News

2019.09.26 13:54

第32回東京国際映画祭ラインナップ発表!コンペティション部門、特別招待作品が決定

  • Fan's Voice Staff

10月28日(月)~11月5日(火)の9日間に渡り開催される第32回東京国際映画祭のラインナップ発表会が9月26日(木)に都内で実施され、コンペティション部門、特別招待作品をはじめとした全上映作品が発表されました。

東京オリンピックを来年に控え、日本にフォーカスした今年は、山田洋次監督の『男はつらいよ お帰り 寅さん』がオープニングを飾ります。1969年に第1作が公開された“寅さん”シリーズは、今年で50周年を迎えます。新しく撮影された映像と、4Kデジタル修復された過去作品の映像を組み合わせた本作。スペシャル・ゲストとして登壇した山田監督は、「50年かかってつくりあげた映画のよう。50年かかってつくる映画はこれから先もないでしょうから、そこは観ていただきたいところです」と感慨深気に語りました。

山田洋次監督

フェスティバル中盤に注目作を上映するGALAスクリーニング作品には周防正行監督『カツベン!』、Japan Nowでは大林宣彦監督特集や、今年5月に亡くなった大女優の京マチ子特集など、さまざまな角度から日本映画にスポットライトを当てたプログラムが組まれています。

新規の企画としては、カンヌ国際映画祭で開催されている「ウーマン・イン・モーション」(ケリング主催)のトークイベントの初開催が決定しました。女優の寺島しのぶ、写真家・映画監督の蜷川実花、アーティストのスプツニ子!という第一線で活躍する3人が、自らの経験を通して、映像界における女性の問題や活動について語ります。

左より)スプツニ子!(撮影:Mami Arai)、寺島しのぶ(撮影:渡部孝弘/提供:ホリプロ)、蜷川実花

クロージング作品として発表されていたNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』は、TOHOシネマズ 六本木ヒルズの4K対応スクリーンで上映するため、特別招待作品に変更されました。

コンペティション部門

ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督『アトランティス』

2019年1月以降に完成した長編を対象に、世界各国からの新作がグランプリを競うコンペティション部門。115の国と地域から1104の応募があり、以下14本が選出されました。

『列車旅行のすすめ』アリツ・モレノ(スペイン・フランス)
『アトランティス』ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ(ウクライナ)
『喜劇 愛妻物語』足立紳(日本)
『チャクトゥとサルラ』ワン・ルイ(中国)
『ディスコ』ヨールン・ミクレブスト・シーヴェシェン(ノルウェー)
『湖上のリンゴ』レイス・チェリッキ(トルコ)
『ジャスト 6.5』サイード・ルスタイ(イラン)
『ラ・ヨローナ伝説』ハイロ・ブスタマンテ(グアテマラ・フランス)
『マニャニータ』ポール・ソリアーノ(フィリピン)
『ネヴィア』ヌンツィア・ステファノ(イタリア)
『動物だけが知っている』ドミニク・モル(フランス)
『ばるぼら』手塚眞(日本・イギリス・ドイツ)
『戦場を探す旅』オーレリアン・ヴェルネ=レルミュジオー(フランス・コロンビア)
『わたしの叔父さん』フラレ・ピーダセン(デンマーク)

キーワードは、チャレンジング、インスパイリング、エンターテイニング。デビュー作、あるいは2〜4作目の新進監督たちの名前が目立ちます。

ナポリが舞台の青春映画『ネヴィア』のヌンツィア・ステファノ監督は新人ながらも、プロデュースを鬼才マッテオ・ガローネが務めています。

『ネヴィア』©ARCHIMEDE 2019

ウクライナ映画『アトランティス』は、2025年を舞台にしたディストピアSF。2014年の話題作『トライブ』の撮影監督だったヴァレンチン・ヴァシャノヴィチの監督作で、ワンシーン、ワンショットの強烈なヴィジュアルが見どころです。

『ラ・ヨローナ伝説』は、ホラーではなく、グアテマラの80年代の虐殺事件を背景にした社会派スリラー。監督は『火の山のマリア』がベルリンで話題になったハイロ・ブスタマンテ。

