News

2022.05.29 4:00

【カンヌ国際映画祭】『PLAN 75』早川千絵監督がカメラドール(新人監督賞)スペシャルメンションを受賞!

  • Fan's Voice Staff

第75回カンヌ国際映画祭の授賞式がフランス現地時間5月28日(土)に開催され、「ある視点」部門に選出されていた『PLAN 75』の早川千絵監督がカメラドール(新人監督賞)スペシャルメンションを受賞しました。

公式上映で登壇した早川監督(左)©Kazuko WAKAYAMA

先月のアカデミー賞で国際長編映画賞に輝いた濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』の快進撃は、昨年のカンヌ国際映画祭で日本映画初となる脚本賞を受賞したことから始まっており、いま再び日本映画に対する注目が世界各国で増しています。

早川監督は、2014年に短編『ナイアガラ』にて第70回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門に入選、ぴあフィルムフェスティバル(グランプリ)、ソウル国際女性映画祭(グランプリ)、ウラジオストク国際映画祭(国際批評家連盟賞)など数々の受賞歴を持っており、本作も昨年のベネチア映画祭の企画マーケットではすでに注目を浴びていました。

日本人監督作品が「ある視点」部門に出品されたのは、2017年の黒沢清監督『散歩する侵略者』以来5年ぶり。

©Kazuko WAKAYAMA

授賞式で、カメラドールの審査員長を務めたロッシ・デ・パルマから名前を読み上げられ、登壇した早川監督。受賞スピーチでは「すべての映画監督に最初に撮る1本目の映画があります。誰にとっても最初の1本目というのは思入れが深く、特別なものだと思うのですが、私にとっての特別で大切な1本目の映画をカンヌに呼んでいただき、評価してくださって本当にありがとうございます。『PLAN 75』という映画は今を生きる私たちに必要な映画であると言ってくれた方がいました。その言葉が心に深く響いています」と語りました。

『PLAN 75』は、映画監督・是枝裕和が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇『PLAN75』を新たに構築、キャストを一新した、早川千絵監督の初長編映画。超高齢化社会に対応すべく75歳以上の高齢者が自ら死を選び、それを国が支援する制度〈プラン75〉が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作です。

以下、キャストより祝福のコメントが到着しています。

倍賞千恵子(角谷ミチ役)
おめでとうございます。
この作品で「生きるということ」を優しく、力強く撮影していた日々が、昨日のことのように熱く蘇ってきました。
サァーこれからもどんどん映画作ってくださいね。
本当におめでとうございます。

磯村勇斗(岡部ヒロム役)
早川監督、受賞おめでとうございます!
受賞を聞いて、心が喜びで波打っています。
監督に現場で寄り添っていただいた日々が恋しいです。
改めて『PLAN 75』に参加させて頂けたことを光栄に思います。
早く日本の皆様にも届けたいです。

河合優実(成宮瑶子役)
早川監督、受賞、本当におめでとうございます。
『PLAN 75』がひとりひとりの心に何かを届け、それが今回このような形で残ることを、私も大変嬉しく思います。
これからも、早川監督のように心を尽くしてものづくりをされている方に光が当たる世界であることを願っています。

==

『PLAN 75』

世界でも速いスピードで高齢化が進んできた日本では、超高齢化社会に対応すべく75歳以上の高齢者が自ら死を選び、それを国が支援する制度〈プラン75〉が施行されることになった。制度の運用開始から3年──〈プラン75〉を推進する様々な民間サービスも生まれ、高齢者の間では自分たちが早く死ぬことで国に貢献するべきという風潮がにわかに広がりつつあった。
夫と死別後、ホテルの客室清掃の仕事をしながら、角谷ミチ(78歳)は⻑年⼀⼈で暮らしてきた。市役所の〈プラン75〉申請窓⼝で働いている岡部ヒロムや申請者のサポート業務を担当する成宮瑶子は、国が作った制度に対して何の疑問も抱かずに、業務に邁進する日々を送っていた。また、フィリピンから出稼ぎに来ていたマリアは高待遇の職を求め、〈プラン75〉関連施設での仕事を斡旋される。ある日、ミチは職場で高齢であることを理由に退職を余儀なくされる。職を失い、住む場所さえも失いそうになったミチは〈プラン75〉の申請手続きを行うか考え始め──。

出演/倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美
脚本・監督/早川千絵
脚本協力/Jason Gray
企画・制作/ローデッド・フィルムズ
製作/ハピネットファントム・スタジオ、ローデッド・フィルムズ、鈍牛俱楽部、Urban Factory、Fusee

日本公開/2022年6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
製作幹事・配給/ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee