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2026.06.17 11:00

『大統領のケーキ』本編冒頭シーンが解禁!

  • Fan's Voice Staff

イラク映画として初めてカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)と監督週間観客賞を受賞し、第98回アカデミー賞国際長編映画部門のイラク代表に選出された『大統領のケーキ』の本編冒頭シーンが解禁されました。

1990年代、独裁政権下のイラク。祖母と二人で暮らす9歳のラミアは、学校のくじ引きで「大統領のケーキ係」に選ばれてしまう。フセイン大統領の誕生日に、お祝いのケーキを準備する係だ。翌朝、ラミアは祖母に連れられて、父の形見の時計と、“友達”の雄鶏ヒンディとともに町へ出かける。ところが、日々の食卓も満足に揃えられない祖母の目的はケーキではなく、ラミアを養子に出すことだった。思わず逃げ出したラミアは、自らの手でケーキの材料を集めれば、祖母との暮らしを続けられると信じて、クラスメイトのサイードと協力して町を駆け回る。十分なお金も時間もなく、あるのは知恵と想像力だけ。果たして、“名誉あるケーキ作り”の行方は──?

到着した映像は、薄暗い静寂の中を、主人公の少女ラミアと祖母を乗せた一艘の小舟が、ゆっくりと進んでいき、祖母の口から語られるのは、人類最古の文学とされる「ギルガメシュ叙事詩」の一節。「神はギルガメシュに言った。“水の中を見よ”“そこに愛の顔を見るだろう”」。この神秘的でどこか予言めいた言葉に対し、「どこの水?」と無邪気な疑問を投げかける幼いラミア。対岸に視線を向けると火事が起きおり、「薄暗い水面」と「対岸の火事」が織りなす光と影の鮮烈なコントラストが印象的なシーンとなっています。

本作の舞台となる湿地帯には、そこに生きる人々の生活や文明の基盤を古くから支えてきた植物「葦(あし)」が自生しており、本作のアラビア語の直訳タイトルが『葦の王国』であることからも分かるように、この植物は作品において極めて重要な意味を持っています。葦の「脆さ」と「不安定さ」を、当時のサダム・フセイン独裁政権下で過酷な運命に翻弄されていたイラクの不穏な情勢へと重ね合わせており、明日の命さえ保障されない人々の営みや、いつ崩壊してもおかしくない国家の危うさのメタファー(隠喩)となっています。

『大統領のケーキ』の撮影を手掛けたのは、今年の第79回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『Fjord(原題)』の撮影監督としても注目を集める、ルーマニア出身のトゥードル・ヴラディミール・パンドゥル。撮影は、ユネスコ世界遺産にも登録されている幻想的なメソポタミア湿地帯のほかイラク国内で実際に行われ、他にも活気あふれるバグダッドの市場など、日本ではなかなか目にすることのできない風景も大きな見どころとなっています。

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『大統領のケーキ』(英題:The President’s Cake)

監督・脚本:ハサン・ハーディ
出演:バニーン・アハマド・ナーイフ、サッジャード・モハンマド・カーセム、ワヒーダ・サーベト、ラヒーム・アルハジ
プロデューサー:リア・チェン・ベイカー
エグゼクティブ・プロデューサー:エリック・ロス、マリエル・ヘラー
撮影監督:トゥードル・ヴラディミール・パンドゥル
編集:アンドゥ・ラドゥ
音響:タマーシュ・ザーニ
美術:アナマリエ・テク 
2025年/イラク、アメリカ、カタール/105分/アラビア語/シネスコ/カラー/5.1ch/日本語字幕:星加久実/字幕監修:中町信孝/PG12

日本公開:2026年7月10日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
配給:松竹
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