News

2019.05.11 17:00

パヴェウ・パヴリコフスキ監督最新作『COLD WAR あの歌、2つの心』予告編&新場面写真が解禁

  • Fan's Voice Staff

冷戦下、時代に翻弄される恋人たちの姿を美しいモノクロ映像と名歌で描き出した、パヴェウ・パヴリコフスキ監督最新作『COLD WAR あの歌、2つの心』の日本版予告編と新場面写真が解禁されました。

1949年、東西冷戦の影響が色濃く出始めていた共産主義政権下のポーランドで、歌手を夢見るズーラ(ヨアンナ・クーリク)は、民族音楽舞踏団“マズレク”のオーディションでピアニスト・ヴィクトル(トマシュ・コット)に出会います。瞬く間に激しい恋に落ちる2人。その後、マズレクの花形として舞台で輝き続けるズーラでしたが、西側の自由な音楽・ジャズへの渇望を止められないヴィクトルは、ズーラとともにジャズが自由に演奏できるパリ(西側)への亡命を決意。しかし、冷戦の時代は容赦無く2人を引き裂いていく──。

「結局、大きな疑問は、永遠に続く愛の可能性はあるのか?愛は、人生を、歴史を、この世界を超越することができるのか?」とパヴリコフスキ監督が語るように、ポーランド・ベルリン・ユーゴスラビア・パリを舞台に、過酷ながらもドラマティックでもあった時代に音楽で結ばれ、互いへの燃え上がる愛だけは貫こうとする二人を美しく情熱的に描いた本作は、2018年5月の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞。2019年2月に授賞式が開催された第91回アカデミー賞では、外国語映画賞、撮影賞に加え、外国語映画ながらも監督賞にノミネートされ、大きな注目を浴びました。

劇中に流れる印象的な歌「Dwa serduzka」(ドゥヴァセルドゥシカ=2つの心)は、ポーランドの伝統音楽と舞踏を継承する実在の楽団で、“マズレク”のモデルとなった“マゾフシェ”が長く歌い繋いできた、スタンダードナンバー。冒頭のオーディションでズーラが歌う際は東側の象徴である純粋なポーランド民謡として、パリのジャズバーで歌う際は、当時東側では禁止されていた西側の音楽・ジャズにアレンジして登場。本楽曲が形を変えながら何度も登場することで、ズーラとヴィクトルの関係性や時代の変化をあらわすメタファーとして表現され、本作ではズーラとヴィクトルに次いで「3人目の主人公」と言われるほどの重要な役割を担います。

ポーランド出身のパヴェウ・パヴリコフスキ監督は、前作『イーダ』(13年)で第87回アカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。

==

『COLD WAR あの歌、2つの心』(英題:Cold War)

ピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラはポーランドの音楽舞踏学校で出会い、愛し合うようになる。冷戦中、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、ベルリンでの公演時、パリに亡命する。歌手になったズーラは公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会する。ズーラは彼とパリに住み始めるが、やがてポーランドに戻ってしまい、ヴィクトルも後を追う。二人の愛は結ばれるのだろうか…。

監督/パヴェウ・パヴリコフスキ
脚本/パヴェウ・パヴリコフスキ、ヤナッシュ・クヲウァツキ、ピヨトル・バルコフスキ
撮影/ウカシュ・ジャル
出演/ヨアンナ・クーリグ、トマシュ・コット、アガタ・クレシャ、ボリス・シィツ、ジャンヌ・バリバール、セドリック・カーン、他
2018年/ポーランド・イギリス・フランス/ポーランド語・フランス語・ドイツ語・ロシア語/モノクロ/スタンダード/5.1ch/88分/DCP/G/日本語字幕:吉川美奈子/原題:Zimna wojna

日本公開/2019年6月28日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほか全国公開
配給/キノフィルムズ/木下グループ
後援/ポーランド広報文化センター