『クィア/QUEER』新写真4点が解禁!ルカ・グァダニーノ監督&ジョナサン・アンダーソンのコメント到着!
- Fan's Voice Staff
第81回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で上映されたラブストーリー『クィア/QUEER』のルカ・グァダニーノ監督と衣装を手掛けたジョナサン・アンダーソンによるコメントが、新写真4点とあわせて解禁されました。
ルカ・グァダニーノが映画監督として長年目指してきたことの一つが、チネチッタ撮影所で映画を監督すること。ローマにある伝説の同撮影所は、99エーカー(約40万㎡/東京ドーム約8.6個分)もの広さを誇り、1937年のオープン以降、フェリーニ、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、レオーネ、ベルトルッチ、コッポラ、スコセッシなどによる3,000本以上の映画が撮影されてきました。
「僕は、『クィア/QUEER』のイメージやセットは、バロウズの目と心を通して映し出されるものでなければならないと考えていた。彼の小説の映画化について考え始めて30年が経っても、まだバロウズの原作に表現されている苦悩や欲望、イメージを反映する人工的な場所として、メキシコシティやパナマシティやエクアドルを再現することにこだわっていた」と振り返るグァダニーノ監督。
映画の冒頭のメキシコシティの章に関してグァダニーノ監督は、リー(ダニエル・クレイグ)とユージーン(ドリュー・スターキー)が恋に落ちる街角、バー、そしてホテルの部屋などを、ジョン・ヒューストン監督の映画『黄金』(48年)のように、ハリウッドのバックロットで作られた、1950年代の撮影所的な雰囲気にしたいと思ったそう。この章の屋内シーンには、登場人物の孤立感や断絶感を強調する視覚要素として、意図的に非対称になっているセットを取り入れ、登場人物の心の中を映し出す風景を目指しました。
物語からにじみ出る鮮やかで明確な官能さを反映した色を選んだと語る通り、リーとユージーンが酒を飲みに行くバー「シップ・アホイ」や、リーがバーで出会った男性と向かう安ホテルの部屋などに、登場人物の熱望を反映するような、ネオンライトの光が溢れアール・デコ時代の色褪せた威厳が漂う空間を作り出しました。グァダニーノとバイシは、ウォン・カーウァイの『花様年華』(00年)に見られる、飽和状態で激しいロマンチックさをたたえた色をこれらのシーンの参考にしたといいます。
官能的で催眠をかけるような視覚様式は、タイ生まれの撮影監督サヨムプー・ムックディプロームによるカメラワークでさらに強調。ムックディプロームは、以前にも『君の名前で僕を呼んで』『サスペリア』『チャレンジャーズ』でグァダニーノとタッグを組んでいます。
1950年代の衣装を再現するために、グァダニーノは親しい友人のジョナサン・アンダーソンと『チャレンジャーズ』に続きタッグ。「1950年代の男性は、服を長い間キープするという習慣がなかった。外国人としてメキシコで暮らす、ウィリアム・リーのような男性は、特にそうだった。『クィア/QUEER』は、1950年代の男性服に潜むフェティシズムの概念に焦点を当てている。そこには微妙なニュアンスがある」とアンダーソンはコメント。
うだるような暑さのメキシコシティの夏、淡い色の麻のスーツ、パナマ帽、そして現代風のサングラスを身につけて街をさまようリー。アンダーソンは、「僕は彼を、『乱れのあるしゃれ男』と解釈した。からだが衣服に影響を与え、服が、第2の皮膚として彼のからだの一部になったように思えた。リーの服のスタイルは、究極的には、彼の身のこなし方と関係がある。ユージーンのスタイルは、少し堅苦しく、同時にヒッピー的で若い。それが性的な魅力を醸し出しているんだ」と明かし、リーの、しわくちゃのヘミングウェイ風スタイルとは対照的に、ユージンにはより垢抜けた大学生風の格好をさせ、二人の年齢、人生における立場、そして心理がいかに異なっているかをはっきりと表現しました。
物語の後半、幻のヤヘを求めてジャングルへと入っていくリーとユージーン。「物語が進んでいくにつれて、服はどんどん汚く、くたびれていかなければならない。彼らは、ジャングルの中で服を洗濯できないからね。これを強調するためには、それぞれのキャラクターには、衣装を1着しか準備しなかった。そうすることで、ジャングルを冒険する中で、服がどうやって劣化していくかを想像することができた」とアンダーソンはこだわりを明かしています。
日本で1月25日に発売されたJW Anderson x QUEER 限定カプセルコレクションが、映画の日本公開を記念して5月9日よりJW Anderson 渋谷店とJW Anderson 伊勢丹新宿メンズ店にて再販売されることが決定。コレクションでは、映画のポスターやメインビジュアル、そして『クィア/QUEER』のテーマに基づいたグラフィックが、ウェアやアクセサリーに落とし込まれています。
==
『クィア/QUEER』(原題:Queer)
監督:ルカ・グァダニーノ
出演:ダニエル・クレイグ、ドリュー・スターキー 他
2024年/アメリカ・イタリア/カラー/ビスタ/5.1ch/137分/字幕翻訳:松浦美奈/R15+
日本公開:2025年5月9日(金)新宿ピカデリー 他 全国ロードショー
配給:ギャガ
©2024 The Apartment S.r.l., FremantleMedia North America, Inc., Frenesy Film Company S.r.l.
© Yannis Drakoulidis