『葬送のカーネーション』2024年1月12日公開決定!日本版ティザービジュアルが解禁!
- Fan's Voice Staff
「現代トルコ映画の到達点」として世界各国で注目を浴びるベキル・ビュルビュル監督による現代社会の寓話『Cloves & Carnations』(英題)が、邦題を『葬送のカーネーション』として2024年1月12日(金)より全国順次公開されることが決定し、日本版ティザービジュアルが解禁されました。
舞台は、荒涼とした冬景色のトルコ南東部。年老いたムサは、亡き妻の遺体を故郷の地に埋葬するという約束を守るため、棺とともに旅をしています。紛争の続く場所へ帰りたくない孫娘のハリメは、親を亡くし、仕方なくムサと“棺”と共に歩いていきます。故郷への旅の途中、彼らは現実と虚像の狭間を生きる様々な人たちと出会い、まるで神の啓示のような“生きる言葉”を授かりながら歩き続けていき──。
ティザービジュアルには、ハリメとムサ、そしてもう一人の家族が眠る棺が、おとぎ話のようなイラストで描かれています。長い旅路を歩き出した彼らは、国境、生と死、過去と未来、自己と他者、祖父と孫娘の融和といった様々な境界線に立ち、その先に小さな光を見つけようとします。
孫娘ハリメを演じるのは、本作が初の演技経験となった、シリアで生まれ戦争のためトルコに移住したシャム・セリフ・ゼイダン。幼い表情の中にある現代社会の本質を見据えるような強い眼差しが印象的な、期待の俳優です。
年老いたムサを演じるのは、トルコで映画・舞台・テレビドラマで活躍する実力派俳優のデミル・パルスジャン。
トルコではユルマズ・ギュネイの後、ヌリ・ビルゲ・ジェイランが現れ、その次世代の才能と言われているのが、今作を手掛けたベキル・ビュルビュル監督。彼は小津安二郎を敬愛し、本作で描かれている「死と旅」というテーマも、数々の小津映画から受け継いだレガシーだと語っており、昨年この作品のワールドプレミアに東京国際映画祭(アジアの未来部門)を選びました。
以下、日本ロードショー決定に寄せたビュルビュル監督のメッセージと、本作に感銘を受けた著名人からのコメントが到着しています。
トルコから日本へ、ベキル・ビュルビュル監督より劇場公開決定に寄せて
昨年、東京国際映画祭でワールドプレミア上映をしていただき、監督として、とてもエキサイティングな経験をしました。上映後は、思ってもみなかったお祝いの言葉や評価をいただき、心から感謝しています。
死と旅という題材は、私が常に深く考えてきたテーマであり、小津安二郎監督から受け継いだレガシーでもあります(日本に来てすぐに彼のお墓参りをしました)。
私たちは誰もこの世に属していません。母親の胎内にいるときと同じように、私たちの口、鼻、目は、そのときは何の役にも立たないにもかかわらず、来世への贈り物として与えられる器官です。同様に、私たちはこの世で非現実的な多くの感情や欲望を抱いています。(すべてを手に入れたい、永遠に生きたい、鳥のように空を飛びたいなど)。
このような神秘のサイクルを感じながら、私は「葬送のカーネーション」を作りました。この映画を通じて皆さんとつながることができるのは、さらにエキサイティングなことだと感じています。
『葬送のカーネーション』監督:ベキル・ビュルビュル
暉峻創三(映画評論家)
虚飾なき描写の積み重ねの果てに、突如夢幻的、魔術的とも見える光景が出現する斬新で寓話的な構成。説明描写を極力避け、挙動や表情、小道具、そして風景の力で多くを語らせる映画的演出。主人公たちの寡黙さとは対照的に、周縁的存在に大多数の台詞を付与する非一般的な脚本美学……。先鋭的で強烈な作家性を世界に印象付ける一作が登場した。
深田晃司(映画監督)
人間は理不尽に訪れる死を前になすすべもない。だからこそ、何千年も前からずっとあがき爪痕を残すように、芸術は死を描き続けてきた。戦争という理不尽に翻弄される少女にとって、死を背負う祖父の切実な歩みもまた理不尽である。しかし、その理不尽の中でもとにかく足を前に進ませなくてはならないその姿は、生きることそのもののようでもある。だからこそ、歩みの先にある「越境」の瞬間と、それを目撃する少女の姿に胸を打たれる。なぜなら、それはいずれ私たちに必ず訪れる未来の予兆でもあるからだ。
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『葬送のカーネーション』(英題:Cloves & Carnations)
監督:ベキル・ビュルビュル
脚本:ビュシュラ・ビュルビュル、ベキル・ビュルビュル
キャスト:シャム・セリフ・ゼイダン、デミル・パルスジャン
2022/トルコ・ベルギー/トルコ語・アラビア語/16:9/5.1ch/カラー/103分
日本公開:2024年1月12日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA他にて全国順次公開
配給:ラビットハウス
協賛:トルコ文化観光省/トルコ国営放送局
公式サイト
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