハリー・ポッター、ファンタビのファンだったのですか?

「『ファンタビ』前作は少なくとも5回観ましたよ。今回のオーディションとは関係なく、ただ気に入った作品だったからです。ハリー・ポッターの原作本も、発売と同時に英語で読みました。全く違った世界に連れて行ってくれるんです。私はギリシャ神話にとても興味があったのですが、魔法や神話といったものは非常に奥深くて興味深い、好きなテーマですね。なので、ハリー・ポッターにはとてもインスパイアされたし、映画もすべて観ていますよ。死といった暗い側面も描かれる後半の作品が特に気に入っています。私はハードコアなファンと言っていいと思います。でも、エズラほど細かくは覚えていませんよ。私のほうが歳上なのに!彼は”歩く事典”で、なんでも答えてくれるので、現場ではとても役に立つんです」

 

──エズラからは、ナギニについてどんな助言をもらいましたか?

「エズラとはいろいろなことについて議論しましたが、興味深いことに、私たち二人には心の絆があって、ナギニが考えていること、クリーデンスが考えていることを、言葉に置き換える必要がありませんでした。それ以外で言うと、事実確認をとりたいときは、”これって合ってる?”という具合に、みんないつもエズラに聞いていました。彼は本当にハリー・ポッターの知識がすごいので」

 

──撮影で最も印象に残ったことは?(※次の回答のみ、本作に関する若干のネタバレが含まれます)

「たくさんあるのですが……あのサーカス会場にいることはとっても気に入っていました。”好き”という言葉はふさわしくないかも知れませんけど。観衆に囲まれたあの檻の中で、大声や叫び声を浴びせられた時、ナギニになったような感じがしました。あのようなひどい形で人々から見物されること、そしてあんな狭い檻の中に人間を閉じ込めること自体がどういうことなのかを、感じることが出来ました。あの細いトンネルを抜けて檻に入った時、重たさと悲しさに襲われる瞬間がありました。そしてナギニは、パフォーマーとして毎日これを経験しなければならなかったのです。非常に印象に残る瞬間でした。特に彼女は、その状況下で蛇を”解き放つ”のですから。ただ私の中で、ナギニが自分の意志で蛇になるのか、蛇に乗っ取られてしまうのか、まだはっきりしていません。ですがあの場面で姿を変える時、彼女はクリーデンスと目を合わせます。”よし、やるぞ。一緒にやるんだ”と言っているようで、そして二人は逃げ出し、彼女は蛇になったのが、強く記憶に残っています」

 

 

──もしホグワーツに入学したら、どの寮に組み分けされると思いますか?どの寮を希望しますか?

「”テスト”を2回受けました。1回目は急いでやってレイブンクローになったのですが、きちんとやらないとと思いもう一度やってみると、グリフィンドールになりました。グリフィンドールが好きなので、とても嬉しかったです。でもこっそりですが、スリザリンになりたいとずっと思っていました。スリザリンはとにかくクールなので。ナギニはホグワーツの寮には入らないと思いますけど、彼女(蛇)は寮のシンボルになっていますよね(笑)。スキルと力強さを兼ね備えていると思うのでスリザリンになりたかったのですが、私は違うようです」

 

──ハリー・ポッターの中から、ファンタビに登場して欲しいキャラクターは?

「(悲しい声で)ドビーーーーー。ドビーが死んだ時、とても悲しかったです。私だったら、彼に靴下は渡さずに、”側にいて”と言います。ファンタビにドビーが登場したら最高です。それから、時系列的に合うかはわかりませんが、ベラトリックス。彼女(ヘレナ・ボナム=カーター)は素晴らしい役者ですし、映画でのベラトリックスは、その極悪さと並ぶくらいに美しいので、登場してほしいです。あとは、ハグリッドも。彼とはバタービールを呑みながら、ホグワーツやハリー・ポッターの話をしたいです。この3つですね」

 

──その希望はJ.K.には伝えましたか?

