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2018.05.20 7:16

第71回カンヌ国際映画祭閉幕!最高賞パルム・ドールは是枝裕和監督の『万引き家族』に!

  • Fan's Voice Staff

5月8日(火)より南フランスのカンヌで開催されていた第71回カンヌ国際映画祭が、5月19日(土)(日本時間の20日未明)に閉幕。授賞セレモニーが行われ、コンペティション部門に選出されていた是枝裕和監督の『万引き家族』が最高賞であるパルムドールを受賞しました。

Photo by Stephane Cardinale – Corbis/Corbis via Getty Images

Photo by Stephane Cardinale – Corbis/Corbis via Getty Images

ステージに登壇した是枝監督は、審査員長のケイト・ブランシェットと挨拶を交わした後、「さすがに足が震えています。この場にいられることが本当に幸せです。そしてこの映画祭に参加するといつも思いますが、映画をつくり続けていく勇気をもらいます。そして、対立している人と人を、隔てられている世界と世界を映画が繋ぐ力をもつのではないかという希望を感じます。今回みなさんにいただいた勇気と希望をまず一足早く戻ったスタッフとキャストに分かち合いたいですし、作品が選ばれたにも関わらず、ここに参加できなかったふたりの監督たちとも分かち合いたいですし、これから映画をつくり、ここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います。ありがとうございます」とスピーチ。

Photo by Andreas Rentz/Getty Images

また、授賞式後の会見では「賞を目指して映画をつくっているわけではないが、この賞は重い」とパルムドールという世界最高峰の賞を受賞した実感を語りました。

是枝監督は、カンヌのオフィシャル・セレクションに選出されたのは7回目。そのうち5回がコンペティション部門で上映され、2004年に『誰も知らない』で柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年の『そして、父になる』で審査員賞を受賞していますが、ついに最高峰の賞を手にし、名実ともに名監督の仲間入りを果たしました。

Photo by Dominique Charriau/WireImage

また、カンヌ国際映画祭において最高賞にあたるパルムドールを日本映画が受賞するのは、1997年の第50回カンヌ国際映画祭にて今村昌平監督の『うなぎ』以来21年振りとなる快挙です。

尚、第71回カンヌ国際映画祭の受賞リストは以下の通りです。

© Design : Flore Maquin – Photo : Pierrot le fou © Georges Pierre

パルムドール(最高賞)

『万引き家族』是枝裕和監督(日本)

グランプリ

『BlacKkKlansman』(原題)スパイク・リー監督(アメリカ)

スペシャル・パルムドール賞

『The Image Book』(英題)ジャン=リュック・ゴダール監督(フランス)

監督賞

『Cold War』(英題)パヴェヴ・パヴリコウスキ監督(ポーランド)

男優賞

マルチェロ・フォンテ
『Dogman』(原題)マッテオ・ガローネ 監督(イタリア)

女優賞

サマル・イェスリャーモワ
『Ayka』(原題)セルゲイ・ドボルツェボイ監督(ロシア)

脚本賞

・アリーチェ・ロルバケル『Happy as Lazzaro』(英題)

・ジャファール・パナヒ『Three Faces』(英題)

審査員賞

『Capernaum』(原題)ナディーン・ラバキー監督(レバノン)

カメラ・ドール

『Girl』ルーカス・ドン監督(ベルギー)「ある視点」部門より

※コンペティション部門にエントリーされた21作品は以下の通り。

『BlacKkKlansman』(原題)スパイク・リー監督(アメリカ)
『万引き家族』是枝裕和監督(日本)
『Three Faces』(英題)ジャファール・パナヒ監督(イラン)
『Cold War』(英題)パヴェヴ・パヴリコウスキ監督(ポーランド)
『Happy as Lazzaro』(英題)アリーチェ・ロルバケル 監督(イタリア)
『Everybody Knows』(英題)アスガー・ファルハディ監督(イラン)
『At War』(英題)ステファヌ・ブリゼ 監督(フランス)
『Dogman』(原題)マッテオ・ガローネ 監督(イタリア)
『The Image Book』(英題)ジャン=リュック・ゴダール監督(フランス)
『寝ても覚めても』濱口竜介監督(日本)
『Sorry Angel』(英題)クリストフ・オノレ監督(フランス)
『Girls of the Sun』(英題)エヴァ・ユッソン 監督(フランス)
『Ash Is Purest White』(英題)ジャ・ジャンクー監督(中国)
『Capernaum』(原題)ナディーン・ラバキー監督(レバノン)
『Burning』(原題)イ・チャンドン監督(韓国)
『Under the Silver Lake』(原題)デビッド・ロバート・ミッチェル監督(アメリカ)
『Yomeddine』(原題)A・B・ショウキー監督(エジプト)
『Leto』(英題)キリル・セレブレンニコフ監督(ロシア)
『Knife + Heart』(原題)ヤン・ゴンザレス監督(フランス)
『Ayka』(原題)セルゲイ・ドボルツェボイ監督(ロシア)
『The Wild Pear Tree』(英題)ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督(トルコ)

『万引き家族』は6月8日(金)より全国公開です。

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『万引き家族』(英題:Shoplifters)

高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。

冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。

原案・監督・脚本・編集/是枝裕和

音楽/細野晴臣(ビクターエンタテインメント)
出演/リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
2018年/日本

日本公開/2018年6月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給/ギャガ
公式サイト
©2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.