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2017.04.11 16:42

“銀河最強”ヒーローたちの素顔に迫る!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』記者会見完全レポート

  • Shake Salmon & 6o6acchi

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の作品の中で、私たちが最も愛してやまない作品のひとつ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。その続編である『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のプロモーションのため、監督のジェームズ・ガンやガモーラ役のゾーイ・サルダナ、ドラックス役のデイヴ・バウティスタ、そして今回が初来日となる”スター・ロード”ことピーター・クイル役のクリス・プラットが、日本を皮切りに世界各国を巡るツアーを開始した。

4月10日(月)、監督、キャスト、そして吹き替え声優陣が一堂に会した豪華なギャラクシー・カーペットに加え、並行して行われたスペシャル・スクリーニングでは世界最速となる本編上映が行われた。こんな夢のようなことが起ころうとは、いったい誰が想像できただろうか!?

両イベントを通して、監督やキャスト陣からの日本への愛、また彼らや映画を愛する沢山のファンたちの温かい心がひしひしと伝わる魔法のような夜だった。

そんな興奮も冷めやらぬ中、本記事ではイベントの翌11日に行われた記者会見の模様をお伝えしたい。

会場には黒い和紙を幾重にも重ね、後ろから鮮やかなブルーや紫のライトアップで施された”銀河装飾”なるステージが用意されていた。一見控えめな装飾かもしれないが、和紙の繊維がグルートの作り出した繭を彷彿とさせ、そこから漏れる光はガーディアンズが結成された瞬間とも言えるあの”オーブ”の光の色を想起させるようで、個人的にはグッと来てしまった。

予告編でも印象的に使われ、今作のテーマ曲と言っても過言ではないSweetの『Fox On The Run』が大音量で流れる中、監督とキャスト陣が登壇。まずは一人ずつ挨拶をしてくれた。

ジェームズ・ガン監督(以下、ガン):
「この場にいられて幸せです。日本のファンは素晴らしく、また親切で、世界中でも最高のファンです。昨夜のギャラクシー・カーペットやスクリーニングではとても良い時間を過ごせたので、興奮のあまりよく眠れませんでした。このような機会があることに感謝しています」

ゾーイ・サルダナ(以下、ゾーイ):
「こんにちは!ニッポン!この場に立っていることはまるで夢のようで、たいへん嬉しいです。私は日本に来るのが大好きで、過去にも何度か他の映画のプロモーションで訪れていますが、私たちが心から愛する、大切な『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を携えての今回の来日は、本当に特別です。日本の皆さんからたくさんの愛情と優しさを感じることができて感謝しています。撮影中はとても楽しかったので、みなさんにも『リミックス』が気に入ってもらえると嬉しいです」

デイヴ・バウティスタ(以下、デイヴ):
「みなさん、お集まりいただきありがとうございます。日本の滞在を楽しく過ごせています。映画の製作には楽しく挑んでいたので、観客の皆さんにも同じくらい楽しい気分で観ていただきたいです」

クリス・プラット(以下、クリス):
「こんにちはぁ~!!!!私は通訳のミカです!」(会場、爆笑)
「彼(クリス自身のこと)が言うことはすべて馬鹿げているので、私なりに解釈します。彼らの発言はカッコつけていて、失礼で、最悪なアメリカ人です。彼らの映画は、まぁ……普通!」
(ガン監督、大爆笑)
「……この場にいられて幸せです。楽しい時間を過ごせて、感謝しています。東京はとても素敵な街で、何度でも訪れたいです。自分の誇りである今作も、楽しんでいただければ幸いです」

挨拶が終わりステージの転換が行われるなか、お辞儀をしたりくるくる回ったりするクリス。ガン監督、席に用意してあるグラスの水でクリスと乾杯し、それを飲みながら「ウォッカ!」と叫ぶ。ふたりのお茶目な面が垣間見えました!

以下、質疑応答です。

Q 前作に続いて今回映画を作るにあたり、どのような想いを込められたのでしょうか?また、前作に続いて70年代を中心とした懐かしいヒット曲も楽しみにしているのですが、今回はどのような選曲をされましたか?

