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2020.01.28 13:00

ベネチア映画祭騒然の問題作『ペインティッド・バード』、邦題を『異端の鳥』として2020年初夏公開決定!

  • Fan's Voice Staff

第76回ベネチア国際映画祭において、『ジョーカー』に並び話題を集めた映画『The Painted Bird(原題)』が、邦題を『異端の鳥』として2020年初夏に日本公開されることが決定しました。

第二次大戦中、ナチスのホロコーストから逃れるためにたった一人で田舎に疎開した少年が、差別と迫害に抗いながら強く生き抜く姿と、異物である少年を徹底的に攻撃する“普通の人々”を赤裸々に描いた本作。人はなぜ異質な存在を排除しようとするのか?ホロコーストの源流を辿り、戦争と人間の本性に迫る美しくも残酷な衝撃作は、観る者の心を激しく揺さぶり問いかけてきます。

第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門でのワールドプレミア上映では、少年の置かれた過酷な状況が賛否を呼び、途中退場者が続出。一方で、10分間のスタンディングオベーションを浴び、ユニセフ賞を受賞。同映画祭屈指の話題作となりました。その後も多くの批評家から絶賛を浴び、アカデミー賞国際長編映画賞のチェコ代表にも選ばれました。

原作は自身もホロコーストの生き残りである、ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した代表作「ペインティッド・バード(初版邦題:異端の鳥)」。ポーランドでは発禁書となり、作家自身も後に謎の自殺を遂げた“いわくつきの傑作”を映画化するために、チェコ出身のヴァーツラフ・マルホウル監督は、3年をかけて17のバージョンのシナリオを用意。資金調達に4年をかけ、さらに主演の少年が成長していく様を描く為、撮影に2年を費やし、実に11年もの歳月をかけて映像化しました。

撮影監督を務めたウラジミール・スムットニーは、『コーリャ 愛のプラハ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、チェコのアカデミー賞であるチェコ映画賞最優秀映画賞を7度も受賞しているチェコ映画界の巨匠。舞台となる国や場所を特定されないように使用される言語は、人工言語「スラヴィック・エスペラント語」を採用。シネスコ、モノクロームの圧倒的な映像美で描かれる約3時間の物語は、映画的な驚異と奇跡に満ち満ちています。

迫害を生き抜くうちに徐々に心を失っていく少年を体当たりで演じ切ったのは、新人のペトル・コトラール。ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアーなどのいぶし銀の名優たちが顔を揃え、脇を固めています。

なお第32回東京国際映画祭(2019年)では、『ペインテッド・バード』としてワールド・フォーカス部門で上映されています。

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『異端の鳥』(原題:The Painted Bird)

東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である一人暮らしの叔母が病死した上に火事で家が消失したことで、身寄りをなくし一人で旅に出ることになってしまう。行く先々で彼を異物とみなす周囲の人間たちの酷い仕打ちに遭いながらも、彼はなんとか生き延びようと、必死でもがき続ける──。

監督・脚本/ヴァーツラフ・マルホウル 
原作/イェジー・コシンスキ「ペインティッド・バード」 (松籟社・刊)
キャスト/ペトル・コトラール、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアー
2018年/チェコ・スロヴァキア・ウクライナ合作/スラヴィック・エスペラント語、ドイツ語ほか/169分/シネスコ/DCP/モノクロ/5.1ch/字幕翻訳:岩辺いずみ/R15

日本公開/2020年初夏・TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給/トランスフォーマー
後援/チェコ共和国大使館 日本・チェコ交流100周年記念作品
公式サイト
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