【最速上映レポ】『ドクター・ストレンジ』〜MCU神話はまだ終らない〜
- CYUTAICYO
マーベル最新作『ドクター・ストレンジ』。マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)作としては通算14作目、フェイズ3の単独ヒーロ作としては第1弾(フェイズ3としては2作目)です。この作品を全米公開と同日の11月4日に、“最速上映”というファンイベントで観る機会をいただいたので、ネタバレがないようにレビューしようと思います。
僕は、基本的にMCU作品を評価する際に「原作と比べて……」「原作では……」というように原作コミックとの比較は一切しません。一本の劇場公開映画としてどうなのか?と言うことを重視しているからです。
同じ世界観を共有するMCUも14作目となり、キャラクターの背景などこれまでの作品との関連も増えているので、過去作品をある程度観ておかないと中々100%楽しめなくなってきているのが現状です。ファンなら全部観ていて当たり前……といわれそうですが、これからMCUを見始めたい人は少しハードルが高いと感じてしまうでしょう。
そんな中、『ドクター・ストレンジ』はMCUにおいて初登場となるキャラクターで、なおかつ既出キャラとの絡みもなく、過去作品を全く知らなくても全開で楽しめる作品になっています。(思えば『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)もそうでした。)実際、オープニングのMARVELファンファーレのあと、全くMCUであることすら感じさせないカラーで物語は進んでいきます。「魔術」と言う、MCUでは新しいジャンルのせいもあるかも知れません。その「魔術」は今作では大きなウェイトを占めています。杖を振って呪文を唱える、と言うような典型的な表現ではなく、役者の華麗な動きと視覚効果(CG)によって新しい魔術が生み出され、それに肉弾戦が織り込まれてます。これは「ガン=カタ」ならぬ「マジ=カタ」だ、と(笑)
そして公開前から話題となっている「映像美」ですが、これを考えた人は何かクスリでもやってるんじゃないかと思うぐらいに奇想天外なもの。3Dで観たら迫力満点間違いなしですね。もしかしたら酔ってしまう人も出るんじゃないかな?とにかく本来「背景」として動かない所が動きまくりです。これ、俳優さんたちは、ほとんどグリーンバックの撮影ばかりで大変だっただろうな、と思いました(笑)その俳優さんですが、従来のMCUとは違い主要キャストすべてが有名な個性派俳優を起用しています。これはMCUにしては珍しいのではないでしょうか。
「魔術」というファンタジー要素を、上手くリアル世界に融合させて、新たなヒーローを迎えた本作。本当のことをいうと、この『ドクター・ストレンジ』あたりでMCUは失速するんじゃないかと心配してたのですが、失速どころか加速してます!重いシーンと笑えるシーンのバランスも高い水準でまとめられて、見事な娯楽大作映画になったといえるでしょう。MCUファン以外の人にも、ぜひ観て欲しい1本ですね。