ガン 「2作目を作るのはプレッシャーじゃないか?とよく聞かれましたが、不安を感じるどころかむしろワクワクしていました。映画を愛してくれるファンや登場するキャラクターたちを愛してくれて、彼らに再会できることを待ち望んでいるファンがいたからです。制作にあたって難しかったのは、どんなストーリーを作るか、ではなく、どのストーリーを選ぶか、でした。なぜならキャストのみんなが毎日インスピレーションを与えてくれるからです。バウティスタは例外だけど…なんてね!(笑) 彼は僕のミューズ(女神)ですよ。とにかく、またこの作品を作れることに興奮しましたし、キャストやクルーが再集結して、初日からとんでもない力を注いで制作に取り組みました。

僕は音楽が大好きで、自宅に何千曲ものお気に入りの70年代ポップソングが入ったPCがあり、毎日それらの曲を聴いています。

また、作品の中での位置付けとして、音楽というのはピーター・クイルと彼の母親の絆でもあり、それは映画の根幹に当たる重要な部分を占めています。脚本を書き始める段階から、シーンごとにピッタリ当てはまる曲を選んで、それを意識しながらストーリーを組み立てていきました」

MCの女性から「次はクリスさんへの質問です」と名前を呼ばれてビクッと跳ね上がるクリス。

Q 初めて日本に来られましたが、日本の印象はいかがですか?

クリス「(スタッフが水を入れに来た瞬間を見計らって)サービスが素晴らしいですね。桜が満開の一番良い時期に日本に行けるのはラッキーだよ、と周囲の人から聞かされていましたが、今ではその意味が理解できます。日本はとても美しいです。

会う人みんなが温かく歓迎してくれる親切な方ばかりですし、熱心に仕事に取り組んでおられることがひしひしと伝わってきます。待ち望んでいた来日を、家族と一緒に実現出来たことも嬉しいです。

我が家は寿司好きでして、ロサンゼルスの寿司は美味しいと胸を張っていましたが、日本で食べる本場の寿司は比べ物にならないくらい美味しかった。とにかく素敵な時間を過ごせています……というか、移住します。もう二度と家には帰りません。まさに今居るこのステージに住みついて、家族を養っていきますよ。つまり今ここに集まっているみんなも家族ですね!(ニヤリ)」

(筆者注:ちなみに、筆者は会見前日に行われたカーペットイベントにて「今日のおやつは?」と彼に直接質問しており、その際クリスは「寿司!」と笑いながら答えてくれていた。これは彼のInstagramでの持ちネタである”#WHATSMYSNACK”にかけた質問だったのだが、リップサービスではなく本当に食べてくれていたのだ!その際の動画はこちら

Q 個性と魅力にあふれた、変わったキャラクターたちが人気の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ですが、前作に引き続き、演じてみてどうでしたか?また、演じる上で意識したことはありますか?

ゾーイ 「続編は、例えて言うなら子供のようで、親である前作を超えないと、という意識がありました。ジェームズ(ガン監督)は一体、次にどんなものを作ろうとしているのか?失敗したらどうしよう?という不安が頭の中を駆け巡っていましたが、キャストやクルーのみんなとスタジオで再会して、リハーサルに挑んでみると、そんな不安は消えていました。

前作よりも更に規模が大きくなり、笑いと思いやりに溢れた映画になると確信したので、撮影が楽しみになったんです。一つ例外を挙げるなら、撮影初日から夜中の2時に起きて、毎日4時間かけてメイクをするのはクールじゃなかったですね(笑)

いざ衣装に身を包み、準備万端でセットに足を踏み入れた時には「たくさんの人達が携わって作り上げるこの映画に参加できる自分はなんて幸せなのだろう」と実感しました」

デイヴ 「2度目のドラックスを演じることは、前作よりも居心地が良かったです。お馴染みのキャストやクルーと仕事をできるし、それにジェームズとは本当に仕事がしやすいです。彼は僕がドラックスを演じやすい、素晴らしい脚本を書き上げてくれていました。セットに入ると贅沢な気持ちになれましたし、同じキャラクターを続投するということも自分の中では初めての経験なので、楽しく撮影に挑めました」

