【単独インタビュー】『Marvel ザ・ディフェンダーズ』のチャーリー・コックス&フィン・ジョーンズに直撃!
- Akira Shijo
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)と世界観を共有しながらも、シリアスでダークな作風、さらにネット配信ならではの過激な描写もふんだんに盛り込まれたNetflixオリジナルドラマシリーズ『Marvel デアデビル』、『Marvel ジェシカ・ジョーンズ』、『Marvel ルーク・ケイジ』、そして『Marvel アイアン・フィスト』。
そんな4人のヒーローたちが集結し、ニューヨークに迫る巨大な闇に立ち向かうクロスオーバー・ドラマが『Marvel ザ・ディフェンダーズ』です。
『ザ・ディフェンダーズ』の配信開始に先立ち、盲目の戦う弁護士マット・マードック/デアデビル役のチャーリー・コックス氏、不死龍を宿す鋼の拳闘士ダニー・ランド/アイアン・フィスト役のフィン・ジョーンズ氏が来日。Fan’s Voiceでもインタビューを敢行しました!
(インタビュアー:始条アキラ、Kyo Infinity)
――『ザ・ディフェンダーズ』鑑賞させていただきました。それぞれのストーリーが並行しながらも、自然に絡み合っていたのが印象的です。これまでの作品で主人公を演じてきた中で、他の俳優たちをライバルのように意識したことはありますか?
フィン・ジョーンズ(以下FJ)「ないなあ」
チャーリー・コックス(以下CC)「全くないね、本当に」
FJ「『ザ・ディフェンダーズ』の撮影では、そこがいいところでもあったんだ。僕たちはお互い応援し合っているし、撮影の間も対等な立場で助け合いながら過ごすことができた」
CC「俳優業界は斬るか斬られるか。そんな競争の激しい世界で働く上で、僕がすぐに学ぶことになったのが『役者として幸せな人生を送りたいのなら、関わった全員を大切に思うこと』という教えなんだ。自分と他の俳優たちを比べはじめてしまうと、むしろ茨の道を進むことになる。他の俳優たちの成功は、自分も含めた役者全員にとっての成功だと考えるようにしているんだ」
――フィンさんのインスタグラムを拝見しました。おふたりとも、観光をとても楽しんでいらっしゃるようですね。
CC「ありがとう(笑)」
FJ「ちょっと待った!じゃあ、僕たちは昨日どこにいた?」
――秋葉原と渋谷、それから鎌倉ですね?
FJ「正解〜!ありがとう!」
――日本での滞在はいかがですか?これから楽しみなことはありますか?
FJ「今のところ、最高に楽しんでるよ!秋葉原はクールな街だったし、渋谷の「やじま」で食べた寿司はとても美味しかった。Instagramにアップしたけど、お店もとてもいい雰囲気だった。その後は鎌倉のキレイな海で泳いで、お寺で大仏も見てきた。荘厳で素晴らしかったね。一日でずいぶんいろいろ周った気がする」
CC「それに今夜はフィンとカラオケに行くつもりだしね!」
FJ「ホントに!?」
CC「冗談。僕、下手だし」
FJ「僕もあんまり上手くないんだよね、カラオケ(笑)それはともかく、街も文化も本当に素敵な国だと思うよ」
――チャーリーさんは、明日お帰りになってしまうとか。
CC「そうなんだよ、残念ながら」
FJ「さようなら、チャーリー……」
CC「あなたはまた会うでしょ(笑)」
――好きなお寿司のネタはありますか?
FJ「昨日食べた中だと、エビミソかな。海老の肝」(注:甘海老の海老味噌乗せ)
CC「僕の好みではなかったかな……でも昨日いただいたお寿司は、お世辞じゃなく本当に美味しかった。今まで食べてきたお寿司はお寿司じゃなかったと思わされるほどだったよ」
――今回共演されてみて、お互いに人間として、俳優として尊敬できる点はありますか?
FJ「ないかな!」
CC「ひどいよ(笑)僕はフィンの熱意が大好き。彼は「生きる」ということに対してすごく熱い男で、それが他の人たちにも広がっていくように感じることもあるんだ。そういう人と過ごすのは、とても楽しいね」
FJ「『ザ・ディフェンダーズ』の撮影でチャーリーと一緒になったことで最高だったのは、たとえば何か問題やハプニングが起こった時、僕も含めた他のメンバーはワーワー騒いじゃうタイプなんだよね。そんな時でもチャーリーは一歩引いて、色々なことを思慮深く考えて、みんなと交渉しながら解決していく。そんな彼を見ていて学ぶことは多かったと思うよ」
――チャーリーさんに質問です。マットは戦う時、デアデビルのマスクや黒い布を着けますよね。あれって実際は見えるんですか?
