【レポート】『火垂るの墓』子どもたちが映画を通して思いを言葉に!感想文ワークショップ開催!
- Fan's Voice Staff
スタジオジブリの名作アニメーション映画『火垂るの墓』を題材にした「映画をもっと楽しもう!『火垂るの墓』子ども向け感想文ワークショップ」が、7月11日(土)に東京・六本木のNetflix 東京オフィスにて行われました。

終戦間近の日本を舞台に、両親を失った兄・清太と妹・節子が懸命に生き抜こうとする姿を描いた『火垂るの墓』は、野坂昭如の小説を原作に、高畑勲監督によって1988年に映画化。以来多くの人々の心を揺さぶり続けた本作は、Netflixでの世界配信をきっかけに、近年海外でも再び大きな注目を集めています。
Netflixによる日本での配信2年目を迎える今夏、映画を通じて「平和・家族・日常」について考える対話型の学びの場を提供することを目的に企画された今回のワークショップは、Fan’s Voiceと子どもたちの表現力を育むワークショップを手掛けるfindits(ファインディッツ)が主催し、新潮社とNetflixが特別協賛。

右:矢代新一郎氏(新潮社 コンテンツ事業室)
イベント冒頭には、映画の著作権を持ち、原作小説を刊行している新潮社の矢代新一郎氏が挨拶。「この『火垂るの墓』は、ジブリ作品の名作と言われていますが、一方で悲しい、つらいという評判もあります。だから見たくないという人もいます。でも、あらゆる物事にはふたつの面があるということは、皆さんの年になれば、もう知っていますよね。この映画もその通りです。だからせっかく来てくれた皆さんには、悲しいところだけではなくて、楽しいところも見ていてほしいと思っています。4歳の節子はとっても可愛いですよね。そのせっちゃんがどこで笑ったか、どこで幸せそうな顔したか、何を食べて喜んだか。悲しい場面だけでなくて、そういう楽しい面もいっぱい見て、心に刻んでほしいと思っています」と参加者に呼びかけました。

秋月希保氏(Netflix Communications – Japan, Senior Director)
続いてNetflixの日本における広報統括の秋月希保氏も「『火垂るの墓』という作品は、何回観ても、再び発見できるところ、気付く点がある、ものすごく奥深い作品だと思います。私たちがこういう子ども向けのワークショップを開催するのは初めてです。この『火垂るの墓』という題材を通してぜひ、観て、感じて、考えて、表現することができるようなワークショップにできたらいいなと思います」と語りかけました。
会場に集まった小学校高学年(5年生・6年生)の中には、すでに『火垂るの墓』を観たことがあるという人もいれば、この日はじめて『火垂るの墓』を観るという人の姿もあり、その数は半々といったところ。本編の上映が始まると、鑑賞する子どもたちの表情は真剣そのもので、食い入るようにスクリーンを見つめていました。

上映中の様子
上映終了後にはいよいよワークショップを実施。3~4人のグループに分かれて、映画を観た感想や考えを言語化する作業に入ります。
まず、マインドマップを作りながら、自分の頭の中、心の中を覗き、言葉にすることから開始。「気になった人物」「観ている時、観た後に思っていること」「なんで? と思ったこと」「心に残っている場面」などを付箋に書き出し、自分の考えをまとめていきます。


続いて、自分で考えたことをもとに、グループのメンバー同士と話し合うグループワークを実施。その合間にはクイズが行われ、当時のサクマ式ドロップスは現代に換算するとゲーム機本体が買えるほどの価値があり貴重であったこと、14歳の子どもは学校に行かずに軍の工場などで働く義務があったこと、食料を得るための「隣組」の仕組みや物々交換の事情などについて説明。クイズを通じて子どもたちは戦時下の社会情勢を深掘りし、作品世界により深く入っていった様子でした。
自分の考えをまとめた後には、この作品を観たことがない友だちに対して、どうやって伝えるのか、どうやって伝えたいのかということを考え、レビューカードを作成する時間に。

『火垂るの墓』という映画について考え、話し合うという作業にすっかり夢中になっている様子の子どもたちは、「もう少し考える時間をください!」と時間延長を申し出るなど、真剣に取り組んでいる様子。
そしていよいよレビューカードが完成。みんなの前でひとりひとりが発表していきました。「この映画を見て、戦争って何であるんだろうと思いましたし、無駄だなと思いました」「もし戦争が起こったら、自分の大切なもの、家などがなくなったり、奪われたりします。これは昔に本当にあったことだと思いました」「当たり前に家族がいるということが珍しいことだと感じました」「普通の幸せが一番。幸せは当たり前ではないと思うからこそ、この映画を観てもらいたい」など、それぞれの視点から、戦争という悲惨な歴史を繰り返してはいけないという平和への思い、命の大切さ、人が人を思いやることの大切さなどをしっかりと噛み締めていました。


そんな子どもたちのしっかりとした感想に、保護者をはじめとした大人たちからも大きな拍手が沸き起こった一方、実際に参加した子どもたちからは「楽しかった!」という声がそこかしこに。参加者のひとりは「このワークショップはお母さんから教えてもらって、それで参加しました。今回参加してみてすごく楽しかったです」と充実した表情でコメントを寄せました。

時代を超えて受け継がれる“夏の文化的視聴体験”のひとつとして企画された今回のワークショップ。戦争の悲惨さを知ることはもちろん、自分の考えを見つめ直し、他者との対話を通じて「命の尊さ」や「日常の幸せ」について深く考え、言語化するという、意義深いひとときとなりました。
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『火垂るの墓』(英題:Grave of the Fireflies)
監督・脚本:高畑勲
制作:スタジオジブリ
1988/日本/日本語/88分
Netflix作品ページ
© 野坂昭如/新潮社, 1988
野坂昭如「火垂るの墓」(新潮文庫刊『アメリカひじき・火垂るの墓』所収)