「いいえ、まだ(笑)。驚いたのは、この前のパリ・プレミアのステージで彼女に会った時に挨拶したら、”ちょうど今日あなたのストーリーを書いていたのよ”と言ってくれて。”なんですって!”という感じだったのですが、ステージ上だったのでそのまま話を続けることができず。でも、本当にびっくりな話だと思いませんか?プレミア当日に、私の役のストーリーを書いてくれていたなんて。最高です」

 

──今後のナギニで気になることは?

「どのようにしてパーセルタング(蛇語)を話すようになるかですね。もしパーセルタングが彼女を乗っ取ってしまうのなら、彼女はこれまで通り普通に話しているつもりなのに、パーセルタングになってしまうのか。それとも、このスキルを教える誰かがいるのか。あとは、彼女がホグワーツと何かしらの絡みが出てくるのか。クリーデンスを見つけられるのか。そして、トム・リドルとはいつ出会うのか。もしトム・リドルの幼少期だったのなら、なにかしらの興味深い関係を共にするのかどうか」

 

──今後、ダンブルドアとの絡みは出てくると思いますか?

「わかりません。わかりませんね。でも、まだナギニは登場したばかりです。5作シリーズの、2本目です。明かされていない彼女の物語がまだまだたくさんあります。それを私は楽しみにしていますし、J.K.とデイビッドを完全に信頼しています。彼女が私たちの知る蛇になるまでの、ファンも満足できる素晴らしいストーリーを、二人は用意してくれるでしょう。これまで目にしてきた”蛇”の姿が、ナギニの一部分に過ぎないということは、本当に驚きですね」

 

──『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でマーベル・シネマティック・ユニバースに加わり、本作で魔法ワールドに参加したわけですが、ハリウッドのこうした巨大シリーズで、アジア人女優として活躍していることを、どう感じていますか?

「最高です。本当に素晴らしい2つのフランチャイズで、非常に有り難く思っています。まったく夢にも思っていないことでした。この前Twitterで古い投稿を眺めていたら、スタン・リーがJ.K.にコラボしようと話しかけているツイートがありました。見たことがあるかはわかりませんが、まだ上がっていますよ。自分がこの壮大な、でもとても異なる2つのフランチャイズの両方に関わる機会があったというのは、とても興味深いことです。それから、ナギニがずっとアジア人のキャラクターの設定とされていたことも、嬉しく思っています。私は、変化のきっかけになって欲しいと思いから、アジア人の設定でないオーディションも受けるようにしています。一方で、アジア人だったはずの役が、オーディションの後に白人で決まったことも何度もありました。こうした体験があったので、今作のような形でハリウッド作に登場出来るのは非常に素晴らしいことで、責任も感じています。特にナギニは、ダイバーシティ目的で盛り込まれたキャラクターではないと思うので、非常にワクワクしています。彼女は、しっかりとした物語がある、大きな存在です。ですので、これまで応援してくれているアジアのファンのサポートにしっかり応えられることを願っています」

 

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『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(原題:Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald)

シャイでおっちょこちょいな魔法動物学者ニュートに、最強の敵が登場!ある日、ニュートは魔法界と人間界を脅かす「黒い魔法使い」グリンデルバルドが逃げ出したことを知る。ホグワーツの恩師ダンブルドア先生から彼を追うことを託されたニュートは、仲間や魔法動物たちとともにパリへ向かう。パリではグリンデルバルドが言葉巧みに賛同者を増やし、勢力を広げていた。そしてその手はついに仲間たちにまで‐‐‐。果たしてニュートと仲間たちはこの最大の危機から世界を救えるのか!?

 

監督/デイビッド・イェーツ
脚本/J.K.ローリング
プロデューサー/デイビッド・ヘイマン
出演/エディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、エズラ・ミラー、ゾーイ・クラヴィッツ、カラム・ターナー、クローディア・キム、ウィリアム・ナディラム、ケビン・ガスリー、カーメン・イジョゴ、ポピー・コービー=チューチ、ジュード・ロウ、ジョニー・デップ

 

日本公開/2018年11月23日(金・祝)全国ロードショー 3D/4D/IMAX 同時公開
配給/ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
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Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights ©J.K.R.