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2017.01.28 9:40

マッツ・ミケルセン緊急来日!舞台挨拶レポ9時45分回の巻

  • ichigoma

祝!『ドクター・ストレンジ』日本公開!

マーベル・スタジオの最新作でMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の中でも最もファンタジックな異次元アクショムービーを、もう体験されましたでしょうか?

そして今回、日本公開を記念して本作でストレンジと対峙するカエシリウス役を演じられたマッツ・ミケルセンが緊急来日しました! 主演映画『悪党に粛清を』(2014年)のプロモーションのため来日した2015年5月以来で、1年8ヶ月ぶりとなります。

マッツ・ミケルセンと言えば『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)で、主人公ジェームズ・ボンドに残酷な拷問を加える悪役ル・シッフルとして強烈な印象を残し、さらに米国NBCドラマ『ハンニバル』のタイトルロールである殺人犯で精神科医のハンニバル・レクターを熱演。直近では『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)で主人公ジンの父親で、デス・スターの設計技師を務めていたゲイレン・アーソ役として出演されておられます。

そんな“北欧の至宝”の異名を持つマッツ・ミケルセンが来日し、さらに公開当日である1月27日に、TOHOシネマズ六本木ヒルズで計2回の舞台挨拶を行うとの一報が流れるとTwitter等の各SNSではファンが騒然。舞台挨拶回のプラチナチケットを求めてオンライン販売開始時間にTOHOシネマズのサイトにはアクセスが殺到し、Twitterではチケット争奪戦に敗れたファンによる #マッツミレマセン というタグが登場する事態にまで発展しました。

そんな #マッツミレマセン の多くの嘆きを受けてか、9時45分上映回・12時45分上映回の2回の舞台挨拶のうち、急遽12時45分回の舞台挨拶についてはニコニコ生放送でのライブ配信がされました。

ということで、その舞台挨拶のレポです!

メモを元にマッツの発言部分についてはなるべく忠実に再現しておりますが、MCのお姉さんや質問された方質問には不正確な部分があると思いますので、先にお断りさせていただきます。

あ、舞台挨拶とは全く関係がありませんが、当日は自宅出発が遅くなってしまい、現地到着が時間ギリギリだった事を自戒のために記載しておきます。ちなみに、前日パン屋さんで購入した半額セールのカレーパン食べながら六本木を走って見ましたが、残念ながら曲がり角で誰ともぶつかりませんでした。やっぱり食パンじゃないとダメみたいです。

9時45分回のお話

さてさて当日は前述の通り大ポカで遅刻をかまし、都営大江戸線の六本木駅から走ってTOHOシネマズ六本木ヒルズにひーこらと到着。六本木ヒルズ自体は何度か来ていますがTOHOシネマズ自体は実は2回目です。前回はヒルズ敷地内で散々迷って途方に暮れた苦い思い出しかないのですが、そのおかげで今回は一本で来れました。偉いぞ自分、後は遅刻を何とかするんだ。

ダッシュで乱れた呼吸を劇場入口で整え、劇場内のロビーに入ったところ…。そこにいたのは一面の女性の姿。

非常に華やかな光景ではありますが、ロビーが狭く感じるほどにひしめき合う女性陣の多さと熱さに、マッツの女性人気の高さを肌で実感しました。特に女性限定のイベントでもないのにこの女性率の高さ。探せば男性も見つかるのでしょうが、完全に埋もれています。

ロビーの入口付近にはカウンターが設置されておりまして、12時45分回の舞台挨拶内で実施される質問タイムで聞きたい質問を募集していました。時間的に9時45分回の舞台挨拶の質問タイムは挙手制につき、傍目に見るだけに留めます。

質問受付コーナーの札

そして質問受付ボックス

さて、上映時間も差し迫ってきたのでそろそろスクリーンへ参りますですぞ!ひゃっほーい、楽しみ!

