『タンゴの後で』新場面写真11点が解禁!
- Fan's Voice Staff
エンターテインメント業界における権力勾配、搾取について鋭い視線を投げかけたフランスの問題作『タンゴの後で』の新場面写真11点が解禁されました。
1970年に公開された『暗殺の森』が世界中の批評家から大絶賛されたベルナルド・ベルトルッチ監督(ジョゼッペ・マッジョ)。次回作として取り組んだのが、性の解放の闇を描いた『ラストタンゴ・イン・パリ』(72年)。妻に自殺された中年男役をマーロン・ブランド(マット・ディロン)が演じ、彼の逢瀬の相手となる若いジャンヌ役には、当時19歳のマリア・シュナイダー(アナマリア・ヴァルトロメイ)。詳細を知らされずに行われたマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンの撮影は彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落していくことに──。
2011年に闘病の末に58歳で亡くなったマリア・シュナイダーのいとこヴァネッサ・シュナイダーは、幼少の頃に女優となったマリアの人生とその終焉に立ち合い、2018年に「あなたの名はマリア・シュナイダー :「悲劇の女優」の素顔」(早川書房・刊)を執筆。失意のどん底に突き落とされ、薬物依存に陥りながらも、演じることを続けたマリアの人生を、本人、家族、そして最後までマリアの味方となったアラン・ドロンやブリジット・バルドーの言葉や、後年のベルトルッチの謝罪やブランドとの信頼関係にも言及しています。
監督は、ベネチア国際映画祭での受賞経験もある新鋭ジェシカ・パルー。ベルナルド・ベルトルッチ監督作『ドリーマーズ』(03年)でインターンとして彼との仕事を経験した彼女は、ヴァネッサ・シュナイダーの著書と出会い、マリアの人生を映画化することを決意。“70年代最大のセンセーション”を巻き起こした作品の舞台裏で一体何が起きていたのか?本作では、映画の撮影現場での問題について声を上げた最初の女性の一人であるマリア・シュナイダーの波乱に満ちた人生に焦点を当てます。
本作の制作には、1972年の作品とは違い、インティマシーコーディネーターのパロマ・ガルシア・マーティンスが参加。パルー監督や主演のアナマリア・ヴァルトロメイも、その存在が作品作りにとって非常に重要であったと述べています。
『タンゴの後で』は昨年5月、第77回カンヌ国際映画祭カンヌプレミア部門で上映されました。
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『タンゴの後で』(原題: Maria)
19歳の若手女優マリア・シュナイダーは新進気鋭の監督ベルナルド・ベルトルッチと出会い、『ラストタンゴ・イン・パリ』で一夜にしてトップスターに駆け上がる。しかし、48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンは彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落としていく。
原作:「あなたの名はマリア・シュナイダー ―「悲劇の女優」の素顔」(早川書房 刊)
監督・脚本:ジェシカ・パルー
出演:アナマリア・ヴァルトロメイ、マット・ディロン、ジュゼッペ・マッジョ、イヴァン・アタル、マリー・ジラン
協力:CHANEL
2024年/フランス/フランス語/102分/カラー/5.1ch/英題:Being Maria/日本語字幕:岩辺いずみ/PG12(暴力描写や性的描写が含まれます)
日本公開:2025年9月5日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:トランスフォーマー
公式サイト
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