CC「あれ、実はかなりよく見えるんだ。目の部分に赤いレンズが付いていて、奥行きがちょっと狂って見えることはあるんだけど、ほとんどの場合は問題ない。黒い布の方は、確かにマスクよりも見づらいかな。でも薄手の素材でできているので、アクションに支障がない程度にはちゃんと見えているよ」
――フィンさんへの質問です。これまでの劇中では顔を出して“ダニー・ランド”として活動することの多かったダニーですが、いずれマスクとコスチュームを着ることはありますか、あるいは着てみたいですか?
FJ「そうなったらうれしいね(笑)個人的にも着てみたいし。コミックのアイアン・フィストのマスクはクールだし、ぜひ着けてみたい。『ザ・ディフェンダーズ』の劇中ではデアデビルのスーツを見たダニーが衝撃とインスピレーションを受けるシーンもあるから、ぜひそうなってほしいと思ってるよ。それに、バクトの施設で見せられた(『アイアン・フィスト』10話)過去のアイアン・フィストの映像があったよね?彼もまたマスクをつけていたし」
――ダニーもいずれは彼のように両拳に力を宿すようになるでしょうか?
FJ「そうなるといいね!修行を終える前にクン・ルンを出てしまったダニーは、まだ完全なアイアン・フィストにもなれていないし。修行よりも戦いに気持ちが向いてしまっている面もあるから、いつか自分の中に落ち着きを見つけることができれば、きっと今の2倍の“気”を操ることも出来るようになると思う」
――『ザ・ディフェンダーズ』の予告でもあった、チーム全員でテーブルを囲うシーンが印象に残りました。お二人の好きな中華料理は何ですか?
FJ「少なくとも、あの日の撮影で出たものじゃないね(笑)温め直されたもので、味も本当にひどかった。僕の一番好きな中華料理は……ブルックリンにある店の北京ダック、それに牛肉入りの炒飯……」
CC「小籠包かな」
FJ「そうだ!小籠包。ああ、本当においしいんだよ……ニューヨークに帰ったら一緒に行こう」
CC「行こう行こう!」
――もしもヤミノテ(ハンド)のように、大切な人を死から蘇らせる方法があるとしたら?
FJ「僕は……使わないかな。悲しいけれど、やっぱり人がこの世界を去ってしまうことは、そういう運命なんだと思う。」
CC「僕も使わないと思う」
FJ「死んでしまった人を自分のためだけに生き返らせようとするなんて、あまりに自己中心的すぎるんじゃないかな?……天国で楽しく過ごしてたかもしれないのに!」
CC「ちょっと(笑)でも、歴史に残るような偉大な作品やアルバムを完成させられないまま死んでしまった人を生き返らせたい気持ちはあるかも……ジョン・レノンとか」
FJ「デヴィッド・ボウイ」
CC「彼は十分生きたでしょ!69歳だよ(笑)」
FJ「いやいや、とんでもない!もう10年はやれたよ、絶対」
――それぞれの主演シリーズ『デアデビル』、『アイアン・フィスト』でお気に入りのエピソードはありますか?
CC「おお!初めて聞かれた質問だ」
FJ「ダニーが閉じ込められた精神病院から脱出する第2話と、バクトの本拠地で彼と対峙する第10話かな」
CC「ウラジミールと地下に降りて、フィスクと無線で会話するシーズン1の第6話。それからシーズン2の第5話、エレクトラがマットの前に現れて過去を回想するエピソードも好きだね。あなたの好きなエピソードはどれ?」
FJ「『ジェシカ・ジョーンズ』とか言わないでね(笑)」
――『デアデビル』ならシーズン1の最終話、フィスクとの決戦。『アイアン・フィスト』は第1話と、第9話冒頭で蘇ったハロルド・ミーチャムが沼から這い上がるシーンですね。
FJ「いいとこ選ぶねえ(笑)」
CC「ありがとう!」
――ダニーは自分の使命や責任を重く受け止めすぎるタイプのように感じます。『ザ・ディフェンダーズ』での新たな戦いを通じて、彼は成長することができるでしょうか?
FJ「間違いなく。ずっとクン・ルンにこもって修行をしていたダニーとって、“人間として成長すること”は最も重要なポイントだよね。自分と同じように特別な能力を持った3人の仲間たち、ただ戦うためではなく“人を守る”という目的意識を持って能力を使うヒーローたちと初めて出会うことで、より強い責任感を持つようになる。それにもちろん、今後起きる事件によっても成長していくと思うよ」
――『デアデビル』、そして『ザ・ディフェンダーズ』にもある裁判シーンの攻勢が小気味よくて大好きです。弁護士としてのマットの演技の参考にした映画はありますか?