そんなこんなで舞台挨拶は上映後なので3D字幕で普通に本編を鑑賞。

上映が終わり、客電が上がったところで舞台上にスタッフさんが現れ『ドクター・ストレンジ』のポスターパネルの設置作業などが行われ始めました。客席は本編を鑑賞した後の興奮につつまれたままで、あちこちからあれやこれやと語る声も聞こえました。

そんななか、準備が整った舞台にMCのお姉さんが登場。「ご覧になった『ドクター・ストレンジ』、いかがでしたか?」の呼びかけに、会場から拍手が巻き起こりました。

「本日の『ドクター・ストレンジ』の日本公開、日本の熱いマーベルファンの皆さんと共にお祝いしたいということで闇の魔術師、カエシリウスを演じたマッツ・ミケルセンさんが駆けつけて下さいました!」の言葉にそわそわする観客席。そわそわってかぞわぞわですかね。

MCさんから見ると会場内は女性の方がとにかく多いということで、ちょっと挙手をお願いしますとの挙手タイム。前方席に座っていたので、そこから顔を後ろに向けてみると何と殆どが女性!私見でざっくりですが、8割は女性だったと思います。男性陣、頑張って生きて。

「あと、カメラを準備されている方もちらちらと見えるんですけれども、先に皆様にお伝えいたしましょう……イベントの後半のほうに、皆さんのためにマッツさん自らの許可を頂きまして、後ほどちゃんと写真撮影ができる時間を設けさせていただきます!」

!!

マジスカ、まさか、マッツの方から撮影を許可して頂けるなんて!!! マッツは神!マッツ・イズ・ゴッド!!

その代わり携帯かスマートフォンでの撮影に限るとの事でしたが、写真に収めることが出来ればツールなんて関係ないっす!よし、デジカメはカバンの中に放り込んで、手持ちのタブレットはカメラアプリを起動して待機!

「さぁ、それでは準備が整ったようです。早速ご登場いただきましょう。カエシリウスを演じられました…」

来るぞ、来るぞ、いよいよ来るぞ!

「マッツ・ミケルサンさん…ミケルセンさんです!」

MCのお姉さんも緊張したのかちょっと噛み気味のコールと共に、劇場の下手(客席から見て左側)から現れたマッツ!グレイの髪をふんわりと七三分けにセットし、襟元まで閉めたカーキ色のYシャツの上にグレイのジャケット、デニムっぽいブルーのパンツという装いでの登場でした。

で、どれがadidasなんですか?(注:マッツ・ミケルセンの私服はadidas製のアパレルが多いことで有名)

マッツの名を呼ぶ悲鳴にも近い黄色い歓声に包まれ、舞台中央に進むマッツ。さあ、マイクを持った気になるマッツの第一声は、いかに!

「オハヨウゴザイマス!」(※日本語)

日本語のご挨拶キター!!ちょっとたどたどしいご挨拶に拍手をする観客の傍ら、「おはようー!」と返す声もいたるところから聞こえました。自分はおはようと返しした組の一人(笑)

続いて「マーベルに関わったすべてのスタッフを代表して、本当に皆さま今日来てくださってありがとうございます」というご挨拶は英語でしたが、単語でも海外俳優さんの口から日本語が出るのは何か嬉しいものですね。

ここからMCのお姉さんからマッツに簡単なインタビュー。

——カエシリウスの役どころについて、もう少しお聞かせ願えれば。

マッツ「みなさまに見ていただきましたが、よりよい世界を信じている男。そして全員に永遠の命を与えたいと思っている、苦しみのない世界を求めているのだけれども、その手段がどうなのかな?というキャラクターです」

——マッツさんと言えば『ローグ・ワン』でデス・スターを設計したゲイレン・アーソを演じて、そしてこのドクター・ストレンジと、この冬を代表する大作、2つの作品に出演されていますね。

マッツ「本当にシュールな感じがします。子供の頃にマーベル・コミックは読んでいましたし、映画化されたマーベル作品もずっと観てきました。また『スター・ウォーズ』も小さいときから大好きだった。まさか自分が役者になるとは夢にも思っていませんでしたし、2本の大作シリーズに出演するとは夢にも思ってもみなかった。だから一言でいえばシュール。デンマーク人の自分が、この二つのシリーズに関わるなんて本当にビックリしています」

