第75回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 受賞結果
- Fan's Voice Staff
第75回カンヌ国際映画祭のクロージングセレモニーと授賞式がフランス現地時間5月28日(土)夜に開催され、21作品が上映されたコンペティション部門の審査結果が発表されました。
コンペティション部門の審査員長は、昨年度のパルムドール受賞作『TITANE/チタン』の主演を務めたフランスの俳優・ヴァンサン・ランドン。彼を筆頭に、ノオミ・ラパス(女優/スウェーデン)、ジェフ・ニコルズ(監督・脚本家/アメリカ)、ラジ・リ(監督・脚本家・男優・プロデューサー/フランス)、レベッカ・ホール(脚本家・監督・女優/アメリカ・イギリス)、ディーピカー・パードゥコーン(女優/インド)、ジャスミン・トリンカ(女優・監督/イタリア)、ヨアキム・トリアー(監督・脚本家/ノルウェー)、アスガー・ファルハディ(監督・脚本家・プロデューサー/イラン)の計9名が審査を務めました。
受賞結果は以下の通りです。
パルムドール(最高賞)
『Triangle of Sadness』リューベン・オストルンド監督
船が遭難し孤島に流れ着いた人々のヒエラルキーの逆転を描く社会風刺が効いた爆笑悲喜劇。ハリス・ディキンソン、ウディ・ハレルソンら出演。スウェーデン出身のリューベン・オストルンド監督は『ザ・スクエア 思いやりの聖域』に続き2作連続、2度目のパルムドール受賞。
グランプリ
・『Close』ルーカス・ドン監督
13歳の少年二人の友情と裏切り、悲劇を描く青春譚。ルーカス・ドン監督は前作『Girl/ガール』で第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出され、カメラドール(新人監督賞)とクィアパルムを受賞。
・『Stars at Noon』クレール・ドゥニ監督
南米を舞台に陰謀に巻き込まれた米国人ジャーナリストと英国人男性のラブサスペンス。マーガレット・クアリー、ジョー・アルウィン共演。
監督賞
パク・チャヌク『Decision to Leave』
殺人の被害者の妻と刑事の複雑に絡み合う愛を描くサスペンス。カンヌではパク・チャヌク監督は2004年『オールド・ボーイ』でグランプリ、2009年『渇き』で審査員賞を受賞。
脚本賞
『Boy From Heaven』タリク・サレー監督
ハリウッドでも活躍するタリク・サレー監督がエジプトを舞台に撮ったサスペンスフルな社会派ドラマ。
審査員賞
・『EO』イエジー・スコリモフスキ監督
ロベール・ブレッソン監督・脚本による伝説の映画『バルタザールどこへ行く』(66年)をポーランドの名匠が独創的にリメイク。
・『The Eight Mountains』フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン&シャルロッテ・ファンデルメールシュ監督
山で出会ったふたりの青年の友情とそれぞれの生き様を描く人間ドラマ。『マーティン・エデン』でベネチア男優賞に輝いたルカ・マリネッリ主演。
75周年記念賞
『Tori and Lokita』ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ監督
アフリカからやってきた少年と姉のような少女を通して過酷な移民の現実を描く。
女優賞
ザール・アミール・エブラヒミ『Holy Spider』アリ・アッバシ監督
連続娼婦殺人犯と女性ジャーナリストの闘いを描く異色のサスペンス。スウェーデン出身のアリ・アッバシ監督は、前作『ボーダー 二つの世界』で第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」大賞を受賞。
男優賞
ソン・ガンホ『ベイビー・ブローカー』是枝裕和監督
是枝裕和監督初の韓国映画で、“赤ちゃんポスト”に預けられた子どもを売買するブローカー役を熱演。
==
第75回カンヌ国際映画祭
会期:2022年5月17日(火)〜5月28日(土)
開催地:フランス・カンヌ