『ザ・ホエール』ブレンダン・フレイザーが変貌を遂げるメイキング映像が解禁!
- Fan's Voice Staff
A24が製作・配給を手掛けた鬼才ダーレン・アロノフスキー監督の新作『ザ・ホエール』で主演ブレンダン・フレイザーが特殊メイクで変貌を遂げる様子を捉えたメイキング映像が解禁されました。
映像ではフレイザーがスタッフ二人の手によって次第に肉付きのよいチャーリーに変貌していく様子がタイムラプスで切り取られています。メイクの途中に寝落ちしてしまうフレイザーの姿もしっかり収められていますが、このメイクにかかった時間は4時間超。およそ40日間に及ぶ撮影期間中、フレイザーは毎回スタジオに早入りし、4時間かけてチャーリーになるための特殊メイクを施し、余命幾許もなく身を削るような役を演じるという肉体的にも精神的にもハードな撮影に臨みました。

Photo Courtesy of A24
体重272キロのチャーリーの姿は、人間として精神の極限状態であり、命を脅かすほど深刻な状態であることが伝わらなくてはいけないと考えていたアロノフスキー監督。一方で、顔を分厚い特殊メイクで覆いすぎて、様々な感情を示す表情が見えづらくなることは絶対に避けなくてはならないと考えていたアロノフスキーは、『ファウンテン永遠につづく愛』『ノア約束の舟』『マザー!』でも度々タッグを組み、絶大な信頼を寄せるプロセティック・メイクアップ(特殊メイク)アーティストのエイドリアン・モロットに相談することに。

Photo Courtesy of A24
本作のために史上初の100%デジタル技術による特殊メイクを開発したモロットは、役柄の身体とフレイザー自身の境目が分からないようにし、さらにフレイザーが顔の筋肉を自由に動かせるようにするために、3Dモデリングを使ってデジタルスカルプチャーを作成。その後、クレイを使ったスカルプチャー作りを省いて、すぐに3Dプリントを行いました。
すべての特殊メイクをデジタル技術で作りだす方法は今回が長編映画初の試みとなり、本年度アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞へのノミネートへと繋がりました。

Photo Courtesy of A24
ボディも同様にデジタル技術で制作が行われ、5人がかりで着脱せねばならないほどの重みがファットスーツの中には、F1ドライバーのクールスーツに使われているような冷却システムも内蔵されていましたが、暑いことには変わりはなく、スーツを脱いだ際にバランスを失い眩暈を覚えるほど体に馴染むようになっていたというエピソードも。
ブレンダンは「あれを着た状態で動けるようになるまで、徹底的なトレーニングを行った。そんなところに筋肉があったのかと思うような筋肉がたくさん鍛えられたよ。肉体的には今まで演じてきた役の中でダントツでハードだったとコメント。「『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』の撮影で死にかけたことがある」と暴露していたフレイザーですが、「若い頃、砂漠の中で走り回ったことなんて、これに比べればなんてことないよ(笑)」と振り返っています。

Photo Courtesy of A24
==
『ザ・ホエール』(原題:The Whale)
ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー。アランの妹・看護師のリズの助けを受けながら、オンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てているが心不全の症状が悪化し、命の危険が及んでも病院に行くことを拒否し続けている。しかし、自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった娘エリーに再び会おうと決意。彼女との絆を取り戻そうと試みるが、エリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた…。
監督/ダーレン・アロノフスキー
原案・脚本/サミュエル・D・ハンター
キャスト/ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン
2022年/アメリカ/英語/117分/カラー/5.1ch/スタンダード/字幕翻訳:松浦美奈/PG12
日本公開/2023年4月7日(金)、全国ロードショー
提供/木下グループ
配給/キノフィルムズ
公式サイト
© 2022 Palouse Rights LLC. All Rights Reserved.