どっしりと構えたデイヴが静かに答えたところで、すかさずガン監督が参入。

ガン 「ちょっと言わせてほしい事があります。デイヴは世界一謙虚な男で、ゾーイとクリスも同意見だと思うんですが、彼が発するセリフはどれも最高で、それに愉快なんです。世界最高の努力家で一緒に働きやすい男、いつも周りに華を持たせようとする優しい彼のことが、心の底から大好きです。世界中、いや銀河中でもドラックスを演じられるのは彼しかいません」

Q コミックで見受けられるようなクレイジーなビジュアルや世界観を映像作品で作り上げるのは大変でしたか?

ガン 「自分はビジュアル重視の人間でもあるので、文字で脚本を書く前にまずスケッチを描いています。ガモーラとネビュラの戦闘シーンも、全ショットの絵コンテを自分で用意して、映像と少しの台詞で構想を練りました。

映像はやはり重要な要素なので、かなり時間と手間をかけています。エゴ(ピーター・クイルの父親)のデザインに関しても、何千もの幾何学模様を用いて綿密に考えました。VFXも凝っていて、昨今の映像作品の中でも一番の出来ではないかと自負する仕上がりです。冒頭にグルートのシーンがあるのですが、これも複雑だったので構想を練るのに二年半かかりました。

美しさと驚きに溢れた映像体験を通して感動してもらえることを常に心掛けていますが、それには膨大な時間と作業が必要なんです」

Q アベンジャーズで友達を作るとするなら誰ですか?理由もお願いします。

クリス 『いい質問ですね。えっと……キャラクターのことですか?それとも演者の事を言ってます?

選ぶとするなら……トニー・スタークです。彼はクールなオモチャを持っているし、友達になれたらプライベートジェットに乗って楽しいことも出来そうだし、カッコイイ武器も撃たせてもらえるかもしれません。

実際の俳優で友達になりたいのはロバート・ダウニー・Jrです。彼は多分トニーと同じくらいリッチだし、武器や装備、それにヘリコプターやジェットを持ってそうですからね」

Q (キャスト全員へ)撮影中、ガン監督から難しい注文や無茶ぶりはありましたか?

ガン監督 「僕への質問じゃないけど、少し答えさせてください。彼らは役を勝ち取るために他の候補150人と死闘を繰り広げて戦い抜いてきました。一人50人ずつくらい倒していますね」(筆者注:欧米で現在公開中のガン監督の映画『ベルコ・エクスペリメント』―オフィスで突如、同僚が殺し合いを強要される―を匂わせている?(笑))

ゾーイ 「(監督の顔を見ながら)今のは面白かったわ。(笑)でも、私は20人しか殺してません。全員食べたので証拠は見つからないと思います。私は消化と代謝がすごいんです。

……ガモーラというキャラクターに命を吹き込むため、毎日4時間かけてメイクを施すことが大変でした。子供の頃から映画が大好きで憧れの職業でしたが、このような過程も含めて映画が作られていくという裏側を知らなくて、大きな挑戦になりました。おかげで忍耐力を学べましたね。こういった作品はオスカーを獲るべきです」

デイヴ 「監督は無茶ぶりをするどころか、自分たちがやりやすいような環境を作ってくれます。挑戦だったことといえば、ジェームズは直感や閃きが浮かぶとすぐさま取り入れるので、リハーサルではなかった台詞を叫んでみるように要求されることはありましたが、そんなに難しい事ではありませんでした」

クリス 「俳優という仕事は僕の夢だし、スター・ロード、ピーターを演じられることを幸せだと思っているので、何も苦になりません」

Q ガーディアンズは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でアベンジャーズと合流しますが、うまくやっていけると思いますか?特にロケットが馴染めるのか心配です。

