第73回カンヌ国際映画祭 公式ラインナップ「Cannes 2020」発表!ウェス・アンダーソン、ヴィゴ・モーテンセン、河瀨直美、深田晃司らが選出!
- Fan's Voice Staff
第73回カンヌ国際映画祭の公式ラインナップ(オフィシャル・セレクション)が、映画祭プレジデントのピエール・レスキュール、アーティスティック・ディレクターのティエリー・フレモーらによって、パリ現地時間6月3日(水)に発表されました。
本来は5月12日〜23日に開催される予定だった本映画祭ですが、新型コロナウイルスの世界的な蔓延を受けて7月上旬に延期。さらに、フランス政府による大規模イベントの禁止決定を受け、延期もキャンセルとなりました。本映画祭がキャンセルされるのは、長い歴史の中で1939年の1回のみ。1968年には、コンペティションの上映がゴダールらによって阻止され、開会後に中止になりました。
今回のオフィシャル・セレクションは、ラインナップ入りを果たした作品に”カンヌの称号”を与えるために発表されたものです。選出された作品は、プロモーションなどに「Cannes 2020」ブランドが使用できるとのこと。
2020年は世界147ヶ国より、史上初の2,000本を超えとなる2,067本のエントリーがありました。
その中から選出されたオフィシャル・セレクションは56本。初監督作品は15本(26.7%)で、昨年より5本増加。女性監督は16名(28.5%)で、2015年には6名に過ぎなかったことを考えると、大きな進化といえるでしょう。
ベニチオ・デル・トロ、ティモシー・シャラメ、レア・セドゥなど豪華キャストで話題のウェス・アンダーソン監督の『The French Dispatch』を始め、アカデミー作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックイーンの『Lovers Rock』と『Mangrove』の2作品、フランソワ・オゾンの『Été 85』、トマス・ヴィンターベア『Another Round』、さらには、『グリーンブック』でも知られる俳優ヴィゴ・モーテンセンの初監督作品『Falling』も選出。日本からは河瀨直美、深田晃司、宮崎吾朗の新作が選出されました。
リアルイベントでの映画祭が行われないこともあり、例年のようにコンペティションや「ある視点」部門、「ミッドナイト・スクリーニング」などの部門分けはされず、オープニングやクロージング作品の発表もありませんでした。
選出された作品は、今後実施される世界各国の映画祭でカンヌ・セレクションとして上映される予定で、フレモー氏は、トロント、ドーヴィル、釜山、ニューヨーク、ローマ、東京などの名前も挙げましたが、どこの映画祭でどの作品が上映されるのか、またすべての作品が上映されるのかなどについては、明らかにされていません。またサン・セバスティアン国際映画祭では、コンペティション部門での参加も可能となりました。
なお、併設部門として毎年開催されている「監督週間」は中止、業界関係者向けのマーケットは6月22日〜26日にオンライン開催されます。
コンペティション部門の審査員長に決定していたスパイク・リーは、来年、審査員長を務める予定です。
以下、「Cannes 2020」に選出された全56作品です。
THE FAITHFUL(カンヌ2度目以上)
『The French Dispatch』ウェス・アンダーソン(アメリカ)
『Été 85』フランソワ・オゾン(フランス)
『朝が来る』河瀨直美(日本)
『Lovers Rock』スティーヴ・マックイーン(イギリス)
『Mangrove』スティーヴ・マックイーン(イギリス)
『Druk (Another Round)』トマス・ヴィンターベア(デンマーク)
『ADN (DNA)』マイウェン(フランス・アルジェリア)
『Last Words』ジョナサン・ノシター(アメリカ)
『Heaven: To The Land Of Happiness』イム・サンス(韓国)
『El Olvido Que Seremos (Forgotten We’Ll Be)』フェルナンド・トルエバ(スペイン)
『Peninsula』ヨン・サンホ(韓国)
『In The Dusk (Au Crépuscule)』シャルナス・バルタス(リトアニア)
『Des Hommes (Home Front)』リュカ・ベルヴォー(ベルギー)
『本気のしるし』深田晃司(日本)
カンヌ初選出監督
『Passion Simple』Danielle Arbid(レバノン)
『A Good Man』Marie Castille Mention-Schaar(フランス)
『Les Choses Qu’on Dit, Les Choses Qu’on Fait』Emmanuel Mouret(フランス)
『Souad』By Ayten Amin(エジプト)
『Limbo』By Ben Sharrock(イギリス)
『Rouge (Red Soil)』Farid Bentoumi(フランス)
『Sweat』Magnus Von Horn(スウェーデン)
『Teddy』Ludovic Et Zoran Boukherma(フランス)
『February (Février)』Kamen Kalev(ブルガリア)
『Ammonite』Francis Lee(イギリス)
『Un Médecin De Nuit』Elie Wajeman(フランス)
『Enfant Terrible』Oskar Roehler(ドイツ)
『Nadia, Butterfly』Pascal Plante(カナダ)
『Here We Are』Nir Bergman(イスラエル)
オムニバス映画
『Septet: The Story Of Hong Kong』Ann Hui, Johnnie To, Tsui Hark, Sammo Hung, Yuen Woo-Ping, Patrick Tam(香港)
初長編監督作品
『Falling』ヴィゴ・モーテンセン(アメリカ)
『Pleasure』Ninja Thyberg(スウェーデン)
『Slalom』Charlène Favier(フランス)
『Casa De Antiguidades (Memory House)』Joao Paulo Miranda Maria(ブラジル)
『Broken Keys (Fausse Note)』Jimmy Keyrouz(レバノン)
『Ibrahim』Samir Guesmi(フランス)
『Beginning (Au Commencement)』Déa Kulumbegashvili(ジョージア)
『Gagarine』Fanny Liatard, Jérémy Trouilh(フランス)
『16 Printemps』Suzanne Lindon(フランス)
『Vaurien』Peter Dourountzis(フランス)
『Garçon Chiffon』Nicolas Maury(フランス)
『Si Le Vent Tombe (Should The Wind Fall)』Nora Martirosyan(アルメニア)
『John And The Hole』Pascual Sisto(アメリカ)
『Striding Into The Wind (Courir Au Gré Du Vent)』Wei Shujun(中国)
『The Death Of Cinema And My Father Too (La Mort Du Cinéma, De Mon Père Aussi)』Dani Rosenberg(イスラエル)
ドキュメンタリー映画(3作品)
『En Route Pour Le Milliard (The Billion Road)』Dieudo Hamadi(コンゴ共和国)
『The Truffle Hunters』Michael Dweck, Gregory Kershaw(アメリカ)
『9 Jours A Raqqa』Xavier De Lauzanne(フランス)
コメディ映画(5作品)
『Antoinette Dans Les Cévènnes』Caroline Vignal(フランス)
『Les Deux Alfred』Bruno Podalydès(フランス)
『Un Triomphe (The Big Hit)』Emmanuel Courcol(フランス)
『L’Origine Du Monde』Laurent Lafitte(フランス)※初監督作品
『Le Discours』Laurent Tirard(フランス)
アニメーション映画(4作品)
『アーヤと魔女』宮崎吾朗(日本)
『Flee』Jonas Poher Rasmussen(デンマーク)
『Josep』Aurel(フランス) ※初監督作品
『ソウルフル・ワールド』ピート・ドクター(アメリカ)