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2026.04.04 10:00

『ヴィットリア 抱きしめて』主演&監督の特別インタビューが到着!

  • Fan's Voice Staff

第81回ベネチア国際映画祭のアルカ・シネマ・ジョヴァーニ賞(ヤング・シネマ・アワード)にてイタリア映画賞を受賞した『ヴィットリア 抱きしめて』の主演を務めたマリレーナ・アマートと監督の特別インタビューが到着しました。

イタリア・ナポリ南部でヘアサロンを営むジャスミンは、夫と3人の息子に囲まれ、満ち足りた人生を送っていた。しかし40歳を迎えた頃、父の死をきっかけに異変が起きる。金髪の少女を父から託される夢を繰り返し見るようになり、「自分の人生には娘が必要だ」という想いに囚われるようになる。ジャスミンは娘を迎えるために養子縁組を決意するが、イタリアの養子縁組はハードルが高く、性別も選べない。さらに夫と息子の反発で家族が疲弊していく中、一家は大きな決断を迫られる──。

2016年、ナポリに暮らす一家が新しい家族を国際養子縁組で迎え入れる実話から誕生した本作。最大の特徴は、主人公ジャスミンや夫リーノをはじめとする主要キャラクターを、俳優ではなく本人自身が演じている点。その堂々とした演技とカメラ映えする存在感は際立ち、演じることで改めて家族の問題に向き合っていくという、虚実が入り交じる驚きの二重構造となっています。

監督を務めたのは、ドキュメンタリー作家のアレッサンドロ・カッシゴリと、ジャーナリストのケイシー・カウフマンのコンビ。前作の撮影中に偶然出会った美容師のマリレーナから、彼女自身の「養子縁組」の実体験を聞き、その強烈なキャラクターと物語に即座に映画化を確信したといい、「プロの俳優ではない彼女たちに、自分自身以外の人物を演じさせることはできない」と、実際の美容室や仕事の合間を縫って撮影を敢行。徹底的な「リアル」を追求しました。

出演の打診を受けた当初、「かなり驚き、緊張した」と振り返るマリレーナ。撮影は、単なる再現を超えた「感情の追体験」となり、「リハーサルを繰り返すたびに、まるでその瞬間に戻ったかのようだった。再現だと理解していても、感情はリアルだった」と語る通り、劇中では夫との激しい衝突や、養子縁組の厳しい現実を前に挫ける様が、剥き出しの言葉と表情で表現されます。

監督によると、撮影現場では想定外の現象も起きたといい、「彼らは自分たちが経験した場面を演じることで、過去の問題や未解決の葛藤に向き合った。まるでカメラが存在しないかのように、本気で問題を解決しようとしていた」と、映画制作が家族の絆を再確認するプロセスになったことを明かしています。

イタリア国内の養子縁組は、親の年齢が20歳から45歳までという制限があり、三親等以内の家族・親戚全員の同意が必要など、非常にハードルが高く、劇中でも、費用面や待機期間を伝えられたジャスミンが絶望する場面が何度も登場します。そして国際養子縁組という方法もあることや、養子となる子どもたちが厳しい環境に置かれている現実も描かれており、マリレーナは「イタリアのプロセスは経済的にも負担が大きく、大変だった。でも、準備さえできていれば『恐れないで』と伝えたい。養子縁組を考えているカップルたちに『あなたたちは一人じゃない』と感じてほしくて、この映画に出る決心をしました」と語っています。

実際の家族写真

映画のタイトルにもなっている娘のヴィットリアは、今や13歳に成長。「初めて会ったとき、彼女は5歳で栄養失調の状態でしたが、目にした瞬間から愛していました。彼女が我が家に来たとき、喜びも一緒にやってきたのです。父が他界してから祝うのをやめていたクリスマスが、ヴィットリアのおかげで再び始まりました。養子は、計り知れない幸せを運んできてくれます。それこそが、私が一番伝えたいメッセージです」と、同じ境遇の人々へエールを送っています。

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『ヴィットリア 抱きしめて』(原題:Vittoria)

監督・脚本:アレッサンドロ・カッシゴリ、ケイシー・カウフマン
出演:マリレーナ・アマート、ジェンナーロ・スカーリカ、ヴィンチェンツィオ・スカーリカ、アンナ・アマート、ニーナ・ロレンツァ・チャーノ
メイク・ヘアデザイン:アン・ノシュ・オールダム
2024年/イタリア/イタリア語/84分/カラー/ヴィスタ/5.1ch/日本語字幕:関口英子

日本公開:2026年4月10日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
公式サイト
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