CC「いわゆる“法廷モノ”の映画はたくさんあるよね。まずは何よりハーパー・リーの『アラバマ物語』(62年)。大好きな名作なんだ。それからジョン・グリシャムの……死刑だ!地獄で焼かれるがいい!」(注:サミュエル・L・ジャクソンのモノマネ)
FJ「ワオ、出演すべきだったね」
CC「(笑)『評決のとき』(96年)だよ。マシュー・マコノヒーの演技も素晴らしかったね。それからケビン・コスナーの『JFK』(91年)にも大きな影響を受けた。実は、個人的にも法廷モノが大好きなんだ……それから『ア・フュー・グッドメン』(92年)。おまえに真実はわからん!」(注:ジャック・ニコルソンのモノマネ)
FJ「(笑)」
CC「いい質問をありがとう」
――これまでのシリーズ、そして本作『ザ・ディフェンダーズ』はNetflixでの配信という新しい形式をとるドラマ作品です。Netflixだからこそできたことはありますか?
FJ「僕にとってはまず何より、旅ができることだね(笑)プロモーションのためにいろんな国に足を運べてとても楽しいよ。同じ日に、190ヶ国に配信される。190!超すごいよね。世界中のいろんなファンにすぐに作品を届けることができるのは、本当にうれしい」
CC「僕はやっぱり、各話の脚本を自然に繋げてシリーズを構成できることが大きいと思う。一週間に一回放送されるような普通のTVドラマの形式だと、来週も見てもらうためのクリフハンガー(クライマックスで中断して次回に続ける手法)を仕込んだり、毎回の冒頭にそれまで起きたことを説明したりしなくちゃいけない。Netflixはその必要がないから“13時間の映画”のようなドラマを作れるのが魅力のひとつだと思うね」
FJ「Netflixがここまで成功しているのは、映画やドラマを観る形を視聴者ひとりひとりが自分で選べる、という点だと思う。すごく観たい作品は一気に観ることができるし、それぞれが自由に作品を楽しめる。僕自身も使っているけど、1話だけだったり5話まとめてだったり、好きな時に好きなだけ観ることが多いしね」
――『ザ・ディフェンダーズ』では、それぞれのキャラクターやテイストに合わせて光や色の演出効果的に使われていますね。おふたりの好きな色はありますか?
FJ「オレンジ」
CC「本当に?僕はあまり好きじゃないかな」
FJ「なんで!?太陽の色でしょ!」
CC「いやいや、太陽は黄色だよ!黄色も好きだけど、一番は緑」
FJ「嫉妬の色じゃん……」
CC「アイアン・フィストの色だよ」
FJ「え?………そうだった!生命の色だね。緑、大好き」
CC「僕たち、もう好きな色とか言うような年齢じゃない気はするけどね(笑)」
FJ「太陽はオレンジだよ、絶対。」
CC「黄色だよ黄色!僕は黄色の太陽が好き」
――日本では、太陽は“赤”で描かれることが多いですね。
FJ・CC「ああ〜〜〜〜〜〜」
FJ「国旗だ。日の丸」
CC「美しい色だよね。デアデビル・レッドでもあるし」
――ディフェンダーズの、アベンジャーズにない魅力とは?
FJ「メンバーはみんな短所だらけで、パーフェクトな存在じゃないからこそ、より人間的で共感できるキャラクターたちだと思う。それぞれ葛藤を抱えているし、チームを組んで共闘しようとも思っていない。アベンジャーズがビートルズだとしたら、僕たちディフェンダーズはラモーンズかニルヴァーナだね(笑)」
CC「ニルヴァーナ!そのたとえ最高」
――もしもディフェンダーズの4人が戦ったら、最後に立っているのは誰だと思いますか?
FJ「クリステン・リッター」
CC「賛成。彼女は賢いから、その場を立ち去るかも」
FJ「ケンカは一緒に始めるけど、僕たち3人が戦い合ってる間にスッといなくなると思う」
CC「ジェシカは耐久力もあるし。最後まで横でずっと見てるかもしれないね(笑)」
――ありがとうございました!
プライベートでも仲がいいというふたり。談笑を交えながら、思わずこちらも笑顔になってしまうほどの和やかな雰囲気にてお話ししてくださり、その絆の強さが伝わってくるようでした。さらに、Fan’s Voice読者へのスペシャルメッセージもいただきました!
ふたりが出演するNetflixオリジナル『Marvel ザ・ディフェンダーズ』は、2017年8月18日(金)16時(日本時間)より全世界同時オンラインストリーミング開始です。あまりの面白さに一気見必至かも!?