『ラ・ヨローナ伝説』©LA CASA DE PRODUCCIÓN – LES FILMS DU VOLCAN 2019

女性スナイパーの闇を描いたポール・ソリアーノ監督の『マニャニータ』は、フィリピンの名匠ラブ・ディアスが脚本を手掛けた話題作です。

日本からは2本。『ばるぼら』は、監督手塚眞、撮影監督クリストファー・ドイルに、主演・稲垣吾郎、二階堂ふみという話題作。原作は手塚治虫の漫画としては異色作といわれている作品ですが、手塚監督からすると「手塚治虫らしい作品だと思っている」とのこと。父親と息子の接点であり融合という新しい手塚ワールドに注目です。手塚監督は東京国際映画祭の常連ですが、本作でコンペデビュー。

『ばるぼら』©Barbara Film Committee

足立紳監督は、第2作目にして初コンペ入り。水川あさみ演じる恐妻と、濱田岳演じるダメ夫によるコメディ『喜劇 愛妻物語』。原作、脚本も足立監督が手掛けましたが、濱田演じる主人公は、足立監督の分身だとか。

コンペティション部門の審査員は5人。初の女性審査員長を務める、中国を代表する女優チャン・ツィイーを始め、米国のプロデューサー、ビル・ガーバー、女優でプロデューサーのジュリー・ガイエ、デンマークの気鋭監督マイケル・ノアー、そして廣木隆一監督がコンペティション部門の審査を務めます。

チャン・ツィイー

特別招待作品

タイカ・ワイティティ監督『ジョジョ・ラビット』© 2019 Twentieth Century Fox

日本公開前の最新作がプレミア上映される特別招待作品には、今年のトロント国際映画祭で観客賞を受賞したタイカ・ワイティティ監督の『ジョジョ・ラビット』や、ヴェネチア国際映画祭でワールドプレミアされた『マリッジ・ストーリー』、マーティン・スコセッシ監督最新作』などを筆頭に、オープニング作品、GALAスクリーニング作品、特別上映作品含め27本の話題作が揃いました。

特別招待作品

『決算!忠臣蔵』中村義洋(日本)
『アースクエイクバード』ウォッシュ・ウェストモアランド(アメリカ)
『アイリッシュマン』マーティン・スコセッシ(アメリカ)
『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』ユー・フェイ(中国・日本)
『オルジャスの白い馬』竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ(日本・カザフスタン)
『”隠れビッチ”やってました。』三木康一郎(日本)
『グレタ GRETA』ニール・ジョーダン(アイルランド・アメリカ)
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』片渕須直(日本)
『殺さない彼と死なない彼女』小林啓一(日本)
『ジョジョ・ラビット』タイカ・ワイティティ(アメリカ)
『NO SMOKING』佐渡岳利(日本)
『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』ディーン・デュボア(アメリカ)
『ヒックとドラゴン2』ディーン・デュボア(アメリカ)
『ひとよ』白石和彌(日本)
『HUMAN LOST 人間失格』木﨑文智(日本)
『フォードvsフェラーリ』ジェームズ・マンゴールド(アメリカ)
『Blinded by the Light(原題)』グリンダ・チャーダ(イギリス)
『マリッジ・ストーリー』ノア・バームバック(アメリカ)

Netflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』2019年冬配信予定

特別上映作品

『初恋のきた道』チャン・イーモウ(中国)
『ヒックとドラゴン』ディーン・デュボア、クリス・サンダース(アメリカ)
『シネマ歌舞伎 女殺油地獄』井上昌典(日本)
『帰郷』杉田成道(日本)
『その瞬間、僕は泣きたくなった -CINEMA FIGHTERS project-』三池崇史、行定勲、松永大司、洞内広樹、井上博貴(日本)
『東京パラリンピック 愛と栄光の祭典』渡辺公夫(日本)
『ノンフィクションW 大林宣彦&恭子の成城物語 ~夫婦で歩んだ60年の映画作り〜』(日本)

『ヒックとドラゴン』©2010 DreamWorks Animation LLC.All Rights Reserved.

チケット発売

一般チケットは、映画祭公式サイトでのメルマガ会員向け抽選販売、先行抽選販売に続いて、10月12日(土)、13日(日)に部門別に販売開始されます。

チケット発売の詳細や、「アジアの未来」「ワールド・フォーカス」など、その他部門の作品については、映画祭公式サイトをご覧ください。

==

第32回東京国際映画祭

開催期間/2019年10月28日(月)~11月5日(火)
会場/六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区) 、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区) 他
公式サイト