と通訳さんの訳が終わったところで、マッツが一言、日本語で「ハイ」。アイドルのように両手でぎゅっと握り締めるようにマイクを持つマッツおじさま。素晴らしいギャップ萌え、ありがとうございます、ごっつぁんです。

続いてお楽しみの質問タイム。会場から挙手で質問を募り、直接に回答して頂くとの説明の後で「マッツさん、答えていただけますか?正直にお願いしますよ」とのMCさんの言葉に、再度「ハイ」と日本語で応えるマッツ。ええい、その「ハイ。」でどれだけ何度こちらのHPを削れば気が済むと言うのですか!((心に包帯をぐるぐる巻き)

と、会場からの質問を受け付ける前に、まずはTwitterで事前募集していた #おしえてマッツ タグからの質問から一問。

——どうやったら、あなたみたいな男性とお付き合いできますか?

おいおい公式、序盤からすごい質問ぶっこんできたよ!(笑) 出だしからのこの質問には客席全体大爆笑。公約だからマッツ、正直に答えてね!

「デンマークに引っ越ししてください。残念ながらもう結婚しておりますので、まだ出会っていない双子の兄弟を探してください」

デンマークに引っ越せと来ましたか(笑) むしろデンマークに行ったら、マッツのような素敵メンズがわんさかいるってことナンデスカネ?それはそれで聖地巡礼したい人が出てきそうです。旅行ならまだしも、移住となるとデンマーク語覚えないとだしなぁ。んでもって英語も。

そんな質問で場が暖まったところで会場からの質問タイム!MCのお姉さんがトップバッターとして前から数列目の席に座られていた女性を指名。

——来日してくださり本当にありがとうございます。今日ここに来られてない方でも、本当に沢山の人が、マッツが日本に来ることを待っていました……。

すでに泣きそうな声のお嬢さん。そうでしょうとも、そうでしょうとも。嬉しさと感動が入り混じった声色と面持ちに、こちらもうるっと来そうです。

——質問なんですけど、 一 番 好 き な 肉 の 部 位を教えてください!

って、会場からの質問もトップバッターからこれか!そして紛れもなくお嬢さん、ファンニバルだな!!

(注:ファンニバル=TVドラマ「ハンニバル」の熱狂的なファンの呼称)

『ドクター・ストレンジ』とはまったく関係がない。先ほどの「おしえてマッツ」の質問以上の爆笑と拍手が。気になるレクター博士じゃなくってマッツの答えは「お刺身」。「お肉の部位との質問だったんですけど魚の方が好きで、刺身が大好きだから」とのことでした。

「ありがとうございました」と着席するお嬢さんに、スタッフさんからマイクとほぼ引き換えに渡された手提げの紙袋。はて、あれは一体。

「質問して頂いた方にはなんと、マッツさんのサイン入りグッズを差し上げます」とMCのお姉さん。

このアナウンスを受けてうおおぉぉぉ…と言うどよめきと歓声に包まれる客席全体。誇張でも何でもなく、殺気に近い空気感。当然のように先ほどよりも俄然、挙手に力が入る客席の熱気!お姉さん、この中から誰か選ばないといけないなんてつらいお仕事ですね。

ふたりめ目は後方の席の女性。

———マッツさんがこれまで演じてきた映画の役の中で、一番印象的な台詞があったら教えてください。

「ちょっと難しい質問ですね。たくさんの作品たくさんの台詞を覚えているけれども、今思いつくのはロシア語で、ロシア語を話せない自分が一生懸命何度も繰り返して覚えたからこそ、まだ覚えているこの台詞。“○○○○○○(ロシア語)”意味は”聞いてもいなかった”という内容です」

この回答、ロシア語の台詞が出てきたことより、あれだけ数々の作品に出演しながらも、未だ台詞を覚えている事に驚愕しました。つまりマッツの脳内には、ル・シッフルもハンニバル・レクターもゲイレン・アーソも、そしてカエシリウスも同居しているんですね。タワーマンション・マッツ。ゲイレンさん、周りの住人、病んでる人多そうだから気をつけて。