ゾーイ 「あなたの直感は正しいと思います。ロケットは馴染むまでに大変な時間を過ごすかもしれませんね。なぜならロケットはすごく頭がキレるし、人を出し抜くズル賢さもありますから。『〜インフィニティ・ウォー』でMCUのキャラクターが一堂に会してスーパーヴィランと戦うのがすごく楽しみです。サ……サノス、とか……私、ちゃんと発音できてた?(監督を見ながら)クイーンズ出身だから訛りが出てしまって、よく”セイノス”って言ってしまうんです。(笑)まさに今、ルッソ兄弟と撮影を行っていますが、アベンジャーズとは合流しつつも、いつものガーディアンズらしく個性を生かして冗談を交えながら戦えているのでうれしいです」

質疑応答、終了。

今回の記者会見では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』だけでなく、その先に待つ『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への期待を煽ってくれる答えが飛び出し、今後のMCU世界の未来も垣間えた。

前作を上回る傑作を作ろうと切磋琢磨する人々の姿勢はまさに”Excelcior!”のMARVEL精神に溢れている事がわかる。

質疑応答の後は、日本から来日ゲストへ、サプライズ・プレゼントの贈呈。赤いリボンが結ばれた大きな白い箱が壇上に運ばれ、監督とキャストたちが箱を開けると、中からプレゼントであるスカジャンを羽織ったロケットが登場!

ガン監督は黒、クリスは赤、ゾーイは緑、デイヴは青と、それぞれのイメージに合ったカラーのものが用意され、背中には雄々しい”銀河守護団”の文字と共に、グルートに見立てた盆栽の刺繍。右腕には、それぞれの名前に当てた漢字が刺繍されているという凝った仕上がりとなっていた。

監督とデイヴは、前日のカーペット・イベントとは違い、ラフな出で立ち。スカジャンもバッチリキマっていた。クリスは、色は違うが前日と同様スーツにネクタイ。その上からスカジャンを羽織ったため、色も相まって家電量販店やスーパー(!)の店員のような姿になってしまう。それでもサマになっているあたり、さすがのルックスと言えよう。

ファッション誌を度々飾るゾーイは、カーペットで着用していたロエベの黒のパンツドレスとはガラッと印象を変え、ジバンシィの鮮やかな赤いワンピースを着ていたのだが、その上からスカジャンを羽織るとどうだろう、見事な着こなしを魅せつけてくれた。

ガン監督は以前「(スター・ロードも所属していた)ラヴェジャーズは、バイカー(走り屋)集団をイメージしている」とも語っており、このプレゼントもヤンチャな彼らにピッタリだったと言えるだろう。

監督が過去に手がけた作品を鑑賞した事がある方はご存知かもしれないが、彼の作品には毎回同じ俳優やクルーが多数関わっている。 それはもちろん働きやすいという面もあるのだろうが、彼が信条として掲げている「演技や見た目だけではなく、内面も重視している。気にかけている人や大事な仲間、将来親友になれそうな人たちと良い仕事がしたい」という言葉通り、スタッフとの絆を重視しているのだと強く感じる。

作品の枠を超え、ガーディアンズのリーダーと言っても過言ではないジェームズ・ガン監督、そしてそこに集結した”家族”と呼ぶにふさわしいキャストやスタッフたちで作るからこそ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はたくさんのファンに愛されているのだろう。まさに”We are Groot!”と言ったところであろうか。

壇上に立つ4人からは終始優しいオーラが滲み出ており、記者会見は和やかな空気で幕を閉じた。彼らが銀河を守るべく活躍する姿をスクリーンで観られるのが待ち遠しい。

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©2017 Marvel

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

ならず者たちが行きがかり上、チームを結成し銀河系の危機を救うハメに! マーベル・シネマティック・ユニバースの中でも異色の”ヒーロー”たちが活躍するアクション・アドベンチャー映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)の第2弾。ピーター・クイル役のクリス・プラットを始めとするおなじみのキャストに加えて、カート・ラッセル、シルベスタ・スタローンなど大物スターも参戦。

監督/ジェームズ・ガン

製作/ケヴィン・ファイギ

出演/クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ヴィン・ディーゼル(声)、ブラッドリー・クーパー(声)他

配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン

公開/2017年5月12日

公式サイト