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2019.04.23 8:00

ナディーン・ラバキー監督の衝撃作『カペナウム(原題)』、邦題『存在のない子供たち』にて7月公開

  • Fan's Voice Staff

「12歳の少年が両親を告訴する」──中東の貧困、移民などの社会問題を背景とした衝撃作『カペナウム』(原題)が、邦題『存在のない子供たち』として7月に全国公開されることが決定しました。

名女優ケイト・ブランシェットが審査員長を務めた第71回カンヌ国際映画祭で審査員賞、エキュメニカル審査員賞を受賞。第76回ゴールデン・グローブ賞および第91回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるなど、高い評価を受けた本作。

ナディーン・ラバキー監督 © Mathilde Petit /FDC

メガホンをとったのは、カンヌ国際映画祭で話題を呼んだ『キャラメル』(07年)で監督・脚本・主演の一人三役を果たした、レバノン出身のナディーン・ラバキー監督。中東を代表する女性監督として注目を集めるラバキーは、5月14日に開幕する本年度カンヌ国際映画祭「ある視点部門」の審査員長を務めることも決定しています。

そんなラバキー監督が、リサーチ期間に3年を費やした本作は、主人公ゼインを始め出演者のほとんどは、似た境遇にある素人。感情をありのままに出して自分自身を生きてもらい、彼らが体験する出来事を演出するという手法をとった結果、リアリティを突き詰めながらも、ドキュメンタリーとは異なる“物語の強さ”を、観る者の心に深く刻み込むことに成功しました。

中東のスラム街で、必死に生きようとする彼らの強いまなざしやその歩みに、胸を打たれずにはいられません。断ち切ることも抜け出すこともできず、巻き込まれるしかなかった小さな存在が起こすセンセーショナルな展開に感情を揺さぶられ、いまできることは何かと深く自身に問わずにはいられない衝撃作です。

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『存在のない子供たち』(原題:Capharnaüm)

監督・脚本・出演/ナディーン・ラバキー
出演/ゼイン・アル・ラフィーア、ヨルダノス・シフェラウ、ボルワティフ・トレジャー・バンコレ
2018/レバノン、フランス/カラー/アラビア語/125分/シネマスコープ/5.1ch/PG12/字幕翻訳:高部義之

日本公開/2019年7月、シネスイッチ 銀座ほか全国公開
配給/キノフィルムズ/木下グループ
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