そして質問した女性からの「We Love You」の声に、「アリガトウゴザイマス」と返すマッツ。

3人目は会場中央の女性。

——先ほどのインタビューで、子供のころからマーベルのコミックを読んでいたということですが、コミックや映画で好きなマーベルのヒーローを教えてください。

「今は「ドクター・ストレンジ」。もちろん当時も読んでいたけど、まだ10歳の自分にはストレンジの哲学みたいな部分を理解するのは難しかった。当時好きだったのは「スパイダーマン」。体が小柄で細身だが、口は達者で強い。子供たちはみんなスパイダーマンに共感を感じていたと思います」

スパイディはどの国のちびっ子に大人気なんですね。うちの甥っ子(5歳)も私がプレイしているマーベルツムツムの画面見て、アイアンマンやキャプテン・アメリカには反応がなかったのにスパイダーマンだけは知っていました。これこそテレ東による英才教育の賜物。

さあ、次が最後になります!のMCのお姉さん。会場前方にいた鮮やかな花冠を頭に飾られている女性を「ファンニバルの方ですね」と指名。なるほど、こういう時に目立つ衣装や装飾って有効だなぁ。

———カエシリウスとハンニバル。そのどちらも悪役として紹介されますが、両者には悪役として決定付けるには憎みきれない魅力を感じます。今回カエシリウスを演じる上で、ハンニバルの役から何かヒントを得ていますか?

最後の最後にやってきたガチな質問。これにはマッツもちょっと真剣な面持ちで答えていました。

「どんな役者でもヴィラン(悪役)を演じるときは、その中で好ましいと感じられる部分を求めるもの。それはひとりの人間として理解できる部分であったり、白と黒では片付けられない部分、あるいは達成しようとしているミッション。まったく理解できなくてもいいんですけど、なんとなく理解できるなというカエシリウスのミッションというのが“世界をよいものにしよう”とするもの。ただ、その手段がちょっと危険なもの……」

「人は元々、すごくダークサイドに興味があると思っています。神を創りあげたのにすぐに飽きてしまって、5秒後には悪魔の存在を生み出したのも人間。意外とみなさんが気に入ってくれる悪役。役者として役者冥利に尽きることではあるけれど、人を食べる、人間の肉を食べるキャラクターを好きになるのはちょっとどうかなぁと思うよ。けれどもちろん、関わってるスタッフはとても喜んでいます。ファンニバルの皆さん、ありがとうございます。」

いやもう、そんなヴィランでも愛されるのはマッツが演じてるからこそなんですよ!本来なら不気味でしかない役に気品と優雅さを詰め込んで魅力的なキャラクターに仕立てたマッツが主犯!だから責任取って、ハンニバルの続編を出していただければ嬉しいです。スケジュール調整とか大変でしょうけど。

以上をもって質問タイムは終了。続いて最初に案内のあった写真撮影タイムが始まりました。すでに手元にはタブレットがスタンバってるぜべいべー!

時間として約1分程度との事でしたが、最初に舞台の中央に立ち、次に上手(客席から見て右側)の方に移動し、更に下手にまでやってきてくれると言うサービスっぷり。これだけで間違いなく1分超えてます。こっちも気合入れて撮りたいところですが、マッツの左右移動が早すぎてズーム倍率を調製する合わせる時間がない。

マッツ・ウゴキスギテ・トレマセン!

舞台センターのマッツ

かーらーの、下手に移動で

ちょ、マッツが隣歩いていったで!

後方席のファンに応えるマッツの後姿

最後にマッツが一枚、客席の皆とセルフィーを撮りたいとの事。自撮り棒構えてポーズをとるマッツの姿は、本当にお茶目なおじさまでございました。

はい、チーズ!

その後マッツが退場して9時45分回は終了。

引き続きの12時45分回も気合入